不在者財産管理人の選任は家庭裁判所が行い、財産管理人の監督も選任した家庭裁判所が行います(民法25〜29)。報告書の提出についてもその管理権限に基づいて、裁判所から求められるわけです。具体的な内容については家事審判規則(31条以下)に規定されています。
1 財産管理人の業務は以下の場合に終了すると考えられます。
(1)不在者の出現
(2)失踪宣告等による不在者の死亡の確定
(3)管理財産の消失
2 財産管理を終了するにあたって財産管理人に求められる業務はつぎのことが考えられます。 (1)不在者の出現:この場合は管理財産を出現した不在者に引き渡す
提出する書類としては、
①引渡状況を書面にまとめた管理終了報告書
②引渡したことを証するために、引渡財産目録、受領証等の書面を添付
(2)失踪宣告等による不在者の死亡の確定:この場合には、管理財産は相続人に引渡す
提出する書類としては、
①引渡状況を書面にまとめた管理終了報告書
②不在者の死亡が確定したことを証する除籍謄本等
③相続人であることを証する戸籍謄本等
④引渡したことを証するために、引渡財産目録、受領証等の書面を添付
なお、財産管理人の監督者は選任家庭裁判所ですから、個々の事例においては当該家庭裁判所の指示に従わなければなりません。したがって、不在者の出現、失踪宣告等による不在者の死亡の確定等の事例が発生した場合には、選任家庭裁判所に連絡することが必要です。管理人報酬等の支払いにより管理財産が無くなるような場合には管理報告書のみの提出で足りることも考えられますので、不明な点は当該家庭裁判所に確認することになります。
【管理終了報告書の例】(あくまでも例示ですので詳細は家庭裁判所にご確認ください)
財産管理終了報告書 不在者△△に関する財産管理業務を終了しましたので報告します。 |