沖縄防衛局が、辺野古埋立用土砂を琉球セメント安和桟橋(沖縄県名護市安和)からの搬出作業は違法行為だった。作業が停止していることを岩屋防相が認めた。

 今日12月4日の岩屋防相の記者会見。記者から「(デニー知事からの)指摘を受けて、現在工事は止まっている状況なのでしょうか」と問われ、「今ちょっと作業は止めているとは思いますけれども」と回答し、搬出作業が止まったことを認めた。

 さらに、これだけ沖縄、本土で騒がれている中で、確認しなかったのか、との問いには「そういうことも含めて、今確認をしております」と答えるのが精一杯。さらに、12月14日の投入時期への影響について問われると「影響がないように進めてまいりたい」と投入時期については変更はないとした。

 迷走する防相発言には呆れるばかりだ。

 辺野古新基地阻止!!!沖縄は沖縄の声を挙げ続ける。

平成30年12月4日防相記者会見 クリックで同HMへ

Q:辺野古の移設工事について伺いますけれども、昨日、琉球セメントの安和桟橋で埋め立ての土砂の搬出作業が開始されましたけれども、これについて、昨日、沖縄県の玉城知事が記者会見で、適正な手続きがとられておらず違法だとの認識を示されていますけれども、これについての政府としての受け止め、お考えと今後の対応についてお願いいたします。

A:その御指摘を受けて、今事実関係を確認中でございます。確認をして、もし不備があれば、適切に対応をした上で事業を進めさせていただきたいと思っております。

Q:その確認をすることになったきっかけというのは、その指摘を踏まえてということなのでしょうか。

A:そうですね。

Q:現時点では、その指摘がそのとおりかもしれないということでしょうか。

A:まだ確認中なので、それ以上のことは、この段階ではコメントは控えたいと思います。

Q:関連ですけれども、その指摘を受けて、現在工事は止まっている状況なのでしょうか。

A:今ちょっと作業は止めているとは思いますけれども。

Q:今止めているということは、確認作業が済むまでは工事は一時的に停止するという理解でよろしいのでしょうか。

A:できるだけ早く事実関係を確認して、適切に、もし不備があれば改めるべきは改めた上で、事業をしっかりと前に進めてまいりたいというふうに思っております。

Q:そもそもこれだけ国民、特に沖縄の人が注目する中で、そこは確認していたのか、していなかったのかどうかということを、まずお聞かせいただけますか。

A:そういうことも含めて、今確認をしております。

Q:これによって、12月14日の投入の時期というものに影響するとお考えなのか、それとも、そこまで影響しないとお考えなのでしょうか。

A:影響がないように進めてまいりたいと思っております。

Q:こういった事態について、どのように思われますか。

A:事実を確認中なので。

・・・

Q:沖縄宜野湾市の保育園で米軍機の部品が見つかって12月7日で一年になります。原因がわからないままでしたが、何かその後進展はありましたでしょうか。

A:その件は、米軍の協力を得ながら、警察が現在も捜査中であるというふうに聞いております。

Q:防衛省として、米側に改めて調査等を求めるお考えはありますでしょうか。

A:既に、調査には協力しているというふうに思っておりますが、早く結論が出ることを期待したいと思います。

玉城デニー沖縄県知事を支持する世界のウチナーンチュによる声明 
  2018年10月31日、沖縄県の玉城デニー知事は、世界各地のウチナーンチュに協力を求める呼びかけをした。知事の要請は、沖縄の歴史においても危機的状況下でなされたものだったが、日本政府は翌日、沖縄が23年間も反対し続けている辺野古の新基地建設工事を再開した。
 玉城知事の辺野古新基地建設反対は、沖縄県民の58.2%の民意を代弁したものであり、反米感情ではない。玉城知事の父親は沖縄に駐留していた米海兵隊員であり、知事の存在自体が米国と米軍基地に絡み合うものだ。県知事選で辺野古新基地反対を訴えた玉城知事の地滑り的勝利は、沖縄が直面している過酷な状況を映し出したものといえる。
 日本の国土面積の約0.6%にすぎない沖縄に、米軍専用施設面積の約70%が存在し続けている。沖縄は、1945年の沖縄戦で荒廃していた当時は、米軍基地に依拠せざるをえなかったが、現在では沖縄の人々に経済的負担を招く要因となっている。実際に、沖縄からすべての米軍基地が撤退し、それに付随する政府補助金が撤廃されれば経済は改善するという調査結果もある。
 長期に渡り、米軍基地の存在をめぐり政治的に分断され続け、時には家族をも引き裂かれてきたこれらの島々において、辺野古新基地建設計画に反対する圧倒的民意は重要な意味を持つ。
 玉城デニー知事の前任者である保守派出身の翁長雄志前知事は、大切なのは「イデオロギーよりもアイデンティティー」と宣言することにより、こうした虚偽の境界線を取り払った。これまで米兵の父を持つ子供とウチナーンチュの母親たちが米軍基地との関係性において社会から否定的に捉えられてきた事実を踏まえると、玉城デニー氏が日本史上、初の「混血」の知事となった事実は、今後の流れを変えうる重要な分岐点といえるだろう。
 玉城知事の多様な生い立ちは、多くのウチナーンチュ、そして「純血」の概念に抵抗する沖縄ディアスポラの人々に共感を広げている。日本の同化政策により、多くのウチナーンチュが政治的イデオロギーに縛られてきた。ウチナーンチュとしての立場性を主張する難しさを海外のウチナーンチュも感じている。玉城知事はこうした阻害要因を取り除きうる存在だ。
 日本政府は、公有水面埋立法に基づく辺野古新基地建設の埋め立て工事において、沖縄との合意形成を怠り、情報開示や説明責任を果たさないまま、独断的な法解釈や一方的な解釈の変更により新基地建設工事を強行している。それは辺野古だけの問題ではなく、ヘリパッド建設がすでに行われている高江でも同様だ。
 しかし状況はより複雑性を帯びている。だからこそ、今、世界各地のウチナーンチュ、特に米国に住むウチナーンチュが立ち上がり、声をあげるべき時なのだ。
 玉城知事は、辺野古の新基地建設問題について、米国と日本、沖縄の三者による対話を呼びかけているにもかかわらず、米国は沖縄との対話を拒否し、「日本の国内問題」と片付けている。米国の多くの政治家が沖縄の米軍基地の問題を直視しないのは、日本が世界でも(韓国とドイツを合わせても)最大で熱心な米軍の財政支援国家だからだ。
 玉城知事の世界各地のウチナーンチュへの呼びかけは、ウチナーンチュを「巨大な政府たち」の影に隠れた存在ではなく、「民意」として明確に認識せよ、という要求でもある。ウチナーンチュの声は、日本だけでなく、米国でも耳を傾けられるべきなのだ。それは私たち世界のウチナーンチュの要求でもある。玉城知事が訪米行動について世界各地のウチナーンチュに呼びかけた背景には、そうした目的もあるのだ。
 「私たちはアメリカに行って、「実はこのようなおかしいことが行われているのだ」と伝えたい。「皆さんの国でもしこのようなことが起きたら、住民が反対と声を上げ続けているのを政府が無視し基地建設を強行するなんていうことが行われたとしたら、民主主義の原則に基づいてどう思うか」と問いたい。世界には沖縄系の皆さんがたくさんいる。そういうウチナーンチュのネットワークも使って訴えたい。そこには草の根の民意と民主主義が必要だ。」
 玉城知事のディアスポラへの呼びかけは、国境を超えた沖縄のユイマールの伝統に由来するものである。1899年、日本政府による土地の地割に促された当山久三を先頭とするハワイ移民を皮切りに、ラテン・アメリカ、フィリピン、南洋諸島への移民、また、1920年に「ソテツ地獄」と知られた沖縄の砂糖産業の崩壊のさなかに海を渡り、米軍によって計画された戦後のボリビア移民まで、沖縄はディアスポラを通じた繋がりを維持しながら、故郷の家族に送金し、物資を送り援助した。移民は現在では沖縄の一部だ。若い世代は奨学金やスタディ・ツアーで県に歓迎され、喜び溢れる世界のウチナーンチュ大会は5年ごとに開かれている。沖縄県の人口140万人に対し、世界のウチナーンチュは42万人に達している。
 米国および民主主義諸国の市民として、沖縄は米軍基地や日本の一県としての地位よりも、はるかに豊かな遺産を継承していることを忘れてはならない。成熟した政治や芸術、精神伝統でアジア太平洋の貿易の要石として発展してきたわれわれの歴史の源は、かつて独立国として繁栄した琉球王国に横たわっている。われわれは地球市民として、辺野古・大浦湾の新基地建設工事が絶滅危惧種ジュゴンとサンゴ礁の生息地に与える環境破壊の危険性を世界に喚起しなければならない。
 私たちは、玉城知事と沖縄の人々への惜しみない支持を表明する。そして私たちが直面している危機的状況が、沖縄の平和と繁栄を取り戻す可能性も秘めていることを認識している。
 世界のウチナーンチュへ:沖縄を守り、私たちの未来と次世代の未来のため、玉城知事と歩みをともにしようではないか。

11月9日:デニー沖縄県知事は、石井国交相に対し、国地方係争処理委員会への審査申出の事前通知書を発出
 
沖縄県が8月31日に発した辺野古公有水面埋立承認取消処分について、石井国交相がなした埋立承認撤回の効力停止決定(10月30日)の取り消しを求め、取り消さない場合は国地方係争処理員会へ申し立てを行うとの事前通知を行った。通知文(クリックで沖縄県HMへ)

11月19日:沖縄県は、沖縄防衛局長が国土交通大臣に対して行った審査請求について、弁明書を提出
弁明書本文(クリックで沖縄県HMへ 以下同)
別紙1:適格を欠いた不適法な審査請求であることについて
別紙2:本件承認取消処分が適法であること

 仲井間元知事の埋立承認=固有の資格を有する沖縄防衛局長に対する処分

  ↓

 埋立承認の撤回=固有の資格を有する沖縄防衛局長に対する処分

  ↓

 今回の審査請求=固有の資格を有する沖縄防衛局長の審査請求は許されない

 沖縄県が、8月31日に発した辺野古公有水面埋立承認取消処分について、10月17日、沖縄防衛局長は国土交通大臣に対し、行政不服審査法(以下「行審法」)に基づく審査請求及び執行停止の申立てを行ったが、10月30日、石井国交相の埋立承認撤回の効力停止を認容した。

 同相は、沖縄防衛局長の申立てを有効と判断したが、その判断には、以下のとおり誤りがある。

①行審法1条はその目的について「国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする」と規定している。同法は行政機関による申立ては前提としていない。本条の規定からそれは明白である。

②ところで、行審法7条2項は①を前提として行政機関が「固有の資格」おける処分等については同法の適用を否定している。それゆえ、その反対解釈から「固有の資格」に該当しないものについては、申し立てが認められることになる。

 「固有の資格」について、総務省見解によれば「一般国民と同様な立場で行動している」場合はそれにはあたらないとされている。つまり、一般国民と同様な立場であるか否かが「固有の資格」か否かを判断するうえでの分岐点となる。

 具体的には、地方公共団体がコミュニティーバスを運行させる場合のバス営業許可や市直営のレストラン等の飲食店営業を行う場合の営業許可等が考えられる。これらの場合は一般国民と同様の立場で行動している場合に該当すると考えられ、処分に不服のある場合は地方公共団体等でも行審法に基づく審査請求が可能となる。

 それでは、今回の公有水面埋立法(以下「埋立法」という)に基づく埋立事業についてはどうか。

 埋立法では、一般国民が埋立事業を行う場合は許可が必要としているのに対して、国が行う場合は承認が必要としている。許可とは一般に禁止されている行為を認めること、承認とは一定の行為又は事実の存在を肯定することとされている。

 埋立法が国民と国の間に手続きの差異を設けているのは、正に、国に対して特定の資格を与えていることに他ならない。したがって、仲井真元知事による沖縄防衛局長に対する埋立承認は、一般国民と同様の立ち場ではない「固有の資格」に基づく処分であるということができる。

 それでは8月31日に、県が発した辺野古公有水面埋立承認取消処分についてどうか。「固有の資格」に基づく埋立承認の取消し処分であるから、取消し処分の相手方たる沖縄防衛局長は、行審法7条2項にいう「固有の資格において当該処分の相手方となるもの」というべきである。

 したがって、10月17日、沖縄防衛局長の国土交通大臣に対する行審法に基づく審査請求及び執行停止の申立ては不適法であり、却下すべき事案だった。

 井上国交相の埋立承認撤回の効力停止認容決定は違法なものと言わざるを得ない。

 沖縄防衛局長の地位が「固有の資格」を有することは明確であり、さらに、石井国交相の主張するた平成28年の違法確認訴訟における最高裁判決は、翁長知事が埋立承認取消しを取消さないことの違法性が争われた裁判であり、沖縄防衛局長の行政不服審査法上の審査請求についてはそもそも争点にはなっていない。

 石井国交相は、当該最高裁判決のどの部分が「固有の資格」を否定しているのか明確にすべきである。

石井国交大臣会見要旨(2018年10月30日)より抜粋クリックで同HMへ
(問)辺野古の埋立てについてなんですけれども、今回は、承認の取消しを求める県に代わる代執行という手続きをとっているのですけれども、今後の裁決等を含めた承認取消しの申立てについての対応について方針を教えてください。
(答)審査請求について審査中でありますので、それ以外のことにつきましては、コメントは控えさせていただきます。

(問)辺野古についてお尋ねしたいのですけれども、行政不服審査については、国の機関同士であり身内同士ではないかという批判も出ていますけれども、これについて大臣のお考えをお願いします。
(答)行政不服審査法で、審査請求をすることができる者につきましては、行政不服審査法第2条は、「行政庁の処分に不服がある者」と規定されております。ここにいう処分とは、「直接国民の権利義務を形成し、またはその範囲を確定する」ものをいいます。沖縄防衛局のような国の機関であっても、この意味での処分を受けたものといえれば、一般私人と同様の立場で処分を受けたものとして、その処分について、審査請求をなし得ると解釈することができます。この点、前回の承認取消しの違法性が判断された平成28年の最高裁判決では、取消しがこの意味での処分であることを前提とした判断を行っております。今回の承認処分の撤回も、埋立てをなし得る法的地位を失わせるという点で取消しと変わらず、沖縄防衛局も、行政不服審査法第2条の処分を受けたものといえる以上、固有の資格において撤回の相手となったものではなく、審査請求ができると判断したところであります。

(問)行政不服審査法で、固有の資格において、行政主体あるいは行政機関が行政処分の相手となる処分については、明示的に適用除外にしているという指摘もあるかと思いますが、そこら辺の解釈は今回どのように行ったのか教えていただければと思います。
(答)今、答弁したと思うのですけれども、行政不服審査法でいうところの処分を受けたのが国の機関であっても、処分を受けたものといえれば、一般私人と同様の立場で処分を受けたものとして、その処分について審査請求をなし得る。前回、取消しの要請を判断された平成28年の最高裁判決では、この取消しというのは行政不服審査法にいうところの処分に該当すると、そういう判断がなされているわけですね。今回の承認処分の撤回も、ほとんど取消しと変わらないと、それは埋立のなし得る法的地位を失わせるという意味では、取消しも処分もほとんど変わらないという意味では、この撤回も最高裁判決に基づけば処分とみなせるということで、沖縄防衛局が国の固有の資格において撤回の相手方になったものではないといえるわけであります。

 今日2018年10月30日、石井国交相は、辺野古埋立承認を沖縄県が撤回したことに関する、沖縄防衛局長の撤回の執行停止の申立てを認める決定をしたことを表明した。

 多くの行政法研究者等から批判を受けたこの申立てを極めて短期間で認めたのは、法治国家を標榜する日本政府とは相容れないものだ。

 撤回理由として、今申し立てが「緊急の必要があると認めるとき」に該当するというが、8月31日の撤回から申し立てまで1カ月半を擁しており、緊急の必要があるとは考えらない。

 極めて不当であり、井上国交相に断固抗議する。

石井国交大臣会見要旨(2018年10月30日)より抜粋クリックで同HMへ
・・・「沖縄県による辺野古沖の公有水面埋立承認の撤回の執行停止について」であります。
 沖縄県による辺野古沖の公有水面埋立承認の撤回につきましては、去る10月17日に、沖縄防衛局より審査請求及び執行停止の申立てがございました。このうち、執行停止の申立てにつきまして、沖縄防衛局及び沖縄県の双方から提出された書面の内容を審査した結果、承認撤回の効力を停止することといたしましたので、御報告いたします。
 なお、執行停止の効力につきましては、決定書が沖縄防衛局に到達した時点から発生いたしますが、明日10月31日には到達すると見込んでおります。
 今回の決定では、事業者である沖縄防衛局が、埋立工事を行うことができないという状態が継続することにより、埋立地の利用価値も含めた、工事を停止せざるを得ないことにより生じる経済的損失ばかりでなく、普天間飛行場周辺に居住する住民等が被る航空機による事故等の危険性の除去や騒音等の被害の防止を早期に実現することが困難となるほか、日米間の信頼関係や同盟関係等にも悪影響を及ぼしかねないという外交・防衛上の不利益が生ずることから、「処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるために緊急の必要があると認めるとき」に該当すると判断いたしました。

石井大臣会見要旨

 2018年10月26日行政法研修者有志による声明が発表された。

     声 明
辺野古埋立承認問題における日本政府による再度の行政不服審査制度の濫用を憂う                    
                                         2018年10月26日  行政法研究者有志一同
 沖縄県は、2018年8月31日、仲井眞弘多元知事が行った辺野古沿岸部への米軍新基地建設のための公有水面埋立承認を撤回した(以下「撤回処分」という)。これに対し、10 月17日、防衛省沖縄防衛局は、行政不服審査法に基づき、国土交通大臣に対し、撤回処分についての審査請求と執行停止申立てを行った。これを受けて、近日中に、国土交通大臣は撤回処分の執行停止決定を行うものと予想されている。
 国(防衛省沖縄防衛局と国土交通大臣)は、2015年10月にも、同様の審査請求・執行停止申立てと決定を行い、その際、私たちは、これに強く抗議する声明を発表した。そして、福岡高等裁判所那覇支部での審理で裁判長より疑念の指摘もあった、この審査請求と執行停止申立ては、2016年3月の同裁判所での和解に基づいて取り下げられたところである。
 今回の審査請求と執行停止申立ては、米軍新基地建設を目的とした埋立承認が撤回されたことを不服として、防衛省沖縄防衛局が行ったものである点、きわめて特異な行政上の不服申立てである。なぜなら、行政不服審査法は、「国民の権利利益の救済」を目的としているところ(行審 1 条 1 項)、「国民」、すなわち一般私人とは異なる立場に立つことになる「固有の資格」において、行政主体あるいは行政機関が行政処分の相手方となる処分については明示的に適用除外としている(行審 7 条 2 項)にもかかわらず、防衛省沖縄防衛局が審査請求と執行停止申立てを行っているからである。
 そもそも公有水面埋立法における国に対する公有水面の埋立承認制度は、一般私人に対する埋立免許制度とは異なり、国の法令遵守を信頼あるいは期待して、国に特別な法的地位を認めるものであり、換言すれば、国の「固有の資格」を前提とする制度である。国が、公有水面埋立法によって与えられた特別な法的地位(「固有の資格」)にありながら、一般私人と同様の立場で審査請求や執行停止申立てを行うことは許されるはずもなく、違法行為に他ならないものである。
 また、撤回処分の適法・違法および当・不当の審査を国という行政主体内部において優先的にかつ早期に完結させようという意図から、日本政府が防衛省沖縄防衛局に同じく国の行政機関である国土交通大臣に対して審査請求と執行停止申立てを行わせたことは、法定受託事務にかかる審査請求について審査庁にとくに期待される第三者性・中立性・公平性を損わしめるものである。
 実際、故翁長雄志知事が行った埋立承認取消処分に対して、審査庁としての国土交通大臣は、執行停止決定は迅速に行い埋立工事を再開させたものの、審査請求における適法性審査には慎重な審議を要するとして、前述の和解で取り下げられるまで長期にわたって違法性判断を回避した。それにもかかわらず、地方自治法上の関与者としての国土交通大臣は、ただちに埋立承認取消処分を違法であると断じて、代執行訴訟を提起するといった行動をとったのである。このような矛盾する対応は、審査庁としての国土交通大臣には第三者性・中立性・公平性が期待し得ないことの証左である。
 日本政府がとる、このような手法は、国民のための権利救済制度である行政不服審査制度を濫用するものであり、法治国家に悖るものといわざるを得ない。
 法治国家の理念を実現するために日々教育・研究に勤しんでいる私たち行政法研究者にとって、このような事態が生じていることは憂慮の念に堪えないものである。国土交通大臣においては、今回の防衛省沖縄防衛局による執行停止の申立てを直ちに却下するとともに、併せて審査請求も却下することを求める。

呼びかけ人(50 音順)
岡田 正則(早稲田大学教授) 紙野 健二(名古屋大学名誉教授)木佐 茂男(九州大学名誉教授北海道大学名誉教授)
榊原 秀訓 (南山大学教授)   白藤 博行  (専修大学教授)
徳田 博人 (琉球大学教授)     人見 剛   (早稲田大学教授)        本多 滝夫  (龍谷大学教授)      山下 竜一  (北海道大学教授)      亘理 格    (中央大学教授)
呼びかけ人10人
賛同者数100人(うち公表77人、非公表23人)
10月26日午後5時現在

辺野古と行政法ブログより転載

http://henoko-adlaw.blogspot.com/2018/10/blog-post_26.html

 昨日の、沖縄防衛局の審査請求及び執行停止の申立てについては、国土交通大臣は、県に対し10月25日日までに意見書を提出をするよう依頼した。以下は本日付け琉球新報電子版からの抜粋。

 ・・・沖縄防衛局が県の埋め立て承認撤回の取り消しと執行停止を国土交通相に申し立てた件で、国交省の担当者らが18日午前、県庁を訪れ、執行停止に対する意見書を25日までに提出するよう県に求めた。防衛局から提出された申し立てに関する資料一式を提出した。

  国交省水政課の川田健太郎法務調査官は取材に「執行停止に関して県の意見を聴取するということで国交相から依頼した」と述べた。資料を受け取った永山正海岸防災課長は「今後、辺野古新基地建設問題対策課などと調整し、対応を検討する」と話した。・・・

 翁長前知事の意向を受けて、謝花喜一郎副知事が、8月31日に発した辺野古公有水面埋立承認の取消処分について、10月17日、沖縄防衛局長は国土交通大臣に対し、行政不服審査法に基づく審査請求及び執行停止の申立てを行った。

 国の手続きは次の理由により違法だ。①行政不服審査法は国民を保護するために制定された法律であり、国・地方公共団体等が申立人となることは想定されていない。②さらに、審査庁(国交大臣)と申立人(防衛大臣)が内閣の一員であるという点に問題がある。同一の内閣総理大臣に任命された大臣であり、公平公正な判断は機体できない。

 国は、2015年代執行訴訟でも同様な手続きを踏んだが断じて許されない違法手続きというべきだ。

詳細は以下の当HM記事を参照)

2015.11.01 井上国交相の執行停止決定には理由がない、違法だ!!!〜本HM記事より〜

  10.31 井上国交相の執行停止決定は違法だ②〜沖縄防衛局(国)主張の執行停止要件は存在しない〜

  10.30 井上国交相の執行停止決定は違法だ①〜沖縄防衛局(国)には行政不服審査法上の申立人適格なし。執行停止決定書からも明らか〜

  10.28 10月27日石井国交相は、翁長知事の埋立承認取消しについて、その執行を停止した。その判断は誤りだ!!!

  10.15 翁長知事の埋立承認取消しに対する、国の不服審査請求は違法だ!!!

 8月31日、沖縄県は、仲井真前知事が沖縄防衛局に対して、2013年12月27日になした辺野古埋立承認を取り消した。これにより、沖縄防衛局は辺野古埋立工事を進める法的根拠を失った。

 辺野古新基地建設阻止の沖縄の民意実現に向けて、闘いが続く!!!

沖縄県達土第 125 号
沖縄県達農第 646 号
     
                 公 有 水 面 埋 立 承 認 取 消 通 知 書

                           沖縄県中頭郡嘉手納町字嘉手納 290 番地9
                             沖縄防衛局
                            (局長 中嶋 浩一郎)

  公有水面埋立法(大正 10 年法律第 57 号。以下「法」という。)第 42 条第3項により準用される法第4条第1項の規定に基づき、次のとおり法第 42 条第1項による承認を取り消します。
 
      平成 30 年8月 31 日
                                沖縄県副知事 謝花 喜一郎

 1 処分の内容
   貴殿が受けた普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認(平成 25年 12 月 27 日付け沖縄県指令土第 1321 号・同農第 1721 号)は、これを取り消す。

2 取消処分の理由
    別紙のとおり

(教示)この決定があったことを知った日の翌日から起算して6箇月以内に、沖縄県を被告として(訴訟において沖縄県を代表する者は、沖縄県知事となります。)、処分の取消しの訴えを提起することができます(この決定があったことを知った日の翌日から起算して6箇月以内であっても、この決定の日の翌日から起算して1年を経過すると処分の取消しの訴えを提起することができなくなります。)。

 国は翁長知事の逝去を受けて、知事選への影響を最小限度に抑えようとしている。

 その方策は、埋立土砂投入の延期を条件に撤回を知事選後に延期させようというもの。この間の動きについては次のように報道されている。

「政府が沖縄県に対し、・・・承認撤回について、延期するよう要請していたことが分かった。・・・翁長知事の死去で前倒しされる知事選への影響を懸念する国が土砂投入を先送りする可能性も生じており、・・・(8月14日琉球新報)」

「・・・政府が17日に予定している埋め立て土砂投入を9月30日の知事選以降まで延期することを検討していることが13日分かった。国は県側に意向を伝えており、県は対応を検討している。国は・・・「喪に服す期間」への配慮としているが、知事選への影響を考慮したものとみられる。・・・(8月14日付沖縄タイムス)」

 翁長知事への弔意を示すふりをして、国は、沖縄を、また騙そうとしているのは明白だ。

 国の最大関心事は知事の奪還。それ以外に目標はない。

 ならば、県は直ちに、承認を撤回すべきだ。これを受けて、国が土砂投入を見送れば、撤回の成果となる。翁長知事が命を懸けた辺野古新基地阻止が、ひとつ前進することになる。

 国が逆上し、撤回を無視して土砂投入を強行すれば、さらに県民の怒りを買うことになる。

 国が、知事選を有利にするためには、いずれにしても、国は土砂投入を強行できない。天候不順を理由に延期するはずだ。

 県民は直ちに撤回することを、強く、望んでいる。

 翁長知事の意志を実現するためにも、県は直ちに承認を撤回すべきだ。

 8月27日に翁長知事が承認撤回を表明し、沖縄防衛局の聴聞延期申請等事態は予断を許さない状況にあったが、8月8日の翁長知事の急逝により、事態は一気に加速した。以下は今回の経緯である。

7月27日:翁長知事が埋立承認撤回を表明

  (07/27)(2018年7月27日付琉球新報HMより)翁長雄志沖縄県知事の承認撤回表明記者会見の全文(記者との質疑応答含む)

7月31日:聴聞期日を8月9日と指定し、沖縄防衛局へ通知

  (08/01)翁長知事の埋立承認撤回。その聴聞手続きは8月9日午後2時に実施。いよいよ沖縄の民意が動き出す!!!

8月3日:沖縄防衛局が聴聞期日を9月3日以降に延期するように申請

8月6日:沖縄県は聴聞延期を認めないことを決定し、同日沖縄防衛局へ通知

  (08/05)翁長知事は、沖縄防衛局のつまらん時間稼ぎに応じてはならない!沖縄防衛局の埋立承認撤回の聴聞手続延期申請。

8月8日:翁長知事急逝

8月9日:聴聞実施、終結。

8月11日:”土砂投入を許さない!ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める8・11県民大会”にて謝花副知事が承認撤回を明言

  (08/11)「土砂投入を許さない!ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める8・11県民大会」に参加しました

(2014/05/02)翁長那覇市長「沖縄の保守が突きつける」「甘えているのは沖縄ですか。それとも本土ですか」(朝日新聞デジタル2014年1月11日より)  

沖縄の中が割れたら、またあんた方が笑うからさ。沖縄は、自ら招いたのでもない米軍基地を挟んで『平和だ』『経済だ』と憎しみあってきた。基地が厳然とあるんだから基地経済をすぐに見直すわけにはいかない、生きていくのが大事じゃないかというのが戦後沖縄の保守の論理。一方で革新側は、何を言っているんだ、命をカネで売るのかと」

「・・・本土の人はそういう対立を上から見て笑っている。だから、ぼくが思い切って真ん中にいくことで問題を解決したい」 

(2015/06/01)辺野古強行は日米同盟を砂上の楼閣にする〜5月30日付琉球新報「知事に聞く」より〜

矛先は嘉手納にも

−辺野古移設阻止に向けた戦略は。「埋め立て承認に関する有識者委員会から承認取り消しが提言されれば取り消すことになる。阻止に向けた知事の権限は10ほどある。私たちが同意しないとできない。国は裁判に訴えて、結論が出るまでは工事をやるかもしれないが、沖縄の自治の気概は本土の人と全然違う。抵抗する様子が映像として世界に送られたら日米同盟など持たない。沖縄の自治権は与えられたものではない。復帰後も含めて勝ち取ってきたものだ。この点を見くびると日米同盟は砂上の楼閣になる。

(2015/05/22)辺野古に基地は造らせない〜5月20日翁長知事、日本記者クラブ・外国特派員協会(東京)で記者会見〜

 15年間使用期限は、時の大田知事と稲嶺氏の知事選挙における、辺野古新基地建設を巡る稲嶺氏の公約だった。結果は、15年使用期限を公約に掲げた稲嶺氏が当選した。

 翁長知事は、「15年間使用期限の軍民共用空港・・を小泉純一郎首相がつぶし、・・(いま)・・自民も民主もオールジャパンで沖縄に基地を置いている」と指摘し、「子や孫に基地を引き継いでいいのか。沖縄に生まれた保守の政治家は子どもたちを守るために頑張るべきだ」それゆえ、辺野古反対へと変わった、と理由を述べた。

(2015/05/18)翁長知事あいさつ全文 3万5千人結集“戦後70年止めよう辺野古新基地建設!沖縄県民大会”

 ・・・安倍総理は、日本を取り戻すと言っておられるが、私からすると、この日本を取り戻す中に、沖縄が入っているのかと強く申し上げたい。戦後レジームからの脱却とよく言っておられるが、沖縄に関しては戦後レジームの死守をしている。私はこう思っている。

  ・・・沖縄から見ると、日本が独立をし、沖縄が切り離されたサンフランシスコ講和条約の祝賀式典で万歳三唱をする姿を見ると、また同じ歴史が繰り返されることはないだろうかと、あるいはまた、ミサイル数発で沖縄が沈むことはないだろうかと、将来の子や孫が、また捨て石として犠牲にならないか、沖縄に責任を持つべき責任世代として、しっかりと見極めていかなければならない。

  ・・・何回も確認する。沖縄は自ら基地を提供したことは一度もない。

  普天間飛行場もそれ以外の基地も戦後、県民が収容所に収容されている間に接収をされ、また、居住場所をはじめ、銃剣とブルドーザーで強制接収をされ、基地建設がなされた。自ら土地を奪っておきながら、普天間飛行場が老朽化したから、世界一危険だから、辺野古が唯一の解決策だ。沖縄が負担しろ、嫌なら沖縄が代替案を出せ、こういうふうに言っているが、こんなことが、許されるだろうか。

  私はこのことを日本の政治の堕落だと言っている。・・・

  一方、2プラス2の発表には、世界一危険だと指摘されている、普天間飛行場の5年以内停止が明示されていない。普天間飛行場の5年以内の運用停止について、前知事は県民に対し、一国の総理および官房長官を含め、しっかりと言っている、それが最高の担保であると説明をしていた。

  ・・・私は安倍総理にうかがった。ラムズフェルド元国防長官が13年前、普天間基地は世界一危険な基地だと発言し、菅官房長官もそのことを再三再四言う中で、辺野古が唯一の解決策だと言っている。辺野古基地ができない場合、本当に世界一危険な普天間基地は固定されるのでしょうか。こう総理に聞いたら返事がなかった。

  ・・・中谷防衛大臣は、中国の脅威を説明し、数字を挙げ、新辺野古基地が唯一の解決策だと話をしていた。また、いかに現在が危機的な状況であるか、自衛隊の増強が必要で、沖縄がいかに安全保障にとって重要か、とくとくと説明をしていた。

  しかし、考えてみると、とんでもないことだ。冷戦構造時代、あの時も大変だった。今も危機があると言っているが、あの積極的平和主義の中で、私たちは今、積極的平和主義の名の下に中東まで視野に入れながらこれから日米同盟が動くことを考えると、沖縄はいつまでこの世界の情勢に自らを投げ捨てなければいけないのか。私はこれについてしっかりと対処していきたいと思っている。

  そして、安倍総理が二つ、私に前に進んでいることを話していた。一つは嘉手納以南の着実な進展。それからもう一つはオスプレイは全国に配備してありますよ。もう少しずつ良くなっていますよと話があった。

  こういう話を聞くと、本土の方々は「なかなかやるじゃないか」と、「少し前に進んだんだな」と思っていると思う。しかし私は総理に申し上げた。総理がおっしゃるように普天間基地が新辺野古基地に移り、そして嘉手納以南が返ってきた場合、一体全体、何%基地が減るのか。これは73・8%が73・1%に、たったの0・7%しか減らない。

  何でかというと、全部県内移設だからだ。外に持って行く話ではまったくない。これが本土の方々には分かっていない。「嘉手納以南をみんな返すぞ」ということで分かっていない。

  それからオスプレイはあの森本元防衛相がこう述べていた。5年前、著書の中で平成24年に12機、平成25年に12機(が配備される)。著書の中で「沖縄にオスプレイが配置されるだろう」と。見事に的中している。

  そしてその中に何が書いてあったかというと、新辺野古基地はオスプレイを100機以上持ってくるために設計はされている。これから全てオスプレイは向こうに置かれるんだということがあの森本さんの著書の中に書いてある。

  ですから今、本土で飛んでいるオスプレイも一定程度が過ぎたら、みんな沖縄に戻ってくる。これが私は日本の政治の堕落だということを申し上げている。

  どうか、日本の国が独立は神話だと言われないように安倍総理、頑張ってください。

(2015/04/06)辺野古の新基地は絶対に建設することができない〜翁長知事の冒頭あいさつ全文 翁長知事・菅官房長官会談〜

・・・あの9・11の(米国)ニューヨークのテロでビルに飛行機がぶつかったときに、大変なことが起きたなと思ったら、1週間後には、沖縄に観光客が4割来なくなった。そして4割来ないということは大変な出来事で、あのときの沖縄の苦しみというのは大変だった。
 そして尖閣も日本固有の領土だし、守ることは結構だ。しかし、あの尖閣で何か小競り合いが起きると、石垣島に来ている100万人の観光客がすぐ10万人くらいに減るという危険性も十二分に持っている。そういう視点からも、沖縄は平和の中にあって初めて、沖縄のソフトパワー、自然、歴史、伝統、文化、万国津梁の精神、世界の懸け橋になる、日本のフロントランナーとなる。経済的にもどんどん伸びていき、平和の緩衝地帯として他の国々と摩擦が起きないような努力の中に沖縄を置くべきだと思う。米軍基地があると、お互いの国とも近くて、最近はミサイルが発達しているので1、2発で沖縄が危なくなる。
 こういったことを考え合わせると、米軍もアメリカももうちょっと遠いところに行きたがっているんじゃないか。日本の方がかえってそれを止めて「抑止力」という形でやっているのではないかという疑問がある。

(2015/12/06)代執行訴訟第1回口頭弁論 翁長知事陳述全文(12月2日付朝日新聞HMより転載)

(2015/12/16)代執行訴訟 翁長雄志沖縄県知事陳述書全文(12月2日付琉球新報HMより転載)

・・・この裁判で問われているのは、単に公有水面埋立法に基づく承認取り消しの是非だけではありません。
 戦後70年を経たにもかかわらず、国土面積のわずか0.6%しかない沖縄県に、73.8%もの米軍専用施設を集中させ続け、今また22世紀まで利用可能な基地建設が強行されようとしております。
 日本には、本当に地方自治や民主主義は存在するのでしょうか。沖縄県にのみ負担を強いる今の日米安保体制は正常といえるのでしょうか。国民のみなさますべてに問いかけたいと思います。
 沖縄、そして日本の未来を切りひらく判断をお願い致します。

(216/04/29)4月22日 翁長知事の国地方係争処理委員会での意見陳述〜沖縄の民意だ〜

 沖縄県民は、‥基地の不条理を身に染みて理解しています。戦後70年以上にわたり、重い基地負担を負わされ続けてきた沖縄県に、新たな基地を造る必要性が本当にあるのでしょうか。
 沖縄県を代表する沖縄県知事の判断は何よりも尊重されなければなりません。
 仮に、日米両政府が「辺野古が唯一」との固定観念のもと、奇跡の海とも言える辺野古・大浦湾海域の埋立てを強行するならば、人類共通の財産を地球上から消失させた壮大な愚行として、後世の人々に語り継がれることになりはしないかと、私は危惧しております。

 昨日の「土砂投入を許さない!ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める8・11県民大会」に寄せた元環境監視等委員会副委員長の東清二琉球大学名誉教授のメッセージは、同委員会のでたらめな状況の告発だった。以下は本日8月12日付琉球新報に掲載された全文だ。

 辺野古埋立工事の杜撰な状況が、ここでも明らかになった。

 沖縄防衛局が新基地建設の環境保全策を議論するために設置した環境監視等委員会の副委員長委員だった東清二琉球大学名誉教授が「辺野古新基地建設断念を求める8・11県民大会」に送ったメッセージは次の通り。

「8・11県民大会に寄せて」
 私は2014年4月から、沖縄防衛局が設置した環境監視等委員会の副委員長を務めていましたが、今年4月に正式に辞職が認められました。
 最初は環境監視等委員会で、ちゃんとした監視ができると期待していました。それで、埋め立て区域も含めてウミガメの産卵場所、ジュゴンの食草であるアマもなど海藻の分布と密度、ジュゴンが何頭いるのか、どれくらいの頻度で来ているのか、などの調査を依頼したのですが、全然返事が来ない。何も調べていないのです。
 委員会での発言の確認も第1回目の後はありました。しかし、その後は議事録ができてくる度に全然違う。発言をしても、こちらの要求までは書いていない。委員会で藻場の問題も話しましたが、それは議事録には載らない。防衛省は自分たちの都合の悪いことは議事録に載せないのです。委員の意見を聞いて、それを守るのが防衛省のはずなのに、自分らに都合の悪いことは一切書かないで、都合のいいことだけ書いて、それを守っていくだけなのです。そんな委員は意味がありません。
 県外からの委員には、沖縄のことはわからないんです。沖縄に来て初めてサンゴを見た人もいたんじゃないでしょうか。
 とにかく、委員会で何を言っても響かない。開発一点張りで、サンゴのことだけは答えるが、それ以外のことはまともに答えない。海草藻場のことなどは見ないことにしよう、聞かないことにしようと。工事ありきで、他の意見は聞かないという態度です。環境監視と言いながら、工事を進捗させるため、何らかの了解を得るための委員会だと防衛省は思っているようでした。工事を進捗させることに関係ないことには耳を貸さないという態度ですね。それじゃあ何の意味もない、何のための委員会かということで、私は2015年3月に辞めると事務局に伝えました。沖縄防衛局からはこの件で取材があれば、事務局に聞いてくれと答えなさいと言われました。
 辺野古、大浦湾の環境は優れています。特に藻場はすごい。あんなに広い藻場は他にないです。それを埋め立てるのは自然破壊そのものです。沖縄本島の山を崩して埋め土を持って来るのも、自然破壊です。辺野古、大浦湾の埋め立ては、やめさせることです。中止すべきです。沖縄にはもう、これ以上、軍用基地はいらないです。
 慰霊の日の翁長知事の発言には本当に感激しました。私は、翁長知事の埋め立て承認の撤回を支持します。
                                                                     東清二
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 今日8月11日、「土砂投入を許さない!ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める8・11県民大会」に、嘉手納町民会議、嘉手納町職労、嘉手納爆音嘉手納支部のメンバー約100名で参加しました。

 午前9時30分に嘉手納町役場駐車場を出発した2台の大型バスは超満員。辺野古新基地建設を許さない町民の民意をあらためて確認することができました。

 11時から始まった県民大会には、7万人が参加。時折激しい雨が打ちつける中、奥武山陸上競技場は、辺野古新基地建設断念を求める、市民県民で埋め尽くされました。

 登壇した謝花副知事は、急逝した翁長知事の意志を受け継ぎ、前知事の埋立承認の撤回を明言しました。

 8月9日の聴聞報告書を受けて、撤回に踏み切ることになります。

 今後は、沖縄防衛局の土砂投入阻止に向けた闘いが必要になります。

 辺野古新基地建設阻止!!!翁長知事の遺訓の実現に向けて、沖縄の底力を見せつけなければなりません。

 沖縄は、諦めることなく、沖縄の声を挙げ続ける!!!

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 翁長知事の埋立承認撤回のための聴聞手続(8月9日午後2時)について、沖縄防衛局が、9月3日以降に実施するように、3日に要請したという。撤回前に土砂投入を目論む、沖縄防衛局の姑息な手段を許すな。以下延期申し出の内容を精査したい。延期理由は8月4日付琉球新報からの抜粋。

沖縄防衛局の聴聞機関延期申し出の理由
1 聴聞期日までには「相当な期間」を置かなければならない
2 本件不利益処分の内容・性質に照らすと十分に防御の準備期間が与えらえるべき
3 防御準備には少なくとも1カ月を要する
4 これまでの別件の不利益処分でも、4カ月以上の準備期間が与えらえれている

 1については、「相当な期間」を定めるのは翁長雄志沖縄県知事である。翁長知事が「相当な期間」であると判断すれば足りる。沖縄防衛局は、相当な期間は防御の準備をするのに必要な期間でなければならないとするが、その判断は翁長知事がする。

 2、3については、本件不利益処分は、これまでの再三の県の行政指導も無視して工事を強行してきた結果によるもの。したがって、延期申請に際し沖縄防衛局が主張する「本件不利益処分の内容・性質」は沖縄防衛局の自業自得ということになる。十分な期間は与えられている。

 4については、論外。事案の異なる別件をあげても無意味だ。

 以上から、沖縄防衛局はつまらん時間稼ぎは止めて、8月9日の聴聞期日に応ずるべきである。

 また、翁長雄志沖縄県知事は、沖縄防衛局の根拠のない延期申出を直ちに却下し、聴聞期日を実施するべきある。仮に、沖縄防衛局が聴聞期日に不出頭のときは、直ちに聴聞期日を終了し、承認を撤回すればよい。

 翁長知事は、沖縄防衛局のつまらん時間稼ぎに応じてはならない。

 翁長知事が発表した埋立承認撤回。そのための聴聞手続きは8月9日午後2時に実施される。沖縄県は、7月31日、沖縄防衛局に通知した。

 行政手続法13条は、行政庁は不利益処分(申請却下、棄却、認可の取消し等)をする場合には、当事者に意見陳述のため機会を設けなければならない、と定めている。そして、今回のように許認可等を取り消す不利益処分をするときには、聴聞の機会を設けなければならない。聴聞は県の職員が主宰して行われる。

 これで、埋立承認の撤回は、聴聞後の8月9日以降に出されることになった。

(07/27)翁長知事、埋立承認撤回に向けて聴聞手続きに入るよう関係部局長に指示した旨を発表。いよいよ沖縄の民意が動き出した!!!翁長知事がんばれ!!!沖縄の民意があなたを支えます!!!

 きょう7月27日午前、翁長知事は、辺野古埋立にかかる公有水面埋め立て承認の撤回に向けて、聴聞手続きに入るよう、関係部局長に指示した旨を発表した。県民が待ちに待った、仲井真前知事が行った埋立承認の撤回手続きが始まった。記者会見で翁長知事は撤回理由として以下の事項を挙げた。(7月27日付琉球新報HMより)

1.埋立承認に付された留意事項違反

①事前の実施設計や環境保全対策等についての協議未実施

②環境保全図書等変更に係る承認を得ていないこと

③承認を得ずに、環境保全図書の記載等と異なる方法での工事実施

④サンゴ類を事前に移植することなく工事実施

2.埋立承認に付された「環境保全および災害防止に付き十分配慮」の処分要件が充足されていないこと

3.埋立承認後に発覚した以下の事実により、埋立承認に付された「環境保全及び災害防止に付き十分配慮」の要件を充足していないとともに、「国土利用上適正かつ合理的」の要件も充足していないことが明らかになったこと

①沖縄防衛局の土質調査により、C護岸設計箇所が軟弱地盤であり護岸の倒壊などの危険性があることが判明したことや活断層の存在が専門家から指摘されたこと

②米国防総省は航空機の安全な航行のため飛行場周辺の高さ制限を設定しているところ国立沖縄工業高等専門学校の校舎などの既存の建物等が辺野古新基地が完成した場合には高さ制限に抵触していることが判明したこと

③米国会計検査院の報告で辺野古新基地が固定翼機には滑走路が短すぎると指摘され、当時の稲田防衛大臣が、辺野古新基地が完成しても民間施設の使用改善等について米側との協議が整わなければ普天間飛行場は返還されないと答弁したことにより、普天間飛行場返還のための辺野古新基地建設という埋め立て理由が成り立っていないことが明らかになったこと

 以上、様々な観点から国の埋め立て工事に関する内容を確認してきたが、沖縄防衛局の留意事項違反や処分要件の事後的不充足などが認められるにもかかわらず、公有水面埋め立て承認処分の効力を存続させることは、公益に適合し得ないものであるため、撤回に向けた聴聞の手続きを実施する必要があるとの結論に至った。

 翁長知事がんばれ!!!沖縄の民意があなたを支えます!!!

 承認撤回だ!!!

(2018年7月27日付琉球新報HMより)
翁長雄志沖縄県知事の承認撤回表明記者会見の全文(記者との質疑応答含む)

  翁長雄志沖縄県知事が27日午前10時半、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について、前知事の埋め立て承認撤回を表明した臨時の記者会見での発言全文(記者との質疑応答含む)は次の通り。
 
 「はいさいぐすーよー、ちゅうがなびら。
 発表事項に入ります前に辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票条例の署名活動が7月23日に終了し、主催者によると中間集計で必要署名数約2万3千筆を大きく上回る約7万7千筆もの署名が集まったとのことであります。
 署名活動に取り組まれた皆様のご努力に心から敬意を表するとともに、政府におきましてもこれほど多く県民が署名を行った重みについてしっかりと向き合ってもらいたいと思います。
 東アジアにおきましては南北首脳会談、あるいはまた米朝首脳会談のあとも、今月上旬には米国務長官が訪朝をし、24日にはトランプ大統領が北朝鮮のミサイル施設解体を歓迎するコメントを発するなど朝鮮半島の非核化と緊張緩和に向けた米朝の努力は続けられている。
 このような中、20年以上も前に決定された辺野古新基地建設を見直すこともなく強引に押し進めようとする政府の姿勢は、到底容認できるものではありません。私としては平和を求める大きな流れからも取り残されているのではないかと危惧していることを申し上げた上で発表事項に入らせていただきます」

 「本日、辺野古新基地建設にかかる公有水面埋め立て承認の撤回に向けて、事業者である沖縄防衛局への聴聞の手続きに入るよう、関係部局長に指示をしました。
 辺野古新基地建設にかかる公有水面埋め立て処分には、「環境保全および災害防止に付き十分配慮」という基幹的な処分要件が事業の実施中も維持されるために、事前に実施設計や環境保全対策等について協議をすることや、環境保全図書等を変更する場合には、承認を得ることなどを事業者に義務づけて留意事項を付しております。
 しかし沖縄防衛局は、全体の実施設計や環境保全対策を示すこともなく公有水面埋め立て工事に着工し、また、サンゴ類を事前に移植することなく工事に着工するなど、承認を得ないで環境保全図書の記載等と異なる方法で工事を実施しています。
 留意事項で定められた事業者の義務に違反しているとともに、「環境保全および災害防止に付き十分配慮」という処分要件も充足されていないものと言わざるを得ません。
 また、沖縄防衛局が実施した土質調査により、C護岸設計箇所が軟弱地盤であり護岸の倒壊などの危険性があることが判明したことや活断層の存在が専門家から指摘されたこと、米国防総省は航空機の安全な航行のため飛行場周辺の高さ制限を設定しているところ国立沖縄工業高等専門学校の校舎などの既存の建物等が辺野古新基地が完成した場合には高さ制限に抵触していることが判明したこと、米国会計検査院の報告で辺野古新基地が固定翼機には滑走路が短すぎると指摘され、当時の稲田防衛大臣が、辺野古新基地が完成しても民間施設の使用改善等について米側との協議が整わなければ普天間飛行場は返還されないと答弁したことにより、普天間飛行場返還のための辺野古新基地建設という埋め立て理由が成り立っていないことが明らかにされるなど、承認時には明らかにされていなかった事実が判明しました。
 これらの承認後の事実からすれば、「環境保全及び災害防止に付き十分配慮」の要件を充足していないとともに、「国土利用上適正かつ合理的」の要件も充足していないものと認められます。
 この間、県では、様々な観点から国の埋め立て工事に関する内容を確認してきましたが、沖縄防衛局の留意事項違反や処分要件の事後的不充足などが認められるにもかかわらず、公有水面埋め立て承認処分の効力を存続させることは、公益に適合し得ないものであるため、撤回に向けた聴聞の手続きを実施する必要があるとの結論に至ったところです。
 私は、今後もあらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地はつくらせないという公約の実現に向け、全力で取り組む考えであります」


【記者との質疑応答】
 ―1点目はタイミングについて。承認取り消しの訴訟、県の敗訴が確定してから、1年7カ月、知事が撤回を必ず行うと明言してから1年4カ月経ちました。その間法的に慎重に検討を進めるという一方、早期の撤回を求めるという知事の支持者からの声も非常に多かったと思います。この時期にこのタイミングで撤回した理由と、判断が遅れたと考えるか、そうではないと考えるかお聞かせ下さい。

 「県の敗訴から1年7ヶ月、昨年3月には撤回を必ず行うと、本会議場でも、いろんなところで時期などに関してそれなりに答弁をし、皆様方のその時々の記者会見でもお話しをしてきたと思っております。1番目には法的な観点からの検討を丁寧に、行うというようなことが一番重要というのがありましたから、慎重にこの検討を重ねてきた。
 県としては留意事項に基づく事前協議、サンゴ類の移植をはじめとした環境保全措置など、沖縄防衛局へ行政指導など行ってきたことも踏まえ、日々の国の動きと全体的な流れを勘案しながら、あらゆる状況を想定して検討してきた。
 6月12日に防衛局が県赤土等流出防止条例に基づく事業行為通知書を提出し、土砂投入に向けた手続きを行ったことや、7月17日に行った工事停止要求にまったく応じる姿勢がみられなかったことを踏まえて、総合的に判断して、撤回に向けて聴聞手続きに入るよう、関係部局に指示を行ったところです。
 この件に関しては具体的な流れやタイミングいろいろある。そういった4年間のことを考えると、取り消しがあって、最高裁判所の判決があって、現場でもいろんなことがあって、オール沖縄という意味合い、あるいは国と国政与党とのいろんな私からするとそんなことでいいのかなと思ったりするようなこともありましたけど、そういったことひとつひとつ吟味しながら、撤回の時期をしっかり把握して、そしてわたしの4年前の県民の理解をいただけるよう、公約を発表し、付託されたことについてひとつひとつ、実現にむかっていこうと、そういうことも総合的な流れのなかにあったということも今付け加えておきたい」

 ―撤回後の話になるが、国との訴訟に発展した場合、裁判が1期目の任期中に終わらないこともあると思う。撤回が今踏み切る、知事として、知事の責任として、その2期目をどう考えているのか、2期目に出る出ないは別として、公務復帰から2カ月が経った今、2期目に出馬するほど体調が回復したのか、教えて下さい。

 「私も政治生活に入って35年ですか、市会議員、県議会議員、那覇市長4期、知事にもこういう形でみなさんに受け答えしております。
 そういうなかで、政治がいかにダイナミックにその都度その都度動いてくるかということをよく私は承知しております。なんせ5、6年前は自民党県連と一緒に辺野古基地反対ということで、向こうからしたらオールのいわゆる枠組みが崩れたとおっしゃっていると思いますけれども、私からすると、声をひとつにして『沖縄には基地をつくらせない、いくらなんでも0.6%に70数%のこれから何十年間 もいりません』と、いうようなことでご一緒した。
 あのときの蜜月時代をよく覚えている。それが急に中央から手が差し伸べられると、私から見ると、とても反論できるような国政与党ではないというような状況にある。そういったこと踏まえて私からすると政治はいつもダイナミックに動いている、ですから、その時々の出来事とうとうは、私の30数年のなかでいろいろ思い出すことがございます。
 ですから今回の私の4年間の付託というものは、私が4年前にしっかりと公約で約束したものを、しっかりと築きあげていく、守っていく、というもの が今日まで本会議場であれ、答えてきたように、一日一日の、公務を遂行するために、頑張っていきたいと思っているわけであります」

 ―体調を理由に2期目の出馬を断念することは考えてない?

 「日々、一日一日ですから。今ちょっと足、外反母趾で、痛めてちょっと歩くのきついくらいなんですが、人生は昨日おとといなかったものが、今日こうして外反母趾になって歩きにくくなるようなことがありますので、それも含めて、考えていきたいと思います」

 ―2問聞きたい。1問目は実際の正式撤回の時期について。政府は8月17日以降に土砂投入すると通知しています。知事として聴聞手続きを開始するということですが、実際の撤回決定の時期について土砂投入の前にしたいという考えがあるか。

 知事公室長「それではお答えします。沖縄防衛局は留意事項が整わないまま工事に着工し、再三にわたる沖縄県の行政指導にも従わずに工事を強行しております。このような状況のなかで環境に深刻な影響を与える土砂投入を行うことは、到底容認できるものではないと考えております。一方で撤回につきましては、法的な観点からの検討を丁寧に行った上で対応する必要があると考えており、聴聞の調書、報告書等も参酌して、適切な時期に最終的な判断を行政長のほうで行うことになろうかと思っております」

 ―2問目です。撤回に向けた聴聞手続きに入った理由について。知事は常々、環境上看過できない状況になれば撤回すると繰り返してきた。看過できない理由になった点は。

 「つねづね看過できないという話をさせていただいた。本当に傍若無人なこれまでの工事状況だというふうに思っております。法的には向こう側にも言い分があるかもしれないが、環境保全対策、事前協議が整わない中で工事を進める。あるいは軟弱地盤などもしっかり聴取して分かっている中で無理してやっていく。
 こういうものは普段からそれに値するものがあったかと思っている。こういう司法、行政手続き、いろんなものの中で私たちは慎重にやっていかなければなりませんから、看過できないものをよりいっそう高めて、時間がたて ばたつほどその事項が増えるくるものですが、時間がたつほど埋め立てられていくものですので、この兼ね合いは難しいものでありますが、こういうことも含めて今看過できない状況を、冒頭でも申し上げました赤土防止条例も含めて時期的なものを私たちは判断したということだと思っております」

 ―撤回に踏み切る理由として再三にわたる工事停止に応じていないことを挙げている。傍若無人だという表現もあった。国が県のこうした行政指導を省みることなく進めていることに国にどんな狙い、思惑があると考えているか。

 「何が何でも沖縄に新辺野古基地をつくる、この固い、固いというとなんとなく意思決定としては言葉使いはいい感じがしますが、私からするととんでもない固い決意でですね、沖縄に新辺野古基地をつくるという思いがあると思っている。
 いろいろと土砂を投げ入れようとしたり、あるいは4メートルの壁を造って歩行者道路を縮めたり、あるいは直接新辺野古ではない場合もこの重機などを住民の上、村民の上から運んでいく、私はこういうことを政府がやることについて日本国民などがまったく違和感のない中で『沖縄につくる当たり前だ』と いうようなものがあるのではないかということで、大変、私個人的には憤りを持って見ている。
 ですが、この新辺野古基地を造るということも、冒頭若干申し上げましたが、いまの北朝鮮問題、北東アジア、あのダイナミックにアメリカのトランプと金正恩が握手をして抱き合うぐらいの気持ちで、あの緊張緩和をしている。
 実際上実るか実らないかは別としてああいう大胆な動きの中で米韓合同演習を中止し、北朝鮮もどういう施設かわかりませんが爆発して、一定程度その気持ちに応える。中国は中国でロシアはロシアで、その後ろからこの北 東アジアの平和に対して行く末に対してしっかりと見定めている中に、おかしくないでしょうかね、皆さん。20年以上前に合意した新辺野古基地。あのときの抑止力というのは北朝鮮であり、中国なんですよね。
 こういった事などが20年前に沖縄でなければならないということで新辺野古基地の建設が決まり、そして、色々苦節をへて今日まで来ている。今のトランプや金正恩や韓国の大統領この方がたが平和に対する思い北東アジアに対しての思いいろんな形でやっている時に、私は安倍総理は戦後レジームからの脱却という言葉もよく使っていま したが、最近使わなくなりました。
 日本を取り戻す、と言っていましたけども、その中に沖縄が入っているのかということにも答えていただけませんでした。一番日本にとって大切な北東アジアの政治情勢、国際情勢に手をこまねいて大切な拉致問題に関しても他人任せというのが今の状況だ。数カ月後にはわかりませんけども。
 こういう状況の中であの美しい新辺野古基地を埋め立てていく。もう理由がないんですよ。私からすると。で、ワシントンDC行った時にはペリー長官もお名前を申し上げませんがたいがいの方々が北朝鮮の抑止力、尖閣の抑止力、そういうことで言われて追ったが、一番は北朝鮮だ。自分たちは沖縄でなくともいいと言ったが、日本政府が沖縄なければならないと言ったというんですね。
 私たちが理由を問うていくと、お金はどっちが出すかということで連邦下院、上院議員30人ずつお会いしましたけども、お金は誰が払うかなんですよ、いや1兆 円ぐらい掛かるが日本政府が払いますよと。だったら日本の国内問題ということでいいんじゃないかというような形でやっている。
 アメリカは軍事費も含めていろんな形でいこうとしている中に日本だけが何を守ろうとして新辺野古基地を造ろうとしている。
 こういったようなことは沖縄県民からすると、長い歴史とこれからの見通し。稲田防衛大臣が民間飛行場あれを固定翼機や飛べるものができなければ普天間返しませんよと言った時にもうすでに10年、15年内の沖縄の現状が分かりますよ。
 いわゆる、だめだと、言ったでしょう。固定翼機がなければ、新辺野古基地ができあがっても、これオスプレイが使うのであって新しい飛行場どこが出す、沖縄だろう、本土は理解がないから沖縄がやるべきだと、で10年後、私みたいのが出てきて反対したら、じゃあそういった意味での振興策は厳しくなるぞというような事でこれから以降の沖縄も何十年先もおかれていいのかというところをご理解いただかなければならない。
 アジアのダイナミズムを取り入れて、アジアが沖縄を離さないんです、沖縄はアジアの地政学的な意味も含めて経済ということでは大変大きな立場になってきている。こういったこ と等を平和的利用、アジアの中の沖縄の役割、日本とアジアの架け橋、こういったところに沖縄のあるべき姿があるんではないかと思う。
 いつかまた切り捨てられるような沖縄ではできない。この質問にこんなに長く答えていいのかということもあるかもしれないが、思いがないとこの問題には答えられないんですよ。この思いをみんなでどういう風に共有して何十年後の子や孫にね、私たちの沖縄何百年も苦労してきたんだから、いまやっと沖縄飛び立とうとしている訳だから、そしてそれは十二分に可能な世の中になってきているんで、そういう中で飛び立とうとしているのを足を引っ張ろうとしてまた沖縄はまあまあまあ振興策もらって基地を預かったらいいんですよなどというものが、これから以降もこういうのがあったら沖縄の政治家としてはこれはとても今日までやってきた政治家が私と別な事を言っている場合には私からすると容認できないというような思いだ」

 ―承認撤回は移設阻止の最後のカードと言われている。知事はあらゆる手法駆使して造らせないという公約を今後、どのように実現していくのか。

 「今、長々と話しをしたので、若干さわるものがあると思いますが、撤回というと、まず裁判に勝たないといけない。本会議でも話しをしたので問題ないと思いますが、今の日本の米に対しての従属は、日本国憲法の上に日米地位協定があって、国会の上に日米合同委員会がある。この2つの状況の中で日本はアメリカに対して何も言えない状況がある。これはもし違うなら反論しながら『そうじゃないよ。ちゃんと憲法が日米地位協定抑えているよ、国会も日米合同委員会から報告させているよ』と日本の最高権力がそうやっているならいいが、F15から何から飛んでいくのをみんな日米合同委員会で決められて、何も問題がないということで国会でも議論にならない。
 こういう中で撤回ができないときにどうなるんだと、効力を発しないときどうなるんだと、なりますが、それこそ米韓合同軍事演習がストップしたこと、トランプさんが金正恩と会ったこと、アジアが大きく変わりつつあること、アジアは経済ということから世界の中で一番発展していますから、アジアは中国とも米国とも安保条約結んでいるところはベトナムでもタイでもどこもありませんのでね、距離を測りながら国際外交をやっている。
 日本だけが寄り添うようにして米国とやっている。それに関して司法も行政もなかなか日本国民、今の現状から言うと厳しいものがあるかもしれませんが、そういう動きは必ず日本を揺り動かす、今の日本の動きではアジアから閉め出されるのではないかというものを感じている。その辺のところは撤回以外にも何か変わる要素がありますか、というところにも入ってくると思いますね」
                              おわり

 2010年4月25日、読谷村で開催された「米軍普天間飛行場の沖縄県内への移設に反対する県民大会」。大会には読谷会場に9万人、八重山会場に3000人、宮古会場に200人の市民県民が参加し、さらに当時の仲井真知事の他、県内41市町村長(代理の2人を含む)全員が出席した。

 大会では「米軍普天間飛行場の県内移設を断念し、国外・県外へ移設するよう強く求める」との決議を採択し、沖縄は二度と(基地受入れの)苦渋の決断をしないことを決意し、その意志を内外に示した。

 そして、2010年11月28日の知事選挙。仲井真氏は「普天間は日米合意を見直し県外へ」を公約に掲げて当選した。さらに当選後のインタビューでも辺野古新基地建設阻止の意志を、以下の通り明確に示した。(詳細は本HM記事11.28沖縄県知事選(13) 〜仲井真知事再選後の発言〜参照)

「辺野古は何十年もかければできるかもしれないが、ヤマト(本土)を探した方が早い。県内はもうあきらめた方がいい。」ー記者からの「政府から公有水面埋め立て許可を求められた場合には?」の問いには
「辺野古案が現実性を持たない以上、やれないものを持ってきても対象にならない。実行不可能に近いものは考えないようにしている。」
ー政府が仲井真知事との協議に期待を寄せているとの問いには

「極めて遺憾で実行不可能に近いと申し上げている状況で、期待しているのであれば全然話にならない。」

 ところが、2013年12月27日、仲井真知事は、突然公約を反故にし、辺野古埋立を承認した。わずか3年での公約撤回。県民の怒りは頂点に達した。

 仲井真知事の裏切りに対する県民の応えが2014年11月16日の知事選挙だ。(詳細は本HM記事翁長雄志沖縄県知事が誕生。その意味は参照)

 10万票差による翁長知事の誕生は、沖縄の民意が辺野古新基地建設阻止にあることを明確に示した。その後の名護市長選挙、衆参両議員選挙でも辺野古新基地建設阻止を掲げる候補が勝利してきたのは、その証だ。

 ここで明らかになのは、沖縄の選挙では辺野古新基地賛成や米軍基地擁護を公約にしては勝てないということ。そのために、その後の選挙では政府自民党の選挙は「基地隠し」戦略を取るようになる。

 今、政府自民党は沖縄戦略として次のことを狙っている。

 ①嘉手納基地より南の米軍基地を返還することにより、沖縄県内で基地の姿が見えないようにして、在沖米軍基地が選挙の争点にならないよう目論んでいる。選挙民数の多い那覇浦添等南部地域の票で選挙を勝ち抜く戦略だ。「辺野古の「へ」の字も言わない」戦略の完成を目論む。

 ②辺野古新基地問題については、進んでもいない埋立状況を繕い、県民の諦め感を誘い、辺野古新基地建設阻止の民意を骨抜きにする。

 ①の典型が今年2月の名護市長選挙だ。政府自民党候補は「辺野古の「へ」の字も言わない」戦略で勝利した。しかも5000票の大差だ。名護市民の最大関心事である辺野古新基地問題が争点とならなかったのは、正に政府自民党の思うつぼだった。

 ②の辺野古埋立の状況はどうか。

 政府は、埋め立て計画の最後に行うとしていた浅瀬の埋立工事を先行して進めている。辺野古海域の断層問題や軟弱地盤問題も解決しないままに形だけを整え、県民の諦めを誘おうとしている。しかし、辺野古埋立工事は海面から10mの土を盛る大工事である。それを浅瀬埋立を見せつけ県民の諦めを誘おうしているのだ。県民騙し、子供騙しも甚だしい。

 今、県民に求められるのは、政府の子ども騙しに惑わされることなく、2010年4月の「米軍普天間飛行場の沖縄県内への移設に反対する県民大会」で示された「沖縄は二度と(基地受入れの)苦渋の決断をしない」決意をあらためて内外に示すことである。

 今、準備が進められている「県民投票」の取り組みもその延長線上でなければならない。「沖縄は二度と(基地受入れの)苦渋の決断をしない」決意を、あらために内外に示すのであり、決して「辺野古埋立に関する決着」ではない。

 これまでの沖縄の平和運動を牽引してきた有銘(あるめ)氏は指摘する。「辺野古反対の闘いに、翁長知事が賛同し、闘いに参加しているからこそ、沖縄の民意は翁長知事を支えている。単に翁長知事を支持しているわけではない」と。

 県民が10万票の大差で翁長知事を誕生させたのは、県民とともに辺野古埋立阻止の闘いに翁長知事が参加しているからに他ならない。翁長知事がなすべきは、辺野古埋立阻止のためのあらゆる手段を講じることであり、その最大の手段が撤回であることは間違いない。

 朝鮮半島が和平構築に向けて動き出している今、朝鮮半島有事に備えて戦後沖縄に配備されてきた米海兵隊撤退の議論が出てくるのも必至の情勢だ。

 今こそ、あらためて「沖縄は二度と(基地受入れの)苦渋の決断をしない」という沖縄の意志を明確に示し、辺野古新基地建設阻止の民意実現に向けてさらに闘いを進めることが必要だ。

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