2021年10月01日

2014年05月24日記事)国富とは何か。守るべきものは何か。〜大飯原発差し止め判決より〜

 5月21日に言い渡された大飯原発差し止め訴訟第1審判決。福井地方裁判所は、「大飯原発3,4号機は運転してはならない」と判断した。

 裁判中で、被告関西電力は、電力の安定供給等のためには原発稼働の必要性について主張するが、この点について、福井地裁は明快に断罪した。前回は判決要旨から抜粋したが、以下判決文からの抜粋である。少々長くなるが引用する。

9 被告のその余の主張について

 他方、被告は本件原発の稼働が電力供給の安定性,コストの低減につながると主張するが(第3の5),当裁判所は,極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。

 我が国における原子力発電への依存率等に照らすと、本件原発の稼働停止によって電力供給が停止し、これに伴なって人の生命、身体が危険にさらされるという因果の流れはこれを考慮する必要のない状況であるといえる。

 被告の主張においても、本件原発の稼働停止による不都合は電力供給の安定性、コストの問題にとどまっている。このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。

 また、被告は、原子力発電所の稼働がCO(二酸化炭素)排出削減に資するもので環境面でも優れている旨主張するが(第3の6)、原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすざまじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。

 上記部分は、大飯原発の安全性に関する争い以外の部分で、現在裁判が進行しているすべての裁判の基本理念となり得る。

@極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と原発再稼働が電力供給の安定性,コストの低減につながるとの主張を並列に論じることは許されず、前者が優先されることは明らかであること

A我国の原子力発電への依存率等に照らせば、原発稼働停止によって人の生命、身体が危険にさらされることはないこと

B原発停止で多額の貿易赤字が出るとしても、豊かな国土に国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であること

C原発稼働がCO2(二酸化炭素)排出削減に資するとの主張は、福島原発事故がわが国始まって依頼最大の環境汚染であり、原発の運転継続の根拠とすることは甚だしく筋違いであること

 上記は正論であり、反論は成り立たない。問題は、各裁判で対象となっている原発の安全性だけだ、ということになる。

 ちまたで、あたかも当然のように繰り広げられる議論がある。

   @コスト・電気料高騰の議論

   A電力不足による医療現場や熱中症による危険性等

   B貿易赤字等により国際競争力の低下等による国富の流出や喪失

   C原発稼働が二酸化炭素排出削減に資する

 以上の議論に騙されてはならない。

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2021年05月17日

過去記事2017-08-13)日本政府は直ちに「日本本土防衛のための沖縄捨石作戦」を止めよ。8.12県民大会に示された民意を、日本政府は直視せよ!

過去記事2017-08-13)沖縄の現状は何も変わらない!!!

 45千人が結集した(2017年)812日の「翁長知事を支え、辺野古に新基地を作らせない8.12県民大会」。

 翁長知事は次のように述べた。

「ぐすーよさー、大和政府んかい、うしぇーらってぇーないびらん、まきてーないびらん。くわぁ、うまがぬたみにん、最後まで、ちばてぃ、いからなやーさい。(みなさん、日本政府に馬鹿にされてはならない、負けてはならない。子や孫たちのためにも、最後まで戦い抜きましょう。」

 場内は、万雷の拍手につつまれた。沖縄の民意が、あらためて示された瞬間だ。

 30度をはるかに超える酷暑の中で示された沖縄の民意。翁長知事も指摘するように、民主国家を標榜するわが国が、この民意を無視することは許されない。

 安倍首相、菅官房長官及び小野寺防衛大臣に申し上げる。

 戦前戦中は本土防衛のための捨石として、戦後は日本独立のための米国への貢物として、そして、復帰後は日米同盟のゴミ捨て場として、沖縄が強いられてきた犠牲の歴史に、沖縄が決別する意思を、明確に示し続けていることを認識すべきだ、ということを。

 沖縄は、基地問題解決のために、独自の外交ルートを使って米国民や米国政府との連携を模索している。47都道府県のうち、外務省を頼らず、独自の外交を展開しているのは沖縄県のみではないか。沖縄の民意を一顧だにしない日本政府に見切りを付けて、沖縄は自力救済の途を模索していると言っても過言ではない。

 安倍首相、菅官房長官及び小野寺防衛大臣に、再度申し上げる。

 日本政府は直ちに「日本本土防衛のための沖縄捨石作戦」を止め、その証として辺野古新基地建設を断念すべきである。

 沖縄の民意は、辺野古新基地建設阻止を実現するために闘い続ける。

4万5千人が結集!!!今日8月12日午後2時、翁長知事を支え、辺野古に新基地を作らせない8.12県民大会に参加しました(クリックで同記事へ)

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2021年05月17日

過去記事2017-05-16)批判!!!昨日のNHK、沖縄の本土復帰45年特集番組、きんくる・クロ現プラス

過去記事2017-05-16)沖縄の現状は何も変わらない!!!

 昨日のNHKの沖縄の本土復帰特集番組、きんくる・クロ現プラスは沖縄と本土の溝がテーマであった。

 ところが、以下の世論調査が示す、沖縄に基地が集中する沖縄差別の構図にまったく触れずじまい。唯一救いだったのは、クロ現プラスで津田氏がNHKの沖縄批判の姿勢に迎合することなく、辺野古新基地の理不尽さに触れたこと。

 伊集東村長が高江ヘリパッド建設を「苦渋の決断」として受け入れたとする場面では、同村長に対する抗議の声を、いわゆる沖縄ヘイトと同列に扱った。選挙で選ばれた首長が選挙民の批判に晒されるのは民主主義の原則だ。その抗議の声を、いわゆる沖縄ヘイトと同列に論じたのは言語道断。厳重に抗議する。

 沖縄の民意が否定されたと感じたのは私だけではないだろう。

@琉球新報 復帰45年県民世論調査(2017.5.9付琉球新報より)

在沖米軍の現状について
  不平等だと思う 70.0%
  やむ得ない 24.7%
  わからない 5.3%

 

A沖縄タイムス,朝日新聞,QAB共同 復帰45年県民意識調査(2017.5.12付沖縄タイムスより)

基地集中は沖縄差別
 その通りだ 54%
 そうは思わない 38%
 その他・答えない 8%

    

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2021年04月13日

嘉手納米軍基地の、通常の爆音禍に加え即応訓練による連日の爆音禍!生活環境破壊、人権侵害だ。米軍は沖縄から出て行け!

 嘉手納米軍基地の、通常の爆音禍に加え即応訓練(期間4月12日から16日まで)による連日の爆音禍!

 生活環境破壊、人権侵害だ。米軍は沖縄から出て行け!

(嘉手納町HPより)

縮小縮小 即応訓練の通知p.jpg 

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2020年09月20日

2017年05月04日記事)沖縄の空はうちなーんちゅのもの。沖縄は二度と騙されてはならない〜嘉手納・普天間・那覇3飛行場飛行場の管制空域から見る沖縄の基地問題〜

 飛行場には管制空域が設定されている。管制空域は 、飛行機の安全のために指定されるもので、管制区に指定された空域においては、一定の規制が掛けられ、飛行場による管制業務が提供され、航空交通の安全と秩序ある流れが維持されている。つまり、当該管制空域では、管理する飛行場管制官の指示がなければ飛行できないし、飛行場での離発着もできないことになる。

 嘉手納・那覇両飛行場空港に挟まれる普天間飛行場30%.jpg嘉手納・普天間・那覇の3飛行場(以下単に嘉手納、普天間、那覇という)も同様だ。管制空域は飛行場から半径9qの円だ。左図のとおりだ。

 嘉手納・普天間の距離は約10km、そして普天間・那覇の距離も約10km。普天間の管制空域は嘉手納・普天間と重なりあう。

 普天間は、嘉手納・那覇の管制空域に挟まれている。そのため普天間飛行場の空域は円ではなくいびつな形になる。同時に、嘉手納・那覇も普天間の管制空域のために制限を受けている。

 現在、普天間周辺では嘉手納基地所属機の飛行はあまり見られない。それはこの空域制限のためだ。その証左に嘉手納・普天間両空域が重なる宜野湾市漁港周辺では普天間のヘリが飛んだかと思うと、嘉手納基地所属戦闘機等が上空を通過する。

 在沖海兵隊にとって、普天間は十分に空域が確保できない、極めて使い勝手が悪い飛行場であり、嘉手納・那覇にとっても迷惑な存在だ。

 沖縄の米軍基地再編の意味は、この使い勝手の悪い空域問題の解決にある。使い勝手が悪い普天間を辺野古に移し、十分な空域を確保することだ。

 沖縄の基地負担軽減などではないことは、右図の辺野古新基地建設後に設定されると予想される管制空域図(下図)を見れば明白だ。嘉手納・普天間・那覇の3飛行場がそれぞれ空域を確保する。

 さらに、北部は辺野古・高江・伊江島を結ぶ北部全土は、米軍訓練地帯と化す。

 沖縄の米軍基地再編の目的は沖縄の基地負担軽減などではない。沖縄をして日米同盟の発進基地として、米軍の訓練基地として、不沈空母化しようとする目論見がそこにはある。

 沖縄は騙されてはならないし、そのためには基地の全面撤去の闘いを強化しなければならないのだ。 

基地と空域.jpg

 米軍の在沖米軍基地編計画に、沖縄の基地負担軽減の文言などないはずだ。

 誰が、沖縄の基地負担軽減などと言い出したのか。本来の目的を隠すために画策し、沖縄を騙し、200年の耐用年数を持つ米軍基地を辺野古に作り、そこに普天間を移設させようと目論むのは誰なのか。

 辺野古新基地建設阻止。沖縄は二度と騙されてはならないのだ。

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2020年09月05日

台風10号(ハイシェン)09月05日14:00 沖縄気象台発表(随時更新します)

 台風10号が沖縄を暴風圏内に巻き込む可能性が出てきた。6日正午(米海軍情報では午前0時)には中心気圧915hpa、瞬間最大風速が85mで沖縄に最接近する予報だ。厳重な警戒が必要だ。(以下は随時更新します)

日時 大きさ 強さ 進行方向・速さ 中心気圧 中心付近の最大風速 最大瞬間風速
9月5日14:00 大型 非常に強い 北西15km/h 920hPa 50m/s 70m/s
9月6日00:00   猛烈な 北20km/h
920hPa  55m/s 75m/s
同12:00    猛烈な 北北西20km/h
915hPa  55m/s  80m/s 
9月7日
09:00
  非常に強い 北30km/h 940hPa 45m/s
65m/s

20200905 1400.png

米海軍情報はこちら

https://www.metoc.navy.mil/jtwc/products/wp11200503.gif

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2020年09月04日

台風10号(ハイシェン)09月04日15:00 沖縄気象台発表(随時更新します)

 台風10号が沖縄を暴風圏内に巻き込む可能性が出てきた。中心気圧915hpa、瞬間最大風速が80mにも達するとされている。厳重な警戒が必要だ。(以下は随時更新します)

日時 大きさ 強さ 進行方向・速さ 中心気圧 中心付近の最大風速 最大瞬間風速
9月4日15:00
非常に強い 北西15km/h 925hPa 50m/s 70m/s
9月5日03:00   猛烈な 西北西 15km/h
920hPa  55m/s 75m/s
同15:00    猛烈な 北西15km/h
915hPa  55m/s  80m/s 
9月6日15:00    猛烈な 北北西20km/h 915hPa  55m/s
80m/s
同7日
15:00
  非常に強い 北35km/h 945hPa 45m/s 60m/s

 

20200904.png

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2020年09月01日

9/1 11:00更新)台風9号(メイサーク)09月01日10:45 沖縄気象台発表(随時更新します)

 台風9号は沖縄を暴風雨に巻き込み北上中。気圧935hPa,最大風速50m、瞬間最大風速70m。家屋倒壊の恐れのある風速だ。明日午前中までこの勢力を保つとの予報。避難が肝要だ。(以下は随時更新します) 

台風9号(メイサーク)09月01日10:45 沖縄気象台発表

暴風警報発令中!!!

日時 大きさ 強さ 進行方向・速さ 中心気圧 中心付近の最大風速 最大瞬間風速
9月1日10:00 大型 非常に強い 北北西20km/h 935hPa 50m/s 70m/s
同11:00 大型  非常に強い 北北西 20km/h
935hPa  50m/s 70m/s
同15:00    非常に強い  北15km/h
935hPa  50m/s  70m/s 
同21:00    非常に強い 北15km/h 935hPa  50m/s
70m/s
2日03:00   非常に強い 北15km/h 935hPa 50m/s 70m/s
2日09:00   非常に強い 北20km/h 935hPa 50m/s 70m/s

20200901 1000.png

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2020年08月31日

21:00更新)台風9号(メイサーク)08月31日20時45分 沖縄気象台発表(随時更新します)

 台風9号が沖縄に接近中。沖縄に接近しながら発達していく模様だ。気圧が下がり進行速度が遅くなっていく。台風が発達していく状況だ。早急の対策、避難が肝要だ。(以下は随時更新します) 

台風9号(メイサーク)08月31日13時 沖縄気象台発表

暴風警報発令中!!!

日時 大きさ 強さ 進行方向・速さ 中心気圧 中心付近の最大風速 最大瞬間風速
31日20:00 大型 強い 北北西25km/h 955hPa 40m/s 60m/s
9月1日06:00   非常に強い 北北西 20km/h
940hPa  45m/s 65m/s

18:00 
  非常に強い  北15km/h
935hPa  50m/s  70m/s 
同2日 15:00    非常に強い 北 15km/h  940hPa  45m/s
65m/s

20200831 2045.png

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2020年08月07日

2015年08月13日記事再確認)辺野古新基地建設阻止、翁長知事の決断に揺らぎはない〜AERA('15,8,10No.34「翁長vs佐藤対談」)より〜

 辺野古新基地建設阻止、翁長知事の決断に揺らぎはない。AERA('15,8,10No.34「翁長vs佐藤対談」)を見ればその決意は明らかだ。

 8月10日から9月9日までの間、辺野古の工事は中止され、さらにその間に県による臨時制限区域内での岩礁破砕状況調査が実施される。

 辺野古新基地建設阻止闘争の方向はひとつ。工事中断を引き伸ばし、工事中止へと追い込むことだ。

 以下は、AERA('15,8,10No.34「翁長vs佐藤対談」)からの抜粋だ。あらためて、翁長知事の決意を確認したい。

AERA('15,8,10No.34「翁長vs佐藤対談」より抜粋)

佐藤
「・・朝日・・シンポジウム、知事は(辺野古埋立承認)承認取り消しを示唆されました。・・

翁長
「そうですね。あとはタイミングですね。・・迷いがあると考える人もいますが、結果が出れば分かります。・・国は突然何をする分からないので・・横目でにらみながら、即応態勢でやっていきます。」

佐藤
「訪米の手応えは、どこで最も感じましたか。・・」

翁長
「今回、日本大使館のメモが、自分の訪問先の全部に渡っていたと感じました。お会いした上院議員、下院議員がまったく同じ文書を読み上げ『辺野古が唯一の選択肢』から始まるのです。日本の中米大使は「アメリカの反応も同じだったでしょ」という話を私にしています。ケネディ駐日大使との会談のときも、予定の30分に近づいたので失礼しようとしたら、「ちょっと待って」と、慌ててその文書を読み上げられました。

佐藤
「今回の訪米についての情報開示を、外務省に請求するといいですよ。・・・」

翁長
「・・さっそく検討しましょう。」

佐藤
「知事が「日本は変わったなぁ」と感じた節目は、・・2013年1月27日の「東京要請行動」だったのでは・・。」

翁長

「確かに東京要請行動は、初めてオール沖縄ができた瞬間です。一緒に街を行進したのですが、・・・日の丸が何本もあがって、沖縄へのヘイトスピーチが行われた。・・スピーチに驚いたわけではありませんが、道を歩いている人々が誰も足を止めない。これはすこしおかしいぞと。ヘイトスピーチが大変問題のある内容を含んでいたので、10秒でも立ち止まってほしかったです。」

佐藤
「知事が中国の手先、スパイだという説の原型が、あの街頭で現れていた。」

翁長
「・・中国をあんなに意識するのは、日本という国が相当浮足立っている証拠ではないでしょうか。日米安全保障体制は盤石に見えますが、中国があれだけ大国になってくると、日本は米国に寄り添っていく。安倍政権は「日本を取り戻す」と言いつつ、米国の懐のなかで生き抜こうとしています。安倍政権は「日本を取り戻す」と言いつつ、米国の懐のなかで生き抜こうとしています。沖縄で「戦後レジーム」を死守しようとしている。その辺りが一瞬で読み取れるものを、あの日、感じました。」

佐藤
「いくら政府に沖縄の意思を伝えても、誠実には取り合わない。・・」

翁長
「・・沖縄側に立とうという人ですら、「米国訪問でもラチがあかない。日本政府も沖縄を相手にしない。どうするの」と私に聞いてこられます。日本の1%しか人口的にも政治的にも力を持たない沖縄が差別を打破しようとするとき、第三者が遠い目で「できもしないことをやるのか」と見ているとすれば、多数決の独裁政治のようなものを強く感じます。昔の沖縄は、保守対革新の中で、生活が大切だという人と、人間の尊厳が大切だという人に分かれていましたが、いま初めて両方が平和を求めて一緒に行動するようになりました。私は革新側に「イデオロギーじゃないぞ。これからはアイデンティティーだよと」と呼びかけました。「沖縄の存在そのものが日本を変えていく。革新も考え方はさまざまだろうが、私も保守から真ん中に寄ってきたのだから一緒にやろうや」と。自民党にも呼びかけましたが、「普天間代替施設の県外移設は絶対に譲らないよ」と言うと、「それはできない」と言われました。結局、小選挙区制の中で、組織から切られることが怖いのです。党に残っていると、党の論理に従わざるを得ない。自民党も公明党も苦渋のなかで自分の考えを押し殺し、決まったことを言うしかないのでしょう。

佐藤
「ただ、自民党と公明党との間にはニュアンスの違いがありますね。・・」

翁長
「・・昨年の知事選でも公明党は自主投票でした。基地問題ではご一緒していると思っています。沖縄の人々は、一人一人に大した力はないのに、みんなで押しかけ、大きな力とやり合う。辺野古の予定地でも、おじいちゃん、おばあちゃんが毎日100人ぐらい頑張っている。その動きはこれからも止まらないでしょう。10年かかる工事の間に、安倍政権は当然なくなっています。辺野古移設が頓挫するところで、日米安保体制は大変な危機に陥るでしょうね。」

佐藤
「ボタンを掛け違えたのなら、早いうちに軌道修正したほうがいい。辺野古には造れないし、できない。土砂を入れられても、取り除けばいい。安倍政権は沖縄の底力を軽く見ている。・・」

佐藤
「国会議員、官僚、マスコミの沖縄に対する姿勢は、最近変わりましたか。」

翁長

「ものを言わない沖縄だからこそ温かく見守っていた人たちが、私が口を開くことで態度を表明しないといけなくなりました。理解のある話をしてきた岡本行夫さんのような人も、せっぱつまってくると、向こう(政府)側に行っちゃう。マスコミや学者も支えようとする人と、厳しい言い方をする人が出てくる。日本という国の軽さが見えてきて、5年、10年先が思いやられる。危機感があります。
「歴史的に中国が沖縄に危害を加えたことは一度もありません。沖縄が苦しんだのは薩摩に併合されてからです。」

佐藤
「1952年のサンフランシスコ講和条約発効までは、本土も沖縄も平等に連合国軍の占領下にありました。しかし、それ以降、沖縄は日本の施政権の外に置かれ、米国に占領された状態で、ずっと宙ぶらりんでした。多くの人はそういう歴史を勉強しよううとしない。

翁長

「ゆすり、たかりの名人」と言われながらも、沖縄は県民全体で敗戦から本土復帰まで27年間、身を寄せ合いながら闘い、いじめを跳ね返してきました。今年5月17日の県民大会で、私が最後に話したのは「日本の独立が神話であると言われないようにしてください」ということ。アジア諸国から、日本と交渉するより米国と交渉したほうが早いと思われています。これでアジアのリーダーになれるのか。経済力でしか尊敬を集められない。大変さびしいアジアとの関係です。」

佐藤
「ロシア人にも似ているが、日本人は圧倒的な多数なので、少数派の沖縄人の気持ちを理解することが苦手なんですね。」

翁長

「私は本土と同時に、沖縄の若手に向けて話をしている。若い人は本を読まないので、10分、15分で歴史やアイデンティティーが理解できるように語りかけている。ここで踏ん張れば日本も変わるし、若者に私たちのDNAを引き継げる。辺野古に基地ができれば、海兵隊は20〜30年は居続ける。基地があると、過去の歴史が引きずり出されてしまう。辺野古移設を止めることが、沖縄にとっても日本にとっても大切です。止められれば、百ある不満が20まで減るでしょう。20まで減れば、日本国民全体のなかで、沖縄のあり方が変わってきます。

佐藤
「重要なのは独立ではなく、自己決定権の確立です。我々の運命は我々が決める。いまの時点では、沖縄は日本の一員であることを選択していますが、沖縄を犠牲にしてまで日本のために働けとなると、これは話が別。そういうことはできません。自己決定権の確立が独立という結論に至るかどうかは、ひとえに本土側の対応にかかっている。」

翁長

「道州制度がもう少し燃え上がって、沖縄が単独州になれれば、こう少し自己決定権が出てきますが、道州制度は残念ながら宙に浮いたままです。だから、県としては、抵抗して闘う方法をとらざるを得ない。辺野古に無理に基地を造ると、さらにワンランク上げた何かが出てきますよ。沖縄がなぜ独立しなかったのか、と言う人がよくいますが、歴史の経緯からいえば、できなかったと言ったほうがいい。本来は単独州になり、自己決定権が保たれ、ゆるやかな形でアジアの平和に貢献するように模索すべきだと考えています。 
 40年、50年後の話ですが、基地をなくして、ASEAN(東南アジア諸国連合)やアジア、国連の機構を沖縄に置き、平和の緩衝地帯になり、いろんな人々が沖縄を訪れる。そんな役割を担うことが沖縄にとっては大変いいのかなあ、という思いを持っています。」

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