27日の仲井真知事とレビン米上院軍事委員長らとの会談の意義について、30日の沖縄タイムス(米軍事委員訪沖でどう変わる?)に、次のように掲載されている。
・・来月から審議が始まる来年度予算編成に向け、レビン氏は、普天間移設と在沖縄海兵隊のグアム移転をセットにした在日米軍再編のロードマップ(行程表)の進展状況を自ら確認しようと実施したのが仲井真知事らとの会談だった。 ・・知事は「普天間基地の県内移設は非常に難しくなっている。(別の)日本国内への移設を、強く日米両政府に申し上げている」と述べ、・・昨年5月の日米合意の見直しと同飛行場の県外移設を要望した。・・、国防総省筋は「知事が埋め立てについて明確にノーと伝えた場合、レビン氏は代替施設建設は事実上不可能と判断し、・・。グアム移転計画は代替施設建設なしで練り直すなどの提言がなされる可能性もある」と語り、・・。 また、予算歳出に影響力を持つ有力議員は、・・「レビン氏の現地視察で今後の予算確保の見通しはより困難となるだろう。震災復興のための日本が巨額財政支出を余儀なくされる状況を踏まえ、計画の一時中止などあらゆる選択肢を検討する必要性も生じるのではないか」と話す。 レビン氏は、移転計画が難航している理由について、グアム議員らとの懇親の場で現地における懸念点にしっかりと耳を傾けた後、「地元の意向を十分に理解することなく国防総省主導で強引に進めたからではないか」と語っている。 日米両政府は、5月に開催予定の2プラス2で代替施設の滑走路の形状などを確認する予定だが、2006年度のパッケージは事実上暗礁に乗り上げることはほぼ確実だ。グアム移転計画は計画自体が破綻している。レビン氏らの訪沖は、そうした事実を直視する機会となったのではないだろうか。 |
移転計画の難航している理由についてレビン氏が指摘する「地元の意向を十分に理解することなく・・強引に進めたからではないか」との点は、正に日本政府の姿勢そのものでもある。ということは、日米両政府が、ともに地元の意見を無視して進めた結果が、今般の状況を創り出したと言える。
民主党政権のもとで、「日米同盟の深化」という言葉が喧伝され、お題目のように繰り返されてきたが、結果はこの状況である。
日米安保体制の根幹は日本の米国への基地提供であり、その根幹となるのが嘉手納基地であるが、その爆音被害、排気ガス被害等への怒りが22058名の原告が結集し第3次嘉手納基地爆音差止訴訟の提訴となった。
地元の理解を得られない状況の中では日米同盟を「深化」させるどころか、「沈下」しかねない状況に陥っていることに日米両政府は気付くべきである。