(2014/05/02)翁長那覇市長「沖縄の保守が突きつける」「甘えているのは沖縄ですか。それとも本土ですか」(朝日新聞デジタル2014年1月11日より)
「沖縄の中が割れたら、またあんた方が笑うからさ。沖縄は、自ら招いたのでもない米軍基地を挟んで『平和だ』『経済だ』と憎しみあってきた。基地が厳然とあるんだから基地経済をすぐに見直すわけにはいかない、生きていくのが大事じゃないかというのが戦後沖縄の保守の論理。一方で革新側は、何を言っているんだ、命をカネで売るのかと」
「・・・本土の人はそういう対立を上から見て笑っている。だから、ぼくが思い切って真ん中にいくことで問題を解決したい」
(2015/06/01)辺野古強行は日米同盟を砂上の楼閣にする〜5月30日付琉球新報「知事に聞く」より〜
矛先は嘉手納にも
−辺野古移設阻止に向けた戦略は。「埋め立て承認に関する有識者委員会から承認取り消しが提言されれば取り消すことになる。阻止に向けた知事の権限は10ほどある。私たちが同意しないとできない。国は裁判に訴えて、結論が出るまでは工事をやるかもしれないが、沖縄の自治の気概は本土の人と全然違う。抵抗する様子が映像として世界に送られたら日米同盟など持たない。沖縄の自治権は与えられたものではない。復帰後も含めて勝ち取ってきたものだ。この点を見くびると日米同盟は砂上の楼閣になる。」
(2015/05/22)辺野古に基地は造らせない〜5月20日翁長知事、日本記者クラブ・外国特派員協会(東京)で記者会見〜
15年間使用期限は、時の大田知事と稲嶺氏の知事選挙における、辺野古新基地建設を巡る稲嶺氏の公約だった。結果は、15年使用期限を公約に掲げた稲嶺氏が当選した。
翁長知事は、「15年間使用期限の軍民共用空港・・を小泉純一郎首相がつぶし、・・(いま)・・自民も民主もオールジャパンで沖縄に基地を置いている」と指摘し、「子や孫に基地を引き継いでいいのか。沖縄に生まれた保守の政治家は子どもたちを守るために頑張るべきだ」それゆえ、辺野古反対へと変わった、と理由を述べた。
(2015/05/18)翁長知事あいさつ全文 3万5千人結集“戦後70年止めよう辺野古新基地建設!沖縄県民大会”
・・・安倍総理は、日本を取り戻すと言っておられるが、私からすると、この日本を取り戻す中に、沖縄が入っているのかと強く申し上げたい。戦後レジームからの脱却とよく言っておられるが、沖縄に関しては戦後レジームの死守をしている。私はこう思っている。
・・・沖縄から見ると、日本が独立をし、沖縄が切り離されたサンフランシスコ講和条約の祝賀式典で万歳三唱をする姿を見ると、また同じ歴史が繰り返されることはないだろうかと、あるいはまた、ミサイル数発で沖縄が沈むことはないだろうかと、将来の子や孫が、また捨て石として犠牲にならないか、沖縄に責任を持つべき責任世代として、しっかりと見極めていかなければならない。
・・・何回も確認する。沖縄は自ら基地を提供したことは一度もない。
普天間飛行場もそれ以外の基地も戦後、県民が収容所に収容されている間に接収をされ、また、居住場所をはじめ、銃剣とブルドーザーで強制接収をされ、基地建設がなされた。自ら土地を奪っておきながら、普天間飛行場が老朽化したから、世界一危険だから、辺野古が唯一の解決策だ。沖縄が負担しろ、嫌なら沖縄が代替案を出せ、こういうふうに言っているが、こんなことが、許されるだろうか。
私はこのことを日本の政治の堕落だと言っている。・・・
一方、2プラス2の発表には、世界一危険だと指摘されている、普天間飛行場の5年以内停止が明示されていない。普天間飛行場の5年以内の運用停止について、前知事は県民に対し、一国の総理および官房長官を含め、しっかりと言っている、それが最高の担保であると説明をしていた。
・・・私は安倍総理にうかがった。ラムズフェルド元国防長官が13年前、普天間基地は世界一危険な基地だと発言し、菅官房長官もそのことを再三再四言う中で、辺野古が唯一の解決策だと言っている。辺野古基地ができない場合、本当に世界一危険な普天間基地は固定されるのでしょうか。こう総理に聞いたら返事がなかった。
・・・中谷防衛大臣は、中国の脅威を説明し、数字を挙げ、新辺野古基地が唯一の解決策だと話をしていた。また、いかに現在が危機的な状況であるか、自衛隊の増強が必要で、沖縄がいかに安全保障にとって重要か、とくとくと説明をしていた。
しかし、考えてみると、とんでもないことだ。冷戦構造時代、あの時も大変だった。今も危機があると言っているが、あの積極的平和主義の中で、私たちは今、積極的平和主義の名の下に中東まで視野に入れながらこれから日米同盟が動くことを考えると、沖縄はいつまでこの世界の情勢に自らを投げ捨てなければいけないのか。私はこれについてしっかりと対処していきたいと思っている。
そして、安倍総理が二つ、私に前に進んでいることを話していた。一つは嘉手納以南の着実な進展。それからもう一つはオスプレイは全国に配備してありますよ。もう少しずつ良くなっていますよと話があった。
こういう話を聞くと、本土の方々は「なかなかやるじゃないか」と、「少し前に進んだんだな」と思っていると思う。しかし私は総理に申し上げた。総理がおっしゃるように普天間基地が新辺野古基地に移り、そして嘉手納以南が返ってきた場合、一体全体、何%基地が減るのか。これは73・8%が73・1%に、たったの0・7%しか減らない。
何でかというと、全部県内移設だからだ。外に持って行く話ではまったくない。これが本土の方々には分かっていない。「嘉手納以南をみんな返すぞ」ということで分かっていない。
それからオスプレイはあの森本元防衛相がこう述べていた。5年前、著書の中で平成24年に12機、平成25年に12機(が配備される)。著書の中で「沖縄にオスプレイが配置されるだろう」と。見事に的中している。
そしてその中に何が書いてあったかというと、新辺野古基地はオスプレイを100機以上持ってくるために設計はされている。これから全てオスプレイは向こうに置かれるんだということがあの森本さんの著書の中に書いてある。
ですから今、本土で飛んでいるオスプレイも一定程度が過ぎたら、みんな沖縄に戻ってくる。これが私は日本の政治の堕落だということを申し上げている。
どうか、日本の国が独立は神話だと言われないように安倍総理、頑張ってください。
(2015/04/06)辺野古の新基地は絶対に建設することができない〜翁長知事の冒頭あいさつ全文 翁長知事・菅官房長官会談〜
・・・あの9・11の(米国)ニューヨークのテロでビルに飛行機がぶつかったときに、大変なことが起きたなと思ったら、1週間後には、沖縄に観光客が4割来なくなった。そして4割来ないということは大変な出来事で、あのときの沖縄の苦しみというのは大変だった。
そして尖閣も日本固有の領土だし、守ることは結構だ。しかし、あの尖閣で何か小競り合いが起きると、石垣島に来ている100万人の観光客がすぐ10万人くらいに減るという危険性も十二分に持っている。そういう視点からも、沖縄は平和の中にあって初めて、沖縄のソフトパワー、自然、歴史、伝統、文化、万国津梁の精神、世界の懸け橋になる、日本のフロントランナーとなる。経済的にもどんどん伸びていき、平和の緩衝地帯として他の国々と摩擦が起きないような努力の中に沖縄を置くべきだと思う。米軍基地があると、お互いの国とも近くて、最近はミサイルが発達しているので1、2発で沖縄が危なくなる。
こういったことを考え合わせると、米軍もアメリカももうちょっと遠いところに行きたがっているんじゃないか。日本の方がかえってそれを止めて「抑止力」という形でやっているのではないかという疑問がある。
(2015/12/06)代執行訴訟第1回口頭弁論 翁長知事陳述全文(12月2日付朝日新聞HMより転載)
(2015/12/16)代執行訴訟 翁長雄志沖縄県知事陳述書全文(12月2日付琉球新報HMより転載) ・・・この裁判で問われているのは、単に公有水面埋立法に基づく承認取り消しの是非だけではありません。
戦後70年を経たにもかかわらず、国土面積のわずか0.6%しかない沖縄県に、73.8%もの米軍専用施設を集中させ続け、今また22世紀まで利用可能な基地建設が強行されようとしております。
日本には、本当に地方自治や民主主義は存在するのでしょうか。沖縄県にのみ負担を強いる今の日米安保体制は正常といえるのでしょうか。国民のみなさますべてに問いかけたいと思います。
沖縄、そして日本の未来を切りひらく判断をお願い致します。
(216/04/29)4月22日 翁長知事の国地方係争処理委員会での意見陳述〜沖縄の民意だ〜
沖縄県民は、‥基地の不条理を身に染みて理解しています。戦後70年以上にわたり、重い基地負担を負わされ続けてきた沖縄県に、新たな基地を造る必要性が本当にあるのでしょうか。
沖縄県を代表する沖縄県知事の判断は何よりも尊重されなければなりません。
仮に、日米両政府が「辺野古が唯一」との固定観念のもと、奇跡の海とも言える辺野古・大浦湾海域の埋立てを強行するならば、人類共通の財産を地球上から消失させた壮大な愚行として、後世の人々に語り継がれることになりはしないかと、私は危惧しております。