米軍の求めるPFOS等汚染水の排出など絶対に認められない 

 米海兵隊は、普天間飛行場の地下貯水槽に保管しているPFOSを含む汚染水を、濃度を軽減して下水道に排出したいと申し出たという。汚染水処理費用が嵩むというのが理由とのことだが、断じて認められない。宜野湾市長も認められないと発言しているが当然だ。

 在沖米軍基地のPFOS汚染問題は普天間飛行場だけではない。多くの基地で問題が発覚しているが、嘉手納・普天間両飛行場周辺の河川、井戸、湧水(カー)等からも高濃度のPFOS等汚染数値が検出されている。

 昨年令和2年度有機フッ素化合物環境中残留実態調査(沖縄県)によれば、夏季は嘉手納町内井戸9地点から230〜3000 ng/Lが検出され、冬同地点から290〜2800 ng/Lが検出されている。国基準は50 ng/L。最高値は夏季60倍、冬季56倍である。さらに普天間飛行場周辺のマジキナガーでも夏季2000ng/L(基準値の40倍)、冬季1600 ng/L(基準値の32倍)が検出されている。

 前記調査報告書では「嘉手納飛行場、普天間飛行場周辺の超過については、基地からの影響である蓋然性が高いと考えており、国に調査及び対策を求めていく」としている。しかし、米軍は県等の申入れを拒み、調査等はまったく進んでおらず汚染除去どころか、汚染源特定の目途も立っていない。

令和2年度PFOS等調査結果(夏・冬)整理編集.jpg

 沖縄県企業局による嘉手納基地周辺地下水調査の結果について(令和元年10月23日)によれば、基地外の地下水上流部(東南部)の観測孔では 50ng/L以下が検出されているが、嘉手納基地を通過した基地外の地下水下流部(嘉手納町方向)観測孔及び湧水においては、PFOS 及び PFOA は 200ng/L 以上(基準値の4倍)の値が検出されている、と報告されている。

 嘉手納基地の地下を通ってきた水が汚染されて嘉手納町方向に流れ出している。嘉手納基地周辺のPFOS等汚染は嘉手納基地が汚染源である可能性が極めて高い。

嘉手納基地周辺水位図.jpg

 さらに、2014年から17年にかけて米軍が嘉手納基地内でPFOS等汚染状況を調査したことが明らかになっている。これについて、2019年6月18日の衆議院安全保障委員会において、沖縄選出の赤嶺議員の質問に、当時の河野外相はこの事実は日米両政府で共有されていると答弁したが、報告書の開示を求めると米軍の「了承」が必要ときた。共有されているPFOS等汚染状況調査結果さえも明らかにされていない。周辺自治体や県は、国に対して結果の公開を求めているが、拒否されたままだ。

 米軍基地内の汚染実態を隠蔽したままのPFOS等汚染水の排出など絶対に認められない。必要なのは基地内すべての汚染実態を明らかにし、県民の生命、身体を守るため汚染源を特定し汚染を除去することである。

 今回の米軍の申し出は本末転倒だ。

参照本HP記事

(2021/05/29)PFOS等汚染、県国はもちろん、周辺自治体も。この汚染状況を放置することは許されない(令和2年度有機フッ素化合物環境中残留実態調査の冬季調査結果より)

(2021/05/30)PFOS等の汚染源について「嘉手納飛行場、普天間飛行場周辺の超過については、基地からの影響である蓋然性が高い(県調査より)」。県国はもちろん、周辺自治体も、この汚染状況を放置することは許されない

(2019/07/01)PFOS等汚染問題。日本政府は知っていたのに放置し続けてきた!断じて許されない!

(特集ページ)PFOS等汚染問題

 環境省が行った令和2年度有機フッ素化合物全国存在状況把握調査結(沖縄県内抜粋)は以下のとおり。沖縄市ダクジャク川が基準値50ng/lの9倍、うるま市アカザンガーが3.6倍、嘉手納町シリーガーは22倍だ。

 汚染源については、沖縄県調査においても「嘉手納飛行場、普天間飛行場周辺の超過については、基地からの影響である蓋然性が高いと考えており、国に調査及び対策を求めていく」としている。県国はもちろん、周辺自治体も、この汚染状況を放置することは許されない。直ちに調査を実施し、汚染源を除去せよ!

参考本HP記事)

PFOS等の汚染源について「嘉手納飛行場、普天間飛行場周辺の超過については、基地からの影響である蓋然性が高い(県調査より)」。県国はもちろん、周辺自治体も、この汚染状況を放置することは許されない

環境省_令和2年度有機フッ素化合物全国存在状況把握調査の結果 .(クリックで同省HPへ)

場所 測定値(ng/l) 基準値との比較
沖縄市ダクジャク川 450 9倍
うるま市アカザンガー(湧水) 180 3.6倍
嘉手納町シリーガー(湧水) 1100 22倍
北谷町インガー(湧水) 52 1倍
縮小画像細工 令和2年度有機フッ素化合物全国存在状況把握調査結果一覧(PFOS及びPFOA)沖縄抜粋.jpg

 PFOS等による深刻な環境汚染の汚染源については以下のとおり指摘されている。

 沖縄県企業局の地下水調査によれば、嘉手納基地周辺の水位は沖縄市役所付近を頂点にして基地に向かって水が流れている。基地外の地下水上流部でのPFOS等観測地は基準値である 50ng/L以下である。基地外の地下水下流部では 200ng/L 以上の値が検出されているとからすれば、嘉手納基地内地下を通過することで汚染されていることになる。PFOS等汚染源は嘉手納基地である可能性が極めて高い。

 沖縄県調査においても「嘉手納飛行場、普天間飛行場周辺の超過については、基地からの影響である蓋然性が高いと考えており、国に調査及び対策を求めていく」としている。

 県国はもちろん、周辺自治体も、この汚染状況を放置することは許されない。直ちに調査を実施し、汚染源を除去せよ!!!

嘉手納基地周辺水位図.jpg
・基地東南部から基地内への地下水流向と、基地内から基地北西部への地下水流向が確認されました。
・基地外の地下水上流部(東南部)に設置した観測孔において、PFOS 及び PFOA は 50ng/L以下、基地外の地下水下流部(北西部)に設置した観測孔及び湧水においては、PFOS 及び PFOA は 200ng/L 以上の値が検出されました。
・比謝川河川において、大工廻川合流部以降で PFOS 等の上昇がみられました。

嘉手納基地周辺地下水調査業務委託の結果について(最終)令和元年10月23日 沖縄県企業局)より(クリックで同HPへ)
・嘉手納飛行場、普天間飛行場周辺の超過については、基地からの影響である蓋然性が高いと考えており、国に調査及び対策を求めていく。
令和2年度有機フッ素化合物環境中残留実態調査の冬季調査の結果について(クリックで県HPへ)より

 5月7日、沖縄県HMで「令和2年度有機フッ素化合物環境中残留実態調査の冬季調査の結果について(クリックで県HPへ)」が公表された。普天間飛行場、キャンプ瑞慶覧、嘉手納飛行場、キャンプマクトリアス、キャンプハンセンの周辺で基準値を超える数値が測定された。下表のとおり

表一覧.jpg

 下表は結果一覧から抜粋した。40倍を超える数値が検出されており、嘉手納飛行場周辺の民家古井等(No32)では下記調査で基準値の60倍、3000n/Lが検出されている。

 早期の汚染源の特定、除染が必要だ。

 県の報告書は「嘉手納飛行場、普天間飛行場周辺の超過については、基地からの影響である蓋然性が高いと考えており、国に調査及び対策を求めていく。」としている。

 県国はもちろん、周辺自治体も。この汚染状況を放置することは許されない。

令和2年度PFOS等調査結果(夏・冬)整理編集.jpg

 今年4月10日に発生した普天間飛行場からの大量のPFOS含有泡消火剤流出事故。県市国の採取した汚染土壌及び汚染水の調査結果が公表された。以下の2つの表は沖縄県HPからの引用である。

 事故発生から11日後に採取された汚染水からは基準値の2.5倍のPFOS等が検出されたが、4月24日の汚染土壌撤去後の採取土壌から検出された値はいずれも基準値以下となっている。これはPFOS等汚染が土壌等撤去により改善することができることを示す。

 この事実からすると、毎年、高濃度のPFOS等汚染物質が検出される嘉手納普天間両基地周辺の河川地下水湧水等の汚染状況が極めて深刻であることが分かる。

 普天間基地周辺の河川、湧水、地下水のPFOS等汚染調査では、平成28年度から令和元年調査まで汚染状況は改善されるどころか悪化している。日本の環境基準は50ng/Lと定められたが、最高はその40倍2000ng/Lが検出されている。普天間基地周辺の河川地下水湧水汚染状況は凄まじい。

詳細はこちらPFOS汚染が深刻、普天間基地周辺河川、湧水、地下水。平成28年〜令和元年調査では最高2000ng/Lを検出。政府による環境汚染放置を許すな!!!

 嘉手納町基地周辺の嘉手納町内河川湧水地下水のPFOS汚染調査値も異常だ。平成30年から令和元年までの3回の調査でも常時2000ng/Lを超える値が検出され、令和元年の追加調査でも25地点調査のうち21地点で基準を70ng/Lを超え、最高は2100ng/L(本HM記事参照)を検出している。

詳細はこちらPFOS汚染が深刻、嘉手納基地周辺の嘉手納町内河川、湧水、地下水。平成30年〜令和元年調査では2000ng/Lを超える値を検出。政府による環境汚染放置を許すな!!!

 周辺自治体は、米軍・国に対して、汚染原因の特定・除去、そして住民の健康調査の実施求めなければならない。

 黙することは現状を認めることになりかねない。座して死を待つわけにはいかないのだ。

沖縄県発表の詳細はこちら「普天間飛行場泡消火剤流出事故に係る基地内調査について」クリックで同HPへ

月日 県の調査
4.10 普天間飛行場泡消火剤流出事故発生
4.21 基地内立入 基地内排水路の採水実施
4.24 格納庫横地下タンク周辺の流出個所の土壌撤去立会
5.1 土壌撤去箇所より下層の土壌採取
5.11 土壌撤去個所及び排水路周辺の土壌採取

【調査結果】

泡消火剤流出事故にかかる基地内調査結果一覧表20200421、0501、11.png

 今年4月10日に発生した普天間飛行場からの大量のPFOS含有泡消火剤流出事故。宜野湾市、沖縄県、沖縄防衛局は、5月11日、汚染土壌(4月24日に米軍が土壌入れ替えのために撤去し、米軍が保管していた土壌から)の引き渡しを受け調査していた。

 調査結果の公表について「県は分析結果を約2カ月後に公表する(5月12日付琉球新報より)」としていたが、8月も終わろうとしている今日現在、実現していない。

 この現状について8月21日付沖縄タイムスが報告している。

 分析値の評価や公表の仕方を「三者で調整している」ために公表をが遅れているという。防衛省関係者は調整は数値を三者で確認し、評価についての考え方を統一するために必要。データを擦り合わせるという意味ではない」と強調」しているというが、何を調整しているのか分からない。

 国民の税金を使っての調査だ。すべてを明らかにすべきだ。

 今回の事故については、米軍が加害者であり、沖縄県は被害者。調査結果公表の前に、何故、双方の調査結果を擦り合わせなければならないのか。まったく理解不能だ。

 沖縄県は、県独自の調査結果を、直ちに公表すべきだ。

以下は8月21日付沖縄タイムス記事からの抜粋

・・・土壌汚染調査は20日までに結果はでそろっているが、公表されていない。分析値の評価や公表の仕方を「三者で調整している」(防衛省関係者)のが主な理由だ。県独自で公表できない現状に、県環境部は「日米両政府の協定に基づく環境調査で、主体は米軍側にある。県が勝手に進められない」と明かす。 ・・・防衛省関係者は「調整は数値を三者で確認し、評価についての考え方を統一するために必要。データを擦り合わせるという意味ではない」と強調する。・・・

 嘉手納米軍基地周辺のPFOS等汚染状況は凄まじい。沖縄県及び県企業局の調査によれば、日本の環境基準の40倍を超える状況が明らかになっている。PFOS等汚染状況を記載する。

1.米軍によるPFOS等汚染調査(2014年〜17年)が未だに明らかになっていない。報道によれば基準の760倍のPFOS等が検出されているという。

2014年から17年にかけて米軍が嘉手納基地内でPFOS等汚染調査を実施。6月18日の衆議院安全保障委員会において、赤嶺議員の質問に、河野外相はこの事実は日米両政府で共有されているが、開示については米軍の「了承」が必要として開示を拒否。

・2018年8月に採取した水のサンプルから、PFOAとPFOSの合計で1㍑当たり3万8千ナノグラムを検出した。・・・「川」と記載された別のサンプルには・・・570ナノグラムが含まれていた(2020年6月6日付沖縄タイムスより)。

本HM記事参照)2019/07/01)PFOS等汚染問題。日本政府は知っていたのに放置し続けてきた!断じて許されない!

2.沖縄県環境部による河川湧水地下水調査

 ①平成30年から令和元年までの3回の調査が実施され、常時2000ng/Lを超える値を検出

5.30修正)嘉手納 pfos調査 平成30年〜令和元年 データ編集分.png

 ②令和元年の追加調査でも25地点調査のうち21地点で基準を70ng/L超え、最高は2100ng/L

SNS用 令和元年PFOS等調査結果比謝川周辺.png

本HM記事参照)

(2020/05/30)PFOS汚染が深刻、嘉手納基地周辺の嘉手納町内河川、湧水、地下水。平成30年〜令和元年調査では2000ng/Lを超える値を検出。政府による環境汚染放置を許すな!!!

(2020/05/16)PFOS汚染が拡大する嘉手納町比謝川周辺湧水・井戸。最高2100ng/L。25地点調査の21地点からPFOS等を検出。令和元年度沖縄県有機フッ素化合物調査結果(追加調査)  

 

3.県企業局による河川調査

 沖縄県企業局によるPFOS等水源河川汚染調査(平成25〜30年調査)によれば、嘉手納基地周辺すべての河川で基準値(50n/l)を超過、最高20倍を超える汚染状況であることが明らかに。特に比謝川、大工廻川(ダクジャク川)の汚染状況は凄まじい。

県企業局PFOS等水源河川検出データH25〜30.png

本HM記事参照)2020/06/06)日米両政府は嘉手納基地の運用を直ちに停止し、PFOS等汚染を除去せよ!!! 嘉手納基地周辺河川のPFOS等汚染、基準値(50ng/l)を超過、最高20倍を超える汚染状況が明らかに!

 

4.環境省調査

 2020年6月11日公表された環境省令和元年度PFOS及びPFOA全国存在状況把握調査結果。嘉手納・普天間両基地周辺河川・地下水・湧水からは次のとおり。

調査場所 測定値 基準値(50ng/l)比較
沖縄市のダクジャク川 1508.1ng/l 30倍
宜野湾市のチュンナガー 1303.0ng/l 26倍
宜野湾市のメンダカリヒーガー 815.3ng/l 16倍
嘉手納町のシリーガー 1188.0ng/l 23倍

本HM記事参照)(06/12)嘉手納普天間両基地周辺のPFOS等汚染は深刻だ。日米両政府は直ちに基地機能を停止し、汚染物質の除去、除染にあたらなければならない。(1508.1ng/lダクジャク川のPFOS等汚染 環境省令和元年度PFOS及びPFOA全国存在状況把握調査)

 嘉手納町内河川・湧水等のPFOS等汚染状況は凄まじい。日本の環境基準値は50ng/L。嘉手納町内の河川地下水汚染状況は凄まじい。日本政府は何らの策を取ろうともせず、放置したままだ。

 日米両政府は、直ちに嘉手納基地の運用を停止し、PFOS等汚染源である嘉手納米軍基地を調査し、PFOS等汚染物質を除去せよ!

 今年4月10日午後、普天間基地からPFOS含有の泡消火剤が基地外に大量に流出した。県は流出現場土壌の採取を米軍に求めていたがなかなか応じなかった。

 流出から1ヵ月以上もたった5月11日、米軍はすでに土壌入替後に保管していた土壌の引き渡しに応じた。引き渡しを受けたのは宜野湾市、沖縄県、沖縄防衛局。県は7月には分析結果を公表するとしている。

 ところで普天間基地周辺のPFOS等汚染は上記大量流出事故以前から明らかになっている。日本政府は何らの策を取ろうともせず、実態隠しに懸命だ。このような沖縄差別を絶対に許してはならない。

①沖縄県による平成28年度から令和元年までの汚染状況調査。平成30年夏季調査ではチュンナガー(湧水)では2000ng/LのPFOS等汚染物質が検出されている。日本の環境基準は50ng/Lと定められたが、その40倍である。それ以外の湧水・地下水でも凄まじい汚染状況が常態化している。危機的状況だ。

平成28〜令和元年PFOS等調査結果普天間基地周辺.png

 

参照本HM記事)(05/30)PFOS汚染が深刻、普天間基地周辺河川、湧水、地下水。平成28年〜令和元年調査では最高2000ng/Lを検出。政府による環境汚染放置を許すな!!!

 

2020年6月11日、環境省による令和元年度PFOS及びPFOA全国存在状況把握調査結果が公表された。普天間基地周辺河川・地下水・湧水からは次のとおり、高濃度のPFOS等汚染物質が検出された。米軍基地周辺の環境汚染は深刻だ。

 宜野湾市のチュンナガーは1303.0ng/lで基準値の26倍

 宜野湾市のメンダカリヒーガーは815.3ng/lで基準値の16倍

縮小2 調査結果(沖縄市、中頭郡抜粋).jpg

 6月12日記者会見。小泉環境大臣は、(PFOS排出源と疑われる)米軍基地立入調査実現に向け、関係省庁と連携して、適切に対応していくと発言した。2014年から17年にかけて米軍実施の嘉手納基地内PFOS等汚染調査結果さえ公にならない中、米軍基地への立入調査実現に前向きな発言が出された。尽力していただきたい。

 報道各社には、立ち入り調査実現に向けた小泉環境大臣の動向を注視し、報道してもらいたい。

小泉大臣記者会見(令和2年6月12日)より抜粋

(記者)毎日新聞の鈴木です。私からは、有機フッ素化合物の中でも、発癌性など人体への健康影響が指摘されているPFOS、PFOAについてお聞きします。環境省が昨日、国内の地下水等の汚染把握調査の結果を公表しました。13都府県の39ヶ所で国の暫定目標値を超え、在日米軍基地や工業地帯の周辺などで、水質が広く汚染されている実態が浮かび上がりました。これらの物質について、国は製造などの規制を進めていますが、消防機関や自衛隊などで、PFOS、PFOA含有の泡消火薬剤が現在でも大量に保管、使用されています。規制強化に向けた環境省としての今後の対応をお聞かせください。
(大臣)今、鈴木さんから御紹介ありましたのは、昨日公表した全国存在状況調査であります。今回170地点で調査を実施してその調査結果を取りまとめたものでありますが、環境省はそれに先立って、中央環境審議会での議論を経て、PFOS及びPFOAの水環境に係る暫定的な目標値、これを5月28日に設定するとともに、その値を超えて、PFOS及びPFOAが検出された場合には、例えば地下水などを水源としている井戸などの所有者に対して、飲むことを控えるように助言するなど、地方公共団体が対策を講じる場合の参考となる、対応の手引き、これを厚生労働省とともに策定をして、6月の2日に通知をしたところであります。これから各地方公共団体には、地域の実情等に合わせて、この手引きを参考として活用していただいて、対応を検討いただきたいというふうに考えています。なお、水道水につきましては、厚労省から水道事業者に対して、各浄水場において、水質管理を徹底するよう要請がなされており、今回の全国存在状況調査の調査地点の河川水等を原水とする浄水場すべてにおいて、上水、水道水中でのPFOS及びPFOAの濃度は、暫定的な目標値を下回っていたと承知をしています。環境省では、本年度の追加的な調査の実施、そして、今後も引き続き、関係省庁及び関係地方公共団体と連携しつつ、必要な対応を検討していきたいと思います。

(記者)沖縄タイムスの又吉です。今の関連で、沖縄県内ではですね、4月にも米軍普天間飛行場でのPFOSを含めた泡消化剤の漏出事故が発生してまして、県民の目に見える形でPFOSの漏出が起きています。PFOSの排出源と疑われる米軍基地への立ち入り調査の必要性と、今後の汚染源対策も含めて大臣の御所見をお願いします。
(大臣)まず、政府としてはこれまでもアメリカ側に対して、沖縄県が要請している米軍基地内の立ち入り調査について働きかけを行っているところです。環境省としても、昨年度実施した全国調査の結果を踏まえながら、立ち入り調査の実現に向けて、関係省庁と連携して、適切に対応して参りたいと思います。

 嘉手納・普天間両基地からのPFOS等汚染物質流出に関する行政の対応については以下のとおりだ。(直近のものから掲載)

 昨年の沖縄県からの要請、県企業局からの要請については4年もの間放置されつづけている。

 米軍基地返還にあたって汚染物質除去などの原状回復義務を負わない米軍に立入調査を拒む理由はない。これを拒んでいるのは日本政府ではないのか。米軍の陰に隠れて、基地周辺住民及び県民の身体生命財産を守ろうとしないのは日本政府ではないのか。

 2014年から17年にかけて米軍が嘉手納基地内でPFOS等汚染調査を実施し、その調査結果について、当時の河野外相は日米両政府で共有されているとしながら、開示については米軍の「了承」が必要として開示を拒否した。開示を拒んでいるのは日本政府ではないのか、疑問は大きくなるばかりである。

1.2020.5.18沖縄県企業局:嘉手納基地へのPFOS等調査のための立入許可を申請(同HMより)

嘉手納基地へのPFOS等調査のための立入許可申請について(令和2年5月18日付)
 企業局北谷浄水場の水源である比謝川及び嘉手納井戸群の水質調査で高濃度のPFOS等が検出され、また嘉手納基地内から比謝川に流入する大工廻(だくじゃく)川においてさらに高濃度のPFOS等が検出されていることから、平成28年6月に原因究明のための立入許可申請を行いました。
 しかし、現在においても立入は認められておらず、その後約4年にわたって水源水質に改善はみられていない状況であります。
 その後、令和2年4月1日に「PFOS及びPFOA」が水質管理目標設定項目に位置づけられ、暫定目標値が50ng/L以下(PFOS・PFOAの合計値)と設定されました。
 これらのことを受けて、沖縄県企業局では嘉手納基地への立入調査の申請書(5月18日付)を、沖縄防衛局に提出しました。

2.2019.6.12沖縄県:基地内立入調査、汚染源特定、水質土壌調査を要請。

要請文はこちら令和元年6月12日 防衛大臣あて要請文(PDF:680KB)

 昨日、2020年6月11日、環境省による令和元年度PFOS及びPFOA全国存在状況把握調査結果が公表された。

 嘉手納・普天間両基地周辺河川・地下水・湧水からは次のとおり、高濃度のPFOS等汚染物質が検出された。米軍基地周辺の環境汚染は深刻だ。

 日米両政府は直ちに基地機能を停止し、汚染物質の除去、除染にあたらなければならない。

 沖縄市のダクジャク川は1508.1ng/lで基準値(50ng/l)の30倍

 宜野湾市のチュンナガーは1303.0ng/lで基準値の26倍

 宜野湾市のメンダカリヒーガーは815.3ng/lで基準値の16倍

 嘉手納町のシリーガー1188.0ng/lで基準値の23倍

 日米両政府は直ちに基地機能を停止し、汚染物質の除去、除染にあたらなければならない。

縮小2 調査結果(沖縄市、中頭郡抜粋).jpg

 沖縄県企業局によるPFOS等水源河川汚染調査(平成25〜30年調査)よれば、嘉手納基地周辺すべての河川で基準値(50n/l)を超過、最高20倍を超える汚染状況であることが明らかになった。

 調査対象となっているのは、比謝川、長田、川崎、嘉手納井戸、大工廻川である。その中でも比謝川、大工廻川の汚染状況は突出し、基準値20倍を超えている。さらに深刻なのは汚染状況が年々悪化していること。基地返還後の原状回復義務を負わない、汚染発生源の米軍はPFOS等を垂れ流し続け、日本政府はこれを放置し続けている。

 PFOS等による環境汚染について、2014年から17年にかけて米軍が嘉手納基地内で調査したことが明らかになっている。この事実について、6月18日の衆議院安全保障委員会において、赤嶺議員の質問に、河野外相はこの事実は日米両政府で共有されていると答弁したが、報告書の開示には米軍の「了承」が必要として明らかにしていない。本来であれば、汚染状況を公開し、対処すべきだ。嘉手納基地周辺住民の健康被害など黙殺する態度、米軍に責任を負わせる主体性のない態度にはあきれ返るばかりだ。(参照本HM記事20190701PFOS等汚染問題。日本政府は知っていたのに放置し続けてきた!断じて許されない!)

 日米両政府は嘉手納基地の運用を直ちに停止し、PFOS等汚染を除去すべきである。そのためには、県、周辺市町村自治体、住民が声を挙げなければならない。

 日米両政府は嘉手納基地の運用を直ちに停止し、PFOS等汚染を除去せよ!!!

沖縄企業局データはこちら有機フッ素化合物に係る対応状況等について(令和元年5月23日記者懇談会資料)クリックで同HMへ

県企業局PFOS等水源河川検出データH25〜30.png

 4月10日に発生した普天間飛行場からの大量のPFOS含有泡消火剤流出事故。5月11日、宜野湾市、沖縄県、沖縄防衛局は、ようやく汚染土壌を採取した。汚染土壌採取は4月24日に米軍が土壌入れ替えのために撤去していたが、米軍が保管していた土壌から検体を引き渡すことで実現した。

 米軍の配慮により検体採取が実現したかたちだが、いったいどちらが加害者で、どちらが被害者なのか分からない。問題の根本はPFOS等汚染状況の現状回復義務が米軍にはない、ことにある。米軍には自らが加害者としての認識がまったくない。原状回復義務は当然日本政府にある。軍用地の賃貸人は日本政府だ。まさか、ここまで汚染土壌採取が長引いたのは日本政府が仕組んでいたのではないか、との疑問も沸く。

 いずれにせよ、汚染土壌採取は実現した。県は分析結果を公表するとしている。

以下は県内2紙抜粋。

(5月12日付琉球新報より)・・・県や宜野湾市、沖縄防衛局などは11日、同飛行場に立ち入り調査をした。事故を受けた日本側の立ち入りは5回目。今回の調査は、汚染の可能性を調べるため、4月24日に事故現場の格納庫そばから撤去して保管していた土を採取した。格納庫近くにある排水路付近8地点の土も採取した。県は分析結果を約2カ月後に公表する。・・・
(5月12日付沖縄タイムス)
・・・国と沖縄県は11日、飛行場に立ち入り、県が求めていたエリアの土壌を採取した。対象は米軍が4月24日に格納庫周辺で剥ぎ取り、保管していた土壌と、基地内を流れる排水路沿いの8地点。県は採取後の検査で4成分の分析を求めていたが、日米両政府の調整で、分析をPFOS(ピーホス)とPFOA(ピーホア)の2成分に限ることが立ち入りの条件とされていたことも分かった。・・・県環境保全課によると、米軍が4月24日に格納庫周辺(約65平方メートル)から剥ぎ取った表土の一部として、土のう3袋分が用意された。米軍と国、県がそれぞれ500グラムずつ持ち帰った。排水路沿いの8地点も同じ量を分けた。・・・県は調査したい場所が1カ所残っているとして、引き続き立ち入りを求める考え。エプロン(駐機場)の反対側で誘導路と緑地帯の境界部分の土壌を希望している。

 普天間基地周辺の河川、湧水、地下水のPFOS等汚染調査値は異常だ。しかも平成28年から令和元年までの調査でも常時高い値が検出されている。

 4月10日のPFOS等含有泡消火剤の大量流出事故を起こした普天間基地。しかし、基地周辺の環境汚染は平成28年度調査から延々と続いている。

 平成28年度から令和元年調査まで汚染状況は改善されるどころか悪化している。日本の環境基準が50ng/Lと定められるとの報道がなされているが、最高はその40倍となる数値を示している。普天間基地周辺の河川地下水湧水汚染状況は凄まじい。日本政府は何らの策を取ろうともせず、実態隠しに懸命だ。

 このような沖縄差別を絶対に許してはならない。環境汚染放置は許されない!!!

データ元県HM:令和元年度有機フッ素化合物環境中実態調査の冬季調査結果、再追加調査結果、雄樋川調査結果について

平成28〜令和元年PFOS等調査結果普天間基地周辺.png

 嘉手納町基地周辺の嘉手納町内河川湧水地下水のPFOS汚染調査値は異常だ。平成30年から令和元年までの3回の調査でも常時2000ng/Lを超える値が検出されている。

 令和元年の追加調査でも25地点調査のうち21地点で基準を70ng/Lを超え、最高は2100ng/L(本HM記事参照)を検出している。

 嘉手納町内河川・湧水等のPFOS等汚染状況は凄まじい。日本の環境基準が50ng/Lと定められるとの報道がなされているが、嘉手納町内の河川地下水汚染状況は凄まじい。日本政府は何らの策を取ろうともせず、実態隠しに懸命だ。

 このような沖縄差別を絶対に許してはならない。環境汚染放置は許されない!!!

データ元県HM:令和元年度有機フッ素化合物環境中実態調査の冬季調査結果、再追加調査結果、雄樋川調査結果について

本HM記事:PFOS汚染が拡大する嘉手納町比謝川周辺湧水・井戸。最高2100ng/L。25地点調査の21地点からPFOS等を検出。令和元年度沖縄県有機フッ素化合物調査結果(追加調査)

5.30修正)嘉手納 pfos調査 平成30年〜令和元年 データ編集分.png

 4月10日に発生した普天間飛行場からの大量のPFOS含有泡消火剤流出事故。宜野湾市は取水試料の検査結果を公表した。データは宜野湾市HMからの抜粋。

 下表から明らかなように、ヒヤーガー(湧水)、メンダカリヒーガー(湧水)、はごろも小学校(湧水)から国の暫定値50ng/lをはるかに上回るPFOS等が検出された。

 米軍の存在そのもののが基地周辺住民の生命、生活を脅かしている現実が、また明らかになった。

普天間飛行場における泡消火剤漏出事故に係る水質検査について(クリックで宜野湾市HMへ)

データ縮小)宜野湾市水質検査結果.png
ヒヤカーガー、メンダカリーヒーガー、羽衣小 宜野湾市水質調査場所.jpg

 嘉手納町内河川・湧水等のPFOS等汚染状況は凄まじい。日本の環境基準が50ng/Lと定められるとの報道がなされる中、25地点調査のうち21地点で基準を70ng/Lを超え、最高は2100ng/L。

 日本政府は何らの策を取ろうともせず、実態隠しに懸命だ。

 このような沖縄差別を絶対に許してはならない。

SNS用 令和元年PFOS等調査結果比謝川周辺.png
令和2年2月21日
沖縄県環境部環境保全課令和元年度有機フッ素化合物調査結果について(追加調査)
【調査結果について】
1 比謝川周辺
○環境部ではこれまでに比謝川周辺湧水等のPFOS等調査を実施し、5地点でPFOSとPFOAの合計が米国環保護庁が設定した飲料水に関する生涯健康勧告値※(70ng/L)(以下勧告値」)を超えていることを確認した。(340〜2100ng/L)
○今回、嘉手納町等の要請を踏まえ、令和元年10月から11月にかけて、町内の井戸など25地点の追加調査を行った。その結果、PFOSとPFOAの合計が勧告値を超える地点が21地点確認された。(170〜2100ng/L)
○嘉手納町屋良では、これまで湧水の屋良シリーガー、屋良 ウブガー、屋良ヒージャーガーでPFOSとPFOAの合計が830〜2100ng/Lで確認されているが、今回、湧水の屋良メーガーで 1300ng/L、井戸7地点でも230〜1200ng/Lと勧告値を超える値が確認された。(9地点中8地点)
○嘉手納町屋良1丁目では、今回初めて2地点の井戸を調査 したが、PFOSとPFOAの合計がそれぞれ地点で700ng/L、590ng /Lと勧告値を超える値が確認された。(2地点中2地点)
○嘉手納町嘉手納では、これまで湧水のヌールガーでPFOSと PFOAの合計が340〜490ng/Lの値で検出されているが、周辺の井戸8地点で170〜2100ng/Lと勧告値を超える値が確認された。(8地点中8地点)
○嘉手納町水釜では、これまで1地点の井戸でPFOSとPFOAの合計が1800〜2000ng/Lと確認されているが、今回、湧水で1800ng/L、井戸2地点でも560〜2000ng/Lと勧告値を超える値が確認された。(6地点中3地点)
○PFHxSは0.6〜720ng/Lの濃度範囲で検出された。また、6:2FTSは<0.1〜790ng/Lの濃度範囲で検出された。

 4月10日のPFOS等含有泡消火剤の大量流出事故。国県市による基地内立入調査が実施された。調査は水質及び土壌汚染調査のためであり、水・土壌を採取しなければ調査など意味がない。にもかかわらず、米軍はこれを拒否したという。

 河野防相は4月24日記者会見で、土壌採取について問われ次のように回答した。「土壌のサンプリング、これはやる必要がある…、今、調整をしている…。」と。ところがさらに追及されると「水のサンプリングをやってわかっていますので、特に絶対必須ということではないのかもしれませんが、どれくらい染み込むのかどうかとですね、そういう環境的な要素があるかどうか、これは環境省と相談だと思います」として環境省に下駄を預けてしまった。米軍により搬出された汚染土壌の保管先についても、河野防相は「承知しておりません。」とした。

 沖縄県民の身体生命に影響を及ぼす事案だ。さらには汚染された土地は返還が約束されている。松川宜野湾市長の激高ぶりは当然だ。

 環境調査のためには土壌採取・分析調査は必須だ。日本政府の対応は沖縄県民の身体生命など守る必要はないと考えているかのようだ。

 5月1日には県、宜野湾市、沖縄防衛局による4回目の立入調査が実施された。土壌撤去後の残土採取が認められたという。しかし意味はない。PFOS等の汚染物質が検出されないのは当然だろうし、これで検出されれば、汚染が拡大、深刻な状況であることを意味する。いずれにしても、米軍が撤去した土壌の分析調査は必須だ。

 普天間基地は、時期は未定だが、もうすぐ宜野湾市民の手に戻る。宜野湾市が跡地利用計画を策定しているさなかに発生した環境汚染事故。松川市長が激高したのは当然であり、汚染土壌の採取を求めるのは当然であり、それと土壌汚染採取調査は、市の市民に対する義務だ。仮に土壌汚染除去が進まないのであれば手を尽くさなかった責任は大きい。

 河野防相は土壌採取が実現しない現状について「日米合同委員会での調整がつかなかった」としている。しかしよく考えると、汚染していようがいまいが、普天間基地返還にあたり、米軍には原状回復義務はない。義務を負うのは土地を賃借している日本政府だ。米軍が土壌採取を拒否する理由はない。日米合同委員会において土壌採取を拒んでいるのは日本政府ではないか。そう思えて仕方がないのだが。

 2017年末から立て続けに発生した米軍ヘリ機材落下や不時着事故。2018年1月30日小野寺防相は、普天間基地に自衛官を派遣して、米軍による機体の確認・整備状況が妥当なものかどうかを知見がある専門家により確認すると発表したが、同年11月9日後任の岩屋防相は「自衛官による基地内立入調査はない」と発表して結局実施されることはなく、沖縄県民の身体生命財産への脅威は放置された。

 今回もその二の舞とならぬよう、沖縄県、宜野湾市の奮闘を期待する。

以下米軍ヘリからの落下物事故などへの日本政府の対応経緯(本HM記事参照)

官邸邸主導のフェイクニュース。すべてが沖縄の選挙対策だった!〜自衛官による普天間基地への立入り調査は、もともと嘘だった。沖縄の選挙向けの政府の猿芝居にすぎなかった〜

米軍ヘリ落下物事故、墜落、不時着等を受けての政府の対応

 

 

 4月10日に発生した普天間飛行場からの大量のPFOS含有泡消火剤流出に対する政府の対応は次のとおりだ。(以下は報道及び記者会見からの情報) 

4月10日:普天間飛行場からの大量のPFOS泡消火剤流出(約14万3830㍑ドラム缶719本)

4月11日:「雨が降れば収まるだろう」デイビッド・スティール普天間基地司令官発言(宇地泊川での流出したPFOS泡消火剤の除去作業現場にて)

4月13日に判明:県環境保全課が市内宇地泊川流域(真栄原橋下、比屋良川公園内、大謝名橋付近)と周辺湧水地(森川公園内、大謝名メーヌカー)の計5カ所から水を採取し調査へ

4月13日:宜野湾市上下水道局は宇地泊川(比屋良川)の独自水質調査を実施。結果は市HMで公表

4月16日:防衛、外務、環境3省の職員計6人が日米地位協定の環境補足協定に基づき基地内へ立入調査実施。防衛省は県や宜野湾市には連絡せず(基地内立入調査1回目)

4月21日:国、県、市が基地内へ立入調査。県は、日米合意に明記された土壌や水のサンプル採取を求めており、実現するかどうかが焦点になる。宜野湾市は事故についての状況説明などを求めている(基地内立入調査2回目)

4月24日:水については採取し、国、沖縄県、宜野湾市で調査を実施。河野防相発言「少なくとも水のサンプリングは指定した3ヵ所をやった」「水については採ったものを日米で半々にして、また国、県、市でそれを分けてそれぞれやっております」

4月25日:防衛省沖縄防衛局、外務省沖縄事務所、環境省沖縄奄美自然環境事務所、沖縄県、宜野湾市による立入調査を実施。県は協定の締結時に交わされた日米合同委員会合意に基づき、基地内の土壌をサンプル調査できるよう沖縄防衛局を通じて申請していたが、米側は日米間の調整がつかなかったとして拒否(詳細は以下の記者会見内容を参照)(基地内立入調査3回目)

5月1日:県、宜野湾市、沖縄防衛局は立入調査実施。4月24日に土壌撤去した約65平方メートル、深さ約15センチの範囲から、撤去後の安全性確認のため、県が求めていた残土の採取が認められた。県はおよそ1カ月半後、政府は今月内に分析結果が出る見込み(5月2日付琉球新報より)。(基地内立入調査4回目)

 今回のPFOS含有泡消火剤の大量流出による国県等による基地内立入調査は、水質及び土壌汚染調査のためであり、水・土のサンプル採取をしなければ調査など意味がない。にもかかわらず、米軍はこれを拒否した。

 4月24日記者会見でサンプル採取について問われた河野防相は「土壌のサンプリング、これはやる必要があるだろうと思っておりますので、今、調整をしているところであります。」と言いながら、さらに追及されると「水のサンプリングをやってわかっていますので、特に絶対必須ということではないのかもしれませんが、どれくらい染み込むのかどうかとですね、そういう環境的な要素があるかどうか、これは環境省と相談だと思います」として環境省に下駄を預ける始末だ。さらに、入替えのために搬出された土壌の保管先についても、河野防相は「承知しておりません。」発言とした。

 環境調査のためには土壌採取は不可欠だ。しかし、日本政府は沖縄県民の身体生命を守る必要はないと考えているようだ。その証拠に国は、このコロナ禍のさなかに、県民の7割の辺野古反対の民意を無視して埋立変更申請を行った。

 日本には、国民主権も、基本的人権の尊重も、そもそも民主主義もない。いや、憲法に定める国民主権、基本的人権の尊重、平和主義そしてそもそもの民主主義を守るために、沖縄を人身御供として米国に差し出した。そしてその状況は改善されるどころか、さらに悪化している。

 日本は沖縄が復帰すべき祖国ではなかった、と喝破した先人先輩たちがいた。

 私たちは、今一度先人先輩たちの思想に還るべきなのかもしれない。

 5月1日の県、宜野湾市、沖縄防衛局による4回目の立入調査。土壌撤去後の残土採取が認められたというがまったく意味はない。PFOS等の汚染物質が検出されないのは当然だ。これで検出されれば、汚染が拡大、深刻な状況であることを意味する。

 そもそも、汚染していようがいまいが、普天間基地返還にあたり、米軍には原状回復義務はない。義務を負うのは土地を賃借している日本政府だ。米軍が土壌採取を拒否する理由はない。日米合同委員会において土壌採取を拒んでいるのは日本政府ではないか。そう思えて仕方がないのだが。

防衛大臣記者会見(令和2年4月24日 クリックで同省HMへ)
1 発表事項 ・・・4月10日に発生した普天間飛行場における泡消火剤の流出事故に関して、本日の朝9時から、防衛省沖縄防衛局が、外務省沖縄事務所、環境省沖縄奄美自然環境事務所、沖縄県及び宜野湾市による立入りの実施を行っております。環境補足協定第4条に基づくものであって、アメリカ側が行う格納庫周辺の土壌入れ替え作業の立ち合いを行うということでございます。・・・
2 質疑応答
・・・

Q:普天間のPFOSの立入りの件ですが、沖縄県は土壌のサンプルの調査を求めていると思いますが、今日それはできるのでしょうか。
A:PFOSの泡を含む水がなだれ込んできたというのでしょうか、流れた土壌ですからPFOSを含んでいるのは間違いないと思います。今、我々としては、エプロンの反対側の芝のところ、そこにPFOSを含んだ水が流れていないか確認をするための土壌のサンプリングということについて調整をしている、そういう報告を受けております。

Q:PFOSの関連ですが、協定では米軍の運用に支障がない限り、とついていますが、今、立入りをする中で、本当は日本がこうしたい、あるいは沖縄県側はこうしたいのに米軍の事情で認められないといった支障はあるのかないのでしょうか。
A:少なくとも水のサンプリングは指定した3ヵ所をやったというふうに思っております。まだ土壌のサンプリングということを調整しておりますので、今の時点で特に何とかということではないと思いますが、タイミング的にはもう少し早くてもいいのかなと、それは向こうの運用の問題もあるでしょうから、一段落したところでしっかりレビューしたいと思います。

Q:今のところは日本側が要望している内容については、できているということでしょうか。
A:水については採ったものを日米で半々にして、また国、県、市でそれを分けてそれぞれやっておりますので、特に今のところはいいのではないかと思います。

Q:普天間の関連ですが、米側としては汚染の可能性があるから格納庫周辺の土壌入れ替え作業を今日するということのようですが、一方で、原因究明をする場合、日本側にとって土壌を入れ替えられてしまえば、日本側としては追及しようがないという懸念はないでしょうか。実際、米側の原因隠しではないかという指摘も上がっているようですが、大臣の受け止めをお願いします。
A:今日入れ替えているところは、PFOSを含む水が流れたところですから、これは汚染されているのは間違いないわけで、今、米側がやろうとしているのはなぜ消火システムが作動してしまったか、なぜ格納庫の扉が閉まっていなくて外へ出てしまったか、そのシステムの問題についての調査をやってもらっておりますので、原因究明についてはそれが出た上で日本側としてしっかり精査したいと思っております。問題になっているのは排水溝の中に水が流れ込んで外へ出てしまった、そこの水のサンプリングはやらせてもらいました。問題は、排水溝に水がなだれ込んだから、反対側の芝にはPFOSを含んだ水がいってないよというところを確認するための土壌のサンプリング、これはやる必要があるだろうと思っておりますので、今、調整をしているところであります。

Q:そうしますと、今回、米側が入れ替えた土壌に関しては、改めて求める予定はないということでしょうか。
A:これは要するに上を水が流れておりますから、下に染み込んでいるのは間違いない訳で、どれくらい染み込むものかという科学的な調査というのはやった方がいいのかどうか、環境省とも相談をしてみないとと思います。検査をするまでもなく、PFOSを含んだ水が流れていますし、どれくらいのPFOSの濃度だったかというのは水のサンプリングをやってわかっていますので、特に絶対必須ということではないのかもしれませんが、どれくらい染み込むのかどうかとですね、そういう環境的な要素があるかどうか、これは環境省と相談だと思います。

・・・
Q:普天間の件でお伺いしますが、今日土壌の入替え作業がされていますが、この入れ替えた土壌の保管先は決まっているのでしょうか。
A:承知しておりません。
・・・

 県は令和元年夏季の嘉手納・普天間基地周辺河川等のPFOS等の汚染状況を公表した。。比謝川周辺地下水1800ナノグラム、普天間チュンナガー(湧水)1300ナノグラム、沖縄市天願川川崎川上流で1100ナノグラムを検出した。

 今年、厚生労働省が設定する基準は50ナノグラムとされている。これをはるかに超える汚染状況が嘉手納・普天間両基地周辺河川地下水に拡がっている。

 沖縄県民の生命身体が侵される状況を国は放置するのか。国の怠慢を許してはならない!!!

データの詳細はこちら↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

令和元年度有機フッ素化合物環境中実態調査の夏季結果報告についてクリックで県HMへ

嘉手納 pfos調査 令和元年.png
フッ素化合物調査 普天間 令和元年.png
具志川 PFOS調査 令和元年.png

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