沖縄防衛局長の地位が「固有の資格」を有することは明確であり、さらに、石井国交相の主張するた平成28年の違法確認訴訟における最高裁判決は、翁長知事が埋立承認取消しを取消さないことの違法性が争われた裁判であり、沖縄防衛局長の行政不服審査法上の審査請求についてはそもそも争点にはなっていない。
石井国交相は、当該最高裁判決のどの部分が「固有の資格」を否定しているのか明確にすべきである。
石井国交大臣会見要旨(2018年10月30日)より抜粋クリックで同HMへ (問)辺野古の埋立てについてなんですけれども、今回は、承認の取消しを求める県に代わる代執行という手続きをとっているのですけれども、今後の裁決等を含めた承認取消しの申立てについての対応について方針を教えてください。 (答)審査請求について審査中でありますので、それ以外のことにつきましては、コメントは控えさせていただきます。 (問)辺野古についてお尋ねしたいのですけれども、行政不服審査については、国の機関同士であり身内同士ではないかという批判も出ていますけれども、これについて大臣のお考えをお願いします。 (答)行政不服審査法で、審査請求をすることができる者につきましては、行政不服審査法第2条は、「行政庁の処分に不服がある者」と規定されております。ここにいう処分とは、「直接国民の権利義務を形成し、またはその範囲を確定する」ものをいいます。沖縄防衛局のような国の機関であっても、この意味での処分を受けたものといえれば、一般私人と同様の立場で処分を受けたものとして、その処分について、審査請求をなし得ると解釈することができます。この点、前回の承認取消しの違法性が判断された平成28年の最高裁判決では、取消しがこの意味での処分であることを前提とした判断を行っております。今回の承認処分の撤回も、埋立てをなし得る法的地位を失わせるという点で取消しと変わらず、沖縄防衛局も、行政不服審査法第2条の処分を受けたものといえる以上、固有の資格において撤回の相手となったものではなく、審査請求ができると判断したところであります。 (問)行政不服審査法で、固有の資格において、行政主体あるいは行政機関が行政処分の相手となる処分については、明示的に適用除外にしているという指摘もあるかと思いますが、そこら辺の解釈は今回どのように行ったのか教えていただければと思います。 (答)今、答弁したと思うのですけれども、行政不服審査法でいうところの処分を受けたのが国の機関であっても、処分を受けたものといえれば、一般私人と同様の立場で処分を受けたものとして、その処分について審査請求をなし得る。前回、取消しの要請を判断された平成28年の最高裁判決では、この取消しというのは行政不服審査法にいうところの処分に該当すると、そういう判断がなされているわけですね。今回の承認処分の撤回も、ほとんど取消しと変わらないと、それは埋立のなし得る法的地位を失わせるという意味では、取消しも処分もほとんど変わらないという意味では、この撤回も最高裁判決に基づけば処分とみなせるということで、沖縄防衛局が国の固有の資格において撤回の相手方になったものではないといえるわけであります。 |