2010年12月07日

(速報)軍雇用員不当解雇訴訟控訴審で解雇無効の判決!!!

  沖縄の米軍基地キャンプ瑞慶覧で不当解雇されたとして解雇無効を訴える裁判の控訴審で、福岡高等裁判所那覇支部は、1審に続いて解雇無効の判決を下した。

 同時に、裁判所で解雇無効の判決が確定した場合でも、日米協議の結果で安全上の理由による解雇と認定できれば復職を拒むことができるとした国の主張に対しても、「安全上の理由による解雇と認定できなことは明らか」と述べたという。(正午のNHKラジオ第1ニュースより)

 明日の朝刊が楽しみです。

posted by 福地行政書士事務所 at 12:28| 判例・裁判関連報道等
2010年11月18日

「米軍に判決拒否権」って何?

 沖縄の米軍基地キャンプ瑞慶覧で不当解雇されたとして解雇無効を訴える裁判が進行中であるが、その控訴審の和解協議の際に、解雇無効の判決が確定した場合でも、米軍側が日米間で定めた諸機関労務協約をたてに復職を拒むことができるということが分かったという。(沖縄タイムス報道詳細はこちらをクリック)
 解雇無効判決が確定しても、米軍側が復職を拒むことができるとはどういうことなのか調べてみた。
 (1)基地従業員の雇用形態
  日米両国は、日米地位協定により、日本国が労働者を雇用し、在日米軍に提供するいわゆる「間接雇用方式」を採用している。そして、その労務提供を円滑に実施するため、防衛省と在日米軍は、3つの労務提供契約(@基本労務契約A船員契約B諸機関労務協約)を締結し、提供する駐留軍等労働者の資格要件、労務管理の実施方法、給与その他の勤務条件の内容、労務経費の日米負担の区分等在日米軍への労務提供に関する具体的諸条件を細かく取り決めている(駐留軍等労働者の労務管理に関する検討会報告書平成22年8月より)。
 つまり、基地従業員は日本国が採用して米軍に提供しており、提供する際の労務契約の中身が今回の問題の発端ということになる。
 (2)報道によれば、その労務提供契約には、日本の裁判所で解雇無効の判決が確定した場合、「安全上の理由による解雇」を除く訴訟事案については復職義務を負うものの、日米協議の結果「安全上の理由によると解雇」と判断された場合は、米軍が復職を拒むことが可能になるという。
 (3)日本の裁判所の解雇無効判決が確定しても、日米協議でその解雇が「安全上の理由による解雇」と判断することができるのか。解雇に至った事実関係はすでに裁判所によって無効と判断され、雇用主である日本国を拘束する。にもかかわらず、日本国と米軍が協議して、「安全上の理由による解雇」として認定することができるのか。仮にそのように判断するとなれば裁判所の判断に反する行政行為であり、憲法の基本原則である三権分立の基本理念にも抵触する恐れがあるのではないか。
 裁判所で解雇無効の判決が確定した場合でも、日米協議の結果「安全上の理由による解雇」と認定できるのか。極めて疑問である。

posted by 福地行政書士事務所 at 13:43| 判例・裁判関連報道等
2010年11月02日

裁判員制度で、初めて死刑求刑された「耳かき店員ら殺害事件」から

 裁判員制度で、初めて死刑求刑された「耳かき店員ら殺害事件」の判決が昨日(11月1日)出された。判決は無期懲役。

 刑事裁判への市民感覚の導入を大義名分として導入された裁判員制度では死刑判決が多くのなるのではないかと思われたが、現実に初めて死刑求刑された事件では無期懲役の判決が下された。過去の判例からすれば、今回の事件は、その流れに沿ったものと言える。

 裁判員の評議においては、本件が「極刑をもって望むしかない」場合にあたるか否かが争点となったと思われる。犯行の残忍性や遺族の被害感情とともに、事件に至った被害者と被告人との関係、被告人のこれまでの生活態度や被告人の反省情等が考慮され、議論がなされたのであろう。

 刑事裁判への市民感覚の導入を大義とする裁判員制度では、裁判員自身へ秘匿義務が課されている。そのため、どの程度に市民感覚の導入が図られているのか検証が難しい。誰もが裁判員となる可能性がある。裁判手続きの現場の情報をもっと開示すべき方向に行くべきではないかと思う。情報開示は、裁判員制度を定着させるためにも必要不可決である。

posted by 福地行政書士事務所 at 08:51| 判例・裁判関連報道等
2010年09月26日

中国人船長釈放と村木さんの冤罪事件と

 尖閣列島付近で違法操業の疑いで逮捕された中国人船長が釈放された事件と無罪判決が出た後に証拠物の偽造が発覚した村木さんの事件は、これまで抱いていた検察への信頼を大きく揺るがす事件だ。

 村木さんの事件は、結局、検察のでっち上げであることが判明し、村木さんも復職を果たした。その後に発覚した証拠物の偽造は検察への信頼を失墜させ、その影響は偽造により逮捕された前田検事が担当した他の事件にも波及している。何が何でも起訴しなければならないという検察の姿勢が生んだ冤罪事件である。

 これに対して、中国人船長の事件は、領海侵犯の疑いで事情聴取しよとした海上保安官の停戦命令を無視して逃走したあげくに、海上保安庁の船に自らの漁船を2度も衝突させて逃走を図ろうとした、と報道されている。領海侵犯、公務執行妨害、器物損壊の犯罪行為であり、しかも、容疑については否認しており、裁判所の勾留延長が決定された。報道のとおりであれば、通常、この時点で釈放はあり得ない。法に則って粛々と手続きを進めるのなら、なおさらである。ところが、突然の処分保留による釈放。

 証拠物を偽造してまで起訴に踏み切った村木さんの事件と、容疑が明らかであるのに突然処分保留にした中国人船長の事件。いずれの事件についても、これまでの検察への信頼が大きく揺らいだことは間違いない。

 10月の臨時国会では、検察に関する議論が期待されるが、どこまで、真実が語られ、その姿が明らかになるのか、注目したい。

posted by 福地行政書士事務所 at 10:51| 判例・裁判関連報道等
2010年09月11日

村木元局長の無罪判決に思うこと

 厚生労働省の村木元局長に対する無罪判決が昨日9月10日に出された。郵便制度悪用に絡む虚偽有印公文書作成・同行使罪での起訴だった。検察が立証する事実がことごとく翻される裁判状況が報道される中、無罪判決が予想されたが、その通りになった。

 無罪判決を受けて笑顔で答える村上さんではあるが、その表情には逮捕から判決までの労苦がにじみ出ている。捜査段階から起訴を受けて保釈までの約5ヵ月の拘留があったという。厚生労働省局長の身分を突然奪われたのだから、その間の精神的・肉体的苦痛は想像を絶する。

 長妻厚生労働大臣は、ただちに、村上さんの名誉回復を行うべきである。

 本来なら、判決直後に村上さん受入れを表明すべきではないのか。検察の完全敗北である。部下を守るのは上司の義務である。早々に村上さんの厚生労働省への復帰、そして名誉回復が行われるべきである。

posted by 福地行政書士事務所 at 11:39| 判例・裁判関連報道等