2015年04月18日

【お客様の声、質問】相続人以外の者(例えば祭祀承継人等)の遺産分割協議への参加は可能でしょうか。

以下の見解は、あくまでも本HM作成者の見解ですので、ご了承ください。

1.遺産分割協議は、相続人でなければ参加できないのが基本と思われます。民法で相続人と規定さらている妻、子、父母、兄弟姉妹等以外の者は相続人となることはできません。

 しかし、遺産分割協議は、相続人らの任意により実施され、同協議書は作成されます。したがって、協議に誰を参加させるかは、相続人の任意であり、相続人全員の同意があれば、相続人以外の者を遺産分割協議に参加させることができるとも考えられます。

2.例えば、祭祀承継(沖縄におけるトートーメー等)について

(祭祀に関する権利の承継)

民法第897条  系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。

2   前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

  祭祀承継については、本規定のとおり遺産分割手続きとは切り離され、「慣習に従って」定められるとされています。したがって、相続人以外の者が祭祀承継することは可能となります。そこで、相続人らの任意で実施される遺産分割協議に相続人以外の者が祭祀承継人として参加し、同協議書に祭祀承継人として記載することは許されると考えられます。

3.遺産の取得について

 但し、遺産については、相続人以外の者は相続により取得することはできません。

 相続人がいったん相続し、その後に祭祀承継人に贈与等の手続きを経て譲渡されなければならなりません。

 不動産であれば、相続登記でいったん相続人に移転登記を済ませ、その後に、贈与等を原因とする所有権移転登記を経なければならないと思われます。また、税金についても、相続税が発生した後に、仮に贈与するのであれば贈与税が発生すると思われます。

 以下の見解は、あくまでも本HM作成者の見解です。参考にしていただければ幸いです。

posted by 福地行政書士事務所 at 15:50| お客様の声、質問
2013年07月16日

強制執行手続で現金を差し押さえることができると聞きましたが、可能でしょうか

【質問】 

 売掛金を支払わない相手に対し、少額訴訟を提訴し勝訴判決を得ました。しかし、相手はいっこうに支払う様子がありません。相手は食堂を営んでいるのですが、強制執行手続で現金を差し押さえることができると聞きましたが、可能でしょうか。

【回答】
 可能です。相手に対する判決を使って食堂の売上金を差し押さえることができます。但し、差押え可能な金額に制限があります。民事執行法は、世帯の2月間の必要生計費を勘案して政令で定める額、については差し押さえを禁止しています。これを受けて民事執行法施行令第1条は「政令で定める額は、66万円とする」としています。
 したがって、売上金があったとしても差押可能な額は66万円を超える部分となります。仮に66万円に満たなければ差し押さえはできないことになります。

参考条文

民事執行法(差押禁止動産)
第百三十一条
 次に掲げる動産は、差し押さえてはならない。
一 債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具
二 債務者等の一月間の生活に必要な食料及び燃料
三 標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭
民事執行法施行令(差押えが禁止される金銭の額)
第一条
 民事執行法(以下「法」という。)第百三十一条第三号(法第百九十二条において準用する場合を含む。)の政令で定める額は、六十六万円とする。

 

posted by 福地行政書士事務所 at 15:05| お客様の声、質問
2012年12月06日

衆議院選挙のことを、「総選挙」と呼ぶのはなぜですか。

【回 答】 憲法に規定されています。

 今回の衆議院選挙は12月4日に公示され、12月16日の投開票が実施されます。この衆議院選挙ですが、憲法54条には次のように規定されています。

第五十四条  衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。

 ちなみに参議院の選挙は「通常選挙」と呼ばれています。国会法2条の3に規定されています。

第二条の三  衆議院議員の任期満了による総選挙が行われたときは、その任期が始まる日から三十日以内に臨時会を召集しなければならない。但し、その期間内に常会が召集された場合又はその期間が参議院議員の通常選挙を行うべき期間にかかる場合は、この限りでない。
○2  参議院議員の通常選挙が行われたときは、その任期が始まる日から三十日以内に臨時会を召集しなければならない。但し、その期間内に常会若しくは特別会が召集された場合又はその期間が衆議院議員の任期満了による総選挙を行うべき期間にかかる場合は、この限りでない。

※なお、この見解は本HMの個人的見解ですので、悪しからず。

posted by 福地行政書士事務所 at 11:53| お客様の声、質問
2012年09月17日

遺産分割協議をしたいのですが、相続人の一人のが所在が分かりません。住所を調べる方法はありますか。

 相続人の所在が不明ということですので、所在が分からない相続人(以下「不在者」という)の本籍地(戸籍があるところ)はすぐに分かると思います。

 本籍地には“戸籍の附表”が備え置かれています。戸籍の附表には不在者の住所の変遷が記載されています。これを取り寄せれば一番新しい住所地が判明します。

 ただ、戸籍の附表に掲載されるのは役所等に届けられた場合に限られるので、届出がされていなければ掲載されません。

 なお、戸籍や住民票、戸籍の附表等については行政書士の職務権限で取り寄せることができます。

 委任していただければ業務としてお役に立てます。必要でしたらご用命ください。

 なお、不在者の所在が確認できない場合は、裁判所に不在者財産管理人を選任してもらえば遺産分割協議が可能です。詳細は当HM記事 相続人が行方不明のときはどうしたらいいの(不在者財産管理人の選任)を参照)

posted by 福地行政書士事務所 at 15:48| お客様の声、質問
2012年09月13日

5年くらい前に父が他界したのですが事情があって遺産相続が終わっていません。母が法定相続分の遺言を希望しているのですが、可能でしょうか。

 結論から言って、可能です。理由等は以下のとおりです。

【質問の内容】 5年くらい前に父が他界しました。しかし、事情があって遺産相続が終わっていません。母も高齢となり、今後のことを考えて亡父の遺産相続に係る母の法定相続分(1/2)を遺言で長男に相続させることを希望しているのですが、可能でしょうか。

【回  答】可能です。ただ、遺産相続が未了ですので、具体的に不動産、預金、動産等を特定することはできません。あくまでも、持ち分に関する遺言となります。したがって、遺産を分けるためには分割協議が必要になります。

 遺言書の表現としては以下のようになるかと思います。あくまでも参考ですので詳細については専門家にご相談ください。

遺 言 書

 遺言者〇〇〇〇は、以下の不動産を含む被相続人△△△△の遺産相続に係る相続分については、すべて長男××××に相続させる。

  1.不動産 ・・ 

  2.預 金 ・・・・

  3.現 金 ・・・・円

posted by 福地行政書士事務所 at 14:44| お客様の声、質問
2012年07月03日

過去に建設業許可を受けていたのですが、書類をすべて処分しました。あらたに許可を受けたいのですが、過去の許可の事実を証明する方法ありますか。

【質問の内容】 過去に経営していた会社(法人)で建設業許可を得ていたので、その経験を活かして新たに許可を得ようと思うのですが、当時の記録・書類等はすべて処分して残っていません。何か証明する方法はあるでしょうか。

【回  答】

 いくつかの方法が考えられますので、順を追って説明します。
@建設業許可の記録については、許可を受けた官庁(県庁等)に記録が残っている可能性があります。官庁保管記録であれば証明能力は十分でしょう。問い合わせて記録があれば、担当者と調整して閲覧し、必要な部分をコピーすることになります。

A次に、官庁にも記録が存在しないことがあります。記録等については保存期間があり、それを過ぎると廃棄します。
 その場合には「東商企業要覧」に記載があれば認められる場合があります。企業要覧には会社名・住所等の他に許可番号、業績(決算状況)が記載されており、それによって許可を受けていた事実、営業を営んでいた事実等が認められるのです。

 なお、「東商企業要覧」は各年度毎に整理された、かなり大がかりの資料です。一般的には公的図書館で閲覧することが可能です。

Bまた、経営事項審査を受けている会社については、経営審査会社にデータが残っている可能性があります。公になっているデータについては保存されている可能性がありますので、問い合わせる価値はあると思います。

 いずれにしても、記録のコピー、東商企業要覧のコピー、データ等によって経営業務管理者等の資格認定資料として認めるか否かは許可判断する担当官庁の判断になります。

 当該担当官庁の担当者と連絡を取りながら手続きを進めることが重要です。

 本記載はあくまでも参考ですので、担当者との調整が必要です。

posted by 福地行政書士事務所 at 11:19| お客様の声、質問
2012年05月26日

“サービス付き高齢者向け住宅の登録手続”をしたいのですが、どのような手続きが必要ですか。

 サービス付き高齢者住宅制度は平成23年に改正された「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(クリックでサービス付き高齢者向け住宅HMの同法頁へ) により創設されました。介護・医療と連携し、高齢者の安心を支えるサービスを提供するバリアフリー構造の住宅制度です。この制度は、高齢者が安心して生活できる住まいづくりを推進するために制定されました。居室の広さや設備、バリアフリーといった居住環境のハード面の条件を備えるとともに、ケアの専門家による安否確認や生活相談サービスを提供することなどにより、高齢者が安心して暮らすことができる環境を整えます。
 国は住居の安定確保に向けて、算補助、税制及び融資面での支援措置(クリックで同HMへ)を設けました。
 サービス付き高齢者向け住宅事業者は、都道府県等の窓口で登録の申請を行います。申請が認められると登録完了となり、情報が公開されます。
 登録申請手続きは以下のとおりです。
1 登録窓口への事前確認
 登録基準や申請時の添付書類等については、都道府県独自の基準が設けられている場合があります。御確認を。(地方公共団体毎の問合せ先。クリックで同HMへ)
2 登録申請書の作成(詳細は登録申請方法についてへ。クリックで同HMへ)
(1)アカウント登録(ログインパスワードの取得)
 申請に際しては、住宅・施設(物件)ごとにアカウント登録が必要です。以下は手続の内容です。

@事業者情報を入力・登録

A登録したEメールアドレスにログインパスワード通知メールが送付される  

B取得したログインID(メールアドレス)とログインパスを使って登録システムへログイン 

C各申請書式に情報入力

D入力内容を確認  

E確定した申請書PDFファイルを印刷

F申請書に署名(記名)・押印して完成

3 登録申請手続
(1)添付書類
 添付書類については国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則第7条(クリックで同HMへ)に規定されています。

 ちなみに沖縄県の求める申請書への添付書類は以下とおりです。

@付近見取り図

A配置図

B各階平面図

Cバリアフリーチェックリスト                    

D入居契約約款

E建物登記簿等

F住宅管理を委託する場合の契約書等

G(申請者が法人の場合)登記事項証明書及び定款

H入居契約等の基準に関する誓約書

I前払金の保全措置を証する書類

J欠格要件に該当しないことの誓約書

K確認済証の写し

L共同部分と居住部分を示した求積図

M面積算定表

N入居契約書チェックリスト

その他必要に応じて

(2)完成した申請書と添付書類を登録窓口に提出
 ※沖縄県の場合、申請書類一式の、正本2部、副本1部を提出。郵送でも可能です。
(3)申請後の手続
 地方公共団体等での審査が実施され、不備がなければ1、2週間程度で登録完了となり、情報が公開されます。訂正等が発生するとその分の日数が必要となります。

公開された情報等 沖縄県 サービス付き高齢者向け住宅一覧(クリックで同HMへ)

posted by 福地行政書士事務所 at 11:14| お客様の声、質問
2011年11月21日

相続の際の遺留分について教えください。

 遺留分については次のように説明されています。 

 遺留分とは,一定の相続人のために,相続に際して,法律上取得することを保障されている相続財産の一定の割合のことで,被相続人(亡くなった方)の生前の贈与又は遺贈によっても奪われることのないものです。(最高裁HM:クリックで同HMへ)

 通常、私たちは自分の財産をどのように処分しようが自由です。自分で使ってしまおうが、他人に贈与しようが自由です。そして、遺言を残すことによって、その自由な処分を死後にも及ぼすことができるのです。ところが、遺言ですべての財産をただ1人に遺贈若しくは相続させた場合どうなるでしょう。相続できるものと考えていた残された家族はどうなるのか。このときの出てくるのが遺留分制度です。民法には次のように規定されています。

民法1028条:兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
@直系尊属のみが相続人である場合被相続人の財産の1/3

A前号に掲げる場合以外の場合被相続人の財産の1/2

 ですから、仮に相続分について遺留分を侵害されているような場合は、遺留分を侵害している者に対して遺留分請求することができます。

 但し、遺留分侵害請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないとき、若しくは相続開始の時から10年を経過したときは消滅します(民法第1042条)ので、ご注意ください。

posted by 福地行政書士事務所 at 17:22| お客様の声、質問
2011年11月17日

不在者財産管理人が財産をねこばばするとどうなりますか。

 結論からいうと、この場合は業務上横領罪(刑法253条)になると考えられ、10年以下の懲役に処せられることになると思われます。
 
 不在者財産管理人(以下「財産管理人」という)の職務は、不在者の財産を管理することです。その選任については、不在者本人の指定、若しくは利害関係人等の請求により家庭裁判所が選任することになります(民法25条)。財産管理人には、裁判所に対する財産状況等についての報告義務も定められています(同27条)。また、管理している財産を売却するような場合には裁判所の許可を得なければなりません(同28条)。このような財産管理人の管理責任については善良な管理者の注意(家事審判法16条)※1をもって行う必要があると規定されています。
 このような他人の財産を管理する責任を有する財産管理人が管理財産をねこばば(金品などを不当に自分の物にすること)すると業務上横領罪に問われることになると考えられます。

 横領罪には一時的に預かったものを横領するような場合に適用される(単純)横領罪がありますが、財産管理人は継続的(不在者が帰ってくるとか、死亡が確認されるまで)管理責任があることから業務上横領罪が適用されることになると考えられます。以下の条文にもあるように、業務上横領罪となると10年以下の懲役に処せられることになります。

(横領罪)
刑法第252条1項  自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。

(業務上横領罪)
同第253条  業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

※1 善良な管理者の注意:管理者の職業や生活状況に応じて要求される注意義務
 

posted by 福地行政書士事務所 at 09:20| お客様の声、質問
2011年08月15日

遺産中の預貯金の支払請求

【質問】  遺産分割協議をしていますが、協議が整いません。遺産中の預貯金も凍結され引き出すことができませんが、法定相続分であれば引き出せると聞きましたが、可能でしょうか。

【回答】

 一般的には可能かと思われます。
 相続財産中の可分債権(現金、預貯金等)については、最高裁判例(昭和27年(オ)1119損害賠償請求事件クリックすると最高裁HMへ)により、法定相続分に応じて権利を承継すると解されます。つまり、分割協議がなくても当然に法定相続分については権利を取得すると解されます。
 この判例に従えば、当然、法定相続分に応じて引き出すことができることになります。ただ、遺産分割協議で特定の相続人が取得することが予定されているのであれば、分割協議が済むの待つのも一つの方法かと思われます。

  請求の方法としては、自らが相続人であることを示す資料(戸籍謄本等)を示して、当該金融機関に請求することになります。

posted by 福地行政書士事務所 at 14:34| お客様の声、質問