【冒頭コメント】(4月26日付琉球新報より転載)
本日、沖縄防衛局が護岸工事に着手し、辺野古の海に捨石(砕石)の投入を開始したことについて、防衛局から連絡があった。現地に派遣した県職員からも報告を受けた。
県は、事前協議が整うまで工事を停止するよう求めてきた。今回、防衛局がこれに応じず工事を強行したことは許し難い。
防衛局は承認書で、事業区域内のサンゴ類の移植などを工事実施前に行うとしていた。県は護岸工事施工箇所サンゴ類の状況を確認するため、防衛局に調査結果の資料提供や、工事の着手前に県に立ち入り調査を認めるよう求めた。しかし防衛局は十分な説明もせずに捨石を投入している。
埋め立て工事は各工区を汚濁防止膜で閉じる方法ではないので、サンゴ類の移植などを行った後に工事を行わなければ、濁りの影響などで移植前のサンゴ類の多くが死滅する可能性もある。
さらに、今年3月17日に環境省が「海洋生物レッドリスト」を公表したが、県の確認では、埋め立て事業の評価書に記載された確認種のうち63種類が、新たに貴重な海洋生物に該当することになり、サンゴ類も評価書に記載された確認種のうち5種類が、新たに貴重な種に該当するようになる。サンゴ類の移植の方法について、防衛局が環境監視等委員会の指導・助言を得たのは2015年度であり、こうした新たな情報を考慮したものになっていない。
今回、防衛局が用いた手法は、高裁判決で示された「現在の環境基準技術水準に照らし」て、「その場その時の状況に応じて専門家の指導・助言に基づいて柔軟に対策を講じ」ているとさえも言えない。サンゴ礁生態系を死滅に追いやる恐れもある。環境保全の重要性を無視した暴挙であると断ぜざるを得ない。
政府はなりふり構わず、埋め立て工事着手という既成事実をつくろうと躍起になっているが、護岸工事は始まったばかりで、二度と後戻りできない事態にまで至ったものではない。
このような政府の暴挙を止めるため、私はIUCN(国際自然保護連合)などにも強く協力を訴え掛けていくと同時に、差し止め訴訟提起を含むあらゆる手法を適切な時期に行使し、辺野古に新基地を造らせないという県民との約束を実現するため、全力で戦う。
大浦湾の貴重な自然環境を次世代に受け継ぐためも、県民の皆さまも決して諦めることなく、辺野古の新基地阻止に向け、引き続きご理解とご協力をお願いする。