県民投票を受けて 平成31年2月25日安倍首相会見 平成31年2月26日岩屋防衛大臣記者会見
平成31年2月25日安倍首相会見 総理は、沖縄県民投票の結果について次のように述べました。 「沖縄に米軍基地が集中している。この現状は到底容認できません。沖縄の負担軽減は政府の大きな責任であります。今回の県民投票の結果を真摯に受け止め、これからも基地負担軽減に向けて全力で取り組んでまいります。 「まず、20年前に、危険な基地である普天間基地を移設するということが日米で合意されました。そしてその移設先として、辺野古(へのこ)ということが合意されたわけであります。同時に、沖縄に基地が集中している。この基地を整理、統合、縮小していくということで、我々も一つ一つ結果を出してまいりました。 |
平成31年2月26日岩屋防衛大臣記者会見 Q:米軍普天間飛行場の「5年以内の運用停止」が、安倍総理と当時の仲井真知事が約束してから間もなく5年、この約束が果たされないまま期限を迎えることになりますが、これについての受け止めと、なぜこの間、約束が果たされないまま今日に至ってしまったのかということについて、大臣なりの御所見をお伺いできればと思います。 A:普天間飛行場の「5年以内の運用停止」につきましては、これまでの経緯を踏まえて申し上げれば、やはり、辺野古移設について地元の御協力が得られるということが、当時前提であったと思います。しかし、その後、沖縄県が埋立て承認を取り消し、更には埋立て承認を撤回するなど、安倍総理と仲井真知事の間で共通の認識に立った時点とは、その後大きく状況が変化したことは事実だと思います。こういう状況の中で、誠に残念ながら、「5年以内の運用停止」を実現するのは、非常に難しくなっているということを、これまでも累次にわたって申し上げてまいりました。その上で、これも以前に申し上げたことですが、できれば新たに国と沖縄県の双方が、移設が完了するまでの間における普天間飛行場の危険除去について、認識を共有できるような環境を作っていくことが大事ではないかと思っているところでございます。そういう御理解が得られるように、今後とも粘り強く取り組んでいきたいと思っております。 ・・・・・ A:宜野湾の方々も新しい施設は、できれば造って欲しくないという思いがそこに現れたのではないかと思っておりますが、普天間飛行場を是非、返還してほしいという願いも、きっと強いものがあると考えております。普天間飛行場の返還を果たすためにはどうしたらいいのかということを、政府はずっと考えてきたわけでありまして、それがためには、普天間基地の機能、大きく三つあるわけですが、そのうち二つは県外に移すと、残された機能は辺野古に移設するということで、全面返還を成し遂げたいという思いで、事業を進めてきておりますので、引き続き、粘り強く丁寧に、政府の考え方、国の考え方を御説明して、御理解をいただいていきたいと思っております。 Q:普天間飛行場の返還ですが、辺野古に新しい滑走路ができれば、確実に返還されるものなのかということですが、2013年に日米の間で、返還に向けた8条件というのを確認しているかと思いますが、8条件が整わなければ、辺野古に新たな滑走路ができても返還されないという懸念はありませんでしょうか。 A:普天間の辺野古への移設、そして、普天間飛行場の返還ということは、累次にわたって日米間で合意を重ねてきておりますので、もちろん、諸条件というものをそれぞれ満たしていかなければいけないと思いますし、実際の返還に当たっては、更に詰めた協議を米側と行っていかなければいけないと思っておりますが、普天間飛行場の返還ということに関しては、揺るぎのないものだと考えております。 ・・・・・ Q:冒頭の普天間の「5年以内の運用停止」に関連してなのですけれど、辺野古について地元の御協力が得られることが当時前提だったと大臣はおっしゃいましたが、辺野古の計画が当初通り進んでいても、普天間の返還が22年度以降ということで、今月の時点ではまだ移設は完了していなかったと思います。大臣のおっしゃるその地元の協力が得られていれば、今月で本当に運用停止はできていたとお考えでしょうか。 A:今月中に本当にできていたかどうかというのは、中々難しいところだと思いますけれども、やはり、知事と共通の認識に立てていたのは辺野古への移設ということが前提になっていたと思います。もちろん、沖縄側に責任があるということを申し上げているわけではなくて、政府の方も様々なそれまでの間、紆余曲折があって方針がダッチロールした、その後、何とか普天間の機能停止、全面返還ということを成し遂げたいということで、当時、総理と知事がそういう共通の認識に立ったということだったと思います。残念ながら、5年以内ということは実現が事実上できなくなっているわけですけれども、1日も早い普天間飛行場の機能停止というか、全面返還ということに向けて、政府として、なし得る努力をしっかりしていきたいと思っております。 Q:宜野湾市の緑ヶ丘保育園に、2017年12月に米軍ヘリの部品が落ちているのが見つかった件なのですけども、防衛省が近く職員を派遣するという報道が出ていますけれども、事実関係や目的等を教えてください。 A:本事案については、米軍等関係機関において、引き続き、調査中ではありますけれども、今、お話にあったように事案の発生から1年以上が経過していることを踏まえまして、防衛省の取組や現状について、沖縄防衛局から保育園関係者に説明をさせていただきたいと考えております。 Q:どういった内容を説明されるのでしょうか。 A:この間のヘリのドアが落ちてしまったところは、様々な対策を講じたり、もっと大きく言えば、この間の基地負担の軽減の取組等行ってきておりますけれども、そういうことも御説明し、御要望があればお伺いをするということで近々に訪問をさせていただきたいと思っています。 Q:新たに防衛省として検証、あるいは調査に取り組むというお考えもあるのでしょうか。 A:防衛省の調査というのは、どうしても限界があろうかと思いますので、米軍においても、引き続き、しっかり調査を進めてもらいたいと考えております。 ・・・・・ Q:辺野古に関して2点お伺いします。これまでかかる費用について沖縄県の試算が2兆4000億と、そんなことはないと思うと答弁していらっしゃったりしていますが、例えば1兆は超えないだろうとか、埋立てだけで5年はかからないという、そういった具体的な年数、工法、金額については、これからだと思うのですが、おおまかに、少なくともここまではいきませんという見立て、お考えというのは、どういうところをお持ちなのでしょうか。 A:いずれかの時期、しかるべき時期に、そういうこともしっかり説明しなければいけないと考えているのですけれども、これも再三申し上げてきておりますが、私ども、今、国交省に審査請求中、審査を受けているところでございますので、審査への影響ということも考えて、私どもが提出した報告書については、今、公表するのは控えさせていただいているところでございます。当然、設計変更をしなければなりません。地盤改良もしなければなりませんので、それがどういう工法になるのか、そうなれば期間としてどれぐらい要するのか、費用としてどのくらい要するのか、工事自体は進んでいかなければ確定的なものは出てこないかもしれませんが、概算としてどういう形の工事になるのかということは、しかるべき時期にしっかり説明をさせていただきたいと思っております。 Q:今回、安全保障は国の専権事項ということは、ある程度共通した認識だと思うのですけれども、それに対して、国ではない地方自治体の直接投票によってこういう民意が出された、そういうこれまで自治体のまるまるで賛否を問うというのは、そんなに例があるということではないと思いますが、こうした手法を県という自治体がとったことについて、大臣としてはどう思われますか。また、仮にこういうことが続いてしまうようなことに対しての懸念や危惧というのはお持ちなのでしょうか。 A:なかなか難しい質問ですけれども、まず専権事項という言葉は使いたくないと私は思っておりまして、非常に語感がよろしくないというか、そういうふうに感じておりますが、沖縄には沖縄の当然民主主義があり、しかし、国には国の民主主義というものがあるのだと思います。それぞれに民意に対して責任を負っているということだと思います。したがって、今度の県民投票で示された沖縄の民意というものは、私どもしっかり受け止めなければいけないと思っておりますが、一方、国も民主的に選挙された国会によって、内閣が構成され、やはり時の政権には日本の国の安全保障という大きな責任を担っているわけでありまして、私どもは、その責任もやっぱり、しっかり果たしていかなければいけないと思っております。そういう意味で非常に難しい困難な課題ではありますけれども、やはり対話というものをしっかり行って、できるだけ御理解をいただき、御協力をいただけるように、これからも誠心誠意対応してまいりたいと思っております。 Q:先ほど大臣は設計変更のことをおっしゃいましたけれども、先日の沖縄県議会で、県の執行部は設計変更が出された場合には、出せない立場だというような、出さないという考えを示していますけれども、先ほどできるだけ丁寧に説明をして協力得られるようにとおっしゃいましたが、県の立場表明についてどのようにお考えでしょうか。 A:ちょっと残念に思います。やはり、来たる設計変更の中身を見ていただいて、是非を御判断していただきたい、是非、承認をしていただきたいと思っております。 ・・・・・ Q:辺野古の問題なのですが、先程大臣は「対話を重視する」と仰っておられましたけれど、その一方で、工事を続行していらっしゃるというのはどうしてですか。 A:恐らく、今般の県民投票を受けて知事もまた上京されると思います。総理は会っていただけると思いますが、是非、私にも申入れがあれば、お会いしたいと思っております。4ケ月で4度、知事にはお目にかかりましたけれども、対話というか、意思の疎通を欠かしてはいけないと思っておりますが、一方で、この23年来の課題の解決に向かって一歩ずつ前進をさせていただきたいと思っておりますので、工事については続けさせていただきたいと思っております。 Q:それは沖縄県民が示した民意に対して、諦めろという指示要請ですか。 A:いえ、そういう気持ちではありませんが、私ども国としての責任、抑止力の維持と沖縄の負担軽減ということの実現のために、前に進ませていただきたいと思っております。 Q:国に歯向かっても何にもないぞと、国は強大な力を持っているぞということを示そうとしていらっしゃるのですか。 A:私は決してそういう言葉遣いをいたしませんので、先程来申し上げているとおりでございます。 Q:そういう言葉遣い、ワーディングはしないけれども、そういうことなのだということですね。 A:いや、そういうことではありません。沖縄の皆さんにも、もちろん多くの悩みはあるかと思いますが、国は国で悩み、考えながらこの政策を進めさせていただいているところでございますので、誠心誠意を尽くして御理解がいただけるように努力したいと思います。 Q:対話の姿勢を示しながら工事を続けるということは一体どういうことなのか、ということを説明していただきたい。 A:これは先程来申し上げているとおりです。対話をするということは、説明を丁寧にする、ということだと思います。一方で、長きにわたる課題の解決に向けて前に進めさせていただきたいと思っています。 |