2020年05月03日

土壌採取を拒んでいるのは日本政府ではないか(4月10日普天間飛行場から大量PFOS泡消火剤流出事故)。汚染水は基地内外で検体を採取調査のうえ公表へ。汚染土壌採取は米軍拒否、汚染土壌除去後の残土採取は実施

 4月10日に発生した普天間飛行場からの大量のPFOS含有泡消火剤流出に対する政府の対応は次のとおりだ。(以下は報道及び記者会見からの情報) 

4月10日:普天間飛行場からの大量のPFOS泡消火剤流出(約14万3830gドラム缶719本)

4月11日:「雨が降れば収まるだろう」デイビッド・スティール普天間基地司令官発言(宇地泊川での流出したPFOS泡消火剤の除去作業現場にて)

4月13日に判明:県環境保全課が市内宇地泊川流域(真栄原橋下、比屋良川公園内、大謝名橋付近)と周辺湧水地(森川公園内、大謝名メーヌカー)の計5カ所から水を採取し調査へ

4月13日:宜野湾市上下水道局は宇地泊川(比屋良川)の独自水質調査を実施。結果は市HMで公表

4月16日:防衛、外務、環境3省の職員計6人が日米地位協定の環境補足協定に基づき基地内へ立入調査実施。防衛省は県や宜野湾市には連絡せず(基地内立入調査1回目)

4月21日:国、県、市が基地内へ立入調査。県は、日米合意に明記された土壌や水のサンプル採取を求めており、実現するかどうかが焦点になる。宜野湾市は事故についての状況説明などを求めている(基地内立入調査2回目)

4月24日:水については採取し、国、沖縄県、宜野湾市で調査を実施。河野防相発言「少なくとも水のサンプリングは指定した3ヵ所をやった」「水については採ったものを日米で半々にして、また国、県、市でそれを分けてそれぞれやっております」

4月25日:防衛省沖縄防衛局、外務省沖縄事務所、環境省沖縄奄美自然環境事務所、沖縄県、宜野湾市による立入調査を実施。県は協定の締結時に交わされた日米合同委員会合意に基づき、基地内の土壌をサンプル調査できるよう沖縄防衛局を通じて申請していたが、米側は日米間の調整がつかなかったとして拒否(詳細は以下の記者会見内容を参照)(基地内立入調査3回目)

5月1日:県、宜野湾市、沖縄防衛局は立入調査実施。4月24日に土壌撤去した約65平方メートル、深さ約15センチの範囲から、撤去後の安全性確認のため、県が求めていた残土の採取が認められた。県はおよそ1カ月半後、政府は今月内に分析結果が出る見込み(5月2日付琉球新報より)。(基地内立入調査4回目)

 今回のPFOS含有泡消火剤の大量流出による国県等による基地内立入調査は、水質及び土壌汚染調査のためであり、水・土のサンプル採取をしなければ調査など意味がない。にもかかわらず、米軍はこれを拒否した。

 4月24日記者会見でサンプル採取について問われた河野防相は「土壌のサンプリング、これはやる必要があるだろうと思っておりますので、今、調整をしているところであります。」と言いながら、さらに追及されると「水のサンプリングをやってわかっていますので、特に絶対必須ということではないのかもしれませんが、どれくらい染み込むのかどうかとですね、そういう環境的な要素があるかどうか、これは環境省と相談だと思います」として環境省に下駄を預ける始末だ。さらに、入替えのために搬出された土壌の保管先についても、河野防相は「承知しておりません。」発言とした。

 環境調査のためには土壌採取は不可欠だ。しかし、日本政府は沖縄県民の身体生命を守る必要はないと考えているようだ。その証拠に国は、このコロナ禍のさなかに、県民の7割の辺野古反対の民意を無視して埋立変更申請を行った。

 日本には、国民主権も、基本的人権の尊重も、そもそも民主主義もない。いや、憲法に定める国民主権、基本的人権の尊重、平和主義そしてそもそもの民主主義を守るために、沖縄を人身御供として米国に差し出した。そしてその状況は改善されるどころか、さらに悪化している。

 日本は沖縄が復帰すべき祖国ではなかった、と喝破した先人先輩たちがいた。

 私たちは、今一度先人先輩たちの思想に還るべきなのかもしれない。

 5月1日の県、宜野湾市、沖縄防衛局による4回目の立入調査。土壌撤去後の残土採取が認められたというがまったく意味はない。PFOS等の汚染物質が検出されないのは当然だ。これで検出されれば、汚染が拡大、深刻な状況であることを意味する。

 そもそも、汚染していようがいまいが、普天間基地返還にあたり、米軍には原状回復義務はない。義務を負うのは土地を賃借している日本政府だ。米軍が土壌採取を拒否する理由はない。日米合同委員会において土壌採取を拒んでいるのは日本政府ではないか。そう思えて仕方がないのだが。

防衛大臣記者会見(令和2年4月24日 クリックで同省HMへ)
1 発表事項 ・・・4月10日に発生した普天間飛行場における泡消火剤の流出事故に関して、本日の朝9時から、防衛省沖縄防衛局が、外務省沖縄事務所、環境省沖縄奄美自然環境事務所、沖縄県及び宜野湾市による立入りの実施を行っております。環境補足協定第4条に基づくものであって、アメリカ側が行う格納庫周辺の土壌入れ替え作業の立ち合いを行うということでございます。・・・
2 質疑応答
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Q:普天間のPFOSの立入りの件ですが、沖縄県は土壌のサンプルの調査を求めていると思いますが、今日それはできるのでしょうか。
A:PFOSの泡を含む水がなだれ込んできたというのでしょうか、流れた土壌ですからPFOSを含んでいるのは間違いないと思います。今、我々としては、エプロンの反対側の芝のところ、そこにPFOSを含んだ水が流れていないか確認をするための土壌のサンプリングということについて調整をしている、そういう報告を受けております。

Q:PFOSの関連ですが、協定では米軍の運用に支障がない限り、とついていますが、今、立入りをする中で、本当は日本がこうしたい、あるいは沖縄県側はこうしたいのに米軍の事情で認められないといった支障はあるのかないのでしょうか。
A:少なくとも水のサンプリングは指定した3ヵ所をやったというふうに思っております。まだ土壌のサンプリングということを調整しておりますので、今の時点で特に何とかということではないと思いますが、タイミング的にはもう少し早くてもいいのかなと、それは向こうの運用の問題もあるでしょうから、一段落したところでしっかりレビューしたいと思います。

Q:今のところは日本側が要望している内容については、できているということでしょうか。
A:水については採ったものを日米で半々にして、また国、県、市でそれを分けてそれぞれやっておりますので、特に今のところはいいのではないかと思います。

Q:普天間の関連ですが、米側としては汚染の可能性があるから格納庫周辺の土壌入れ替え作業を今日するということのようですが、一方で、原因究明をする場合、日本側にとって土壌を入れ替えられてしまえば、日本側としては追及しようがないという懸念はないでしょうか。実際、米側の原因隠しではないかという指摘も上がっているようですが、大臣の受け止めをお願いします。
A:今日入れ替えているところは、PFOSを含む水が流れたところですから、これは汚染されているのは間違いないわけで、今、米側がやろうとしているのはなぜ消火システムが作動してしまったか、なぜ格納庫の扉が閉まっていなくて外へ出てしまったか、そのシステムの問題についての調査をやってもらっておりますので、原因究明についてはそれが出た上で日本側としてしっかり精査したいと思っております。問題になっているのは排水溝の中に水が流れ込んで外へ出てしまった、そこの水のサンプリングはやらせてもらいました。問題は、排水溝に水がなだれ込んだから、反対側の芝にはPFOSを含んだ水がいってないよというところを確認するための土壌のサンプリング、これはやる必要があるだろうと思っておりますので、今、調整をしているところであります。

Q:そうしますと、今回、米側が入れ替えた土壌に関しては、改めて求める予定はないということでしょうか。
A:これは要するに上を水が流れておりますから、下に染み込んでいるのは間違いない訳で、どれくらい染み込むものかという科学的な調査というのはやった方がいいのかどうか、環境省とも相談をしてみないとと思います。検査をするまでもなく、PFOSを含んだ水が流れていますし、どれくらいのPFOSの濃度だったかというのは水のサンプリングをやってわかっていますので、特に絶対必須ということではないのかもしれませんが、どれくらい染み込むのかどうかとですね、そういう環境的な要素があるかどうか、これは環境省と相談だと思います。

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Q:普天間の件でお伺いしますが、今日土壌の入替え作業がされていますが、この入れ替えた土壌の保管先は決まっているのでしょうか。
A:承知しておりません。
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posted by 福地行政書士事務所 at 15:00| PFOS等汚染問題