経済再生担当大臣 TPP担当大臣/甘利明 経済産業大臣/茂木敏充 東京大学大学院教授 経済財政諮問会議議員/伊藤元重 埼玉大学大学院客員教授/水野和夫 経済ジャーナリスト/荻原博子 甘利明 これを受けて党内でも首相一任取り付け。参加4カ国は3年前から交渉。主要国も2年前からすでに交渉している。終局点ではない。これからが国益かけた交渉になる。 伊藤元重 TPPは、単にアジアの交渉ではなく、EU等との交渉も視野に入っている。日本にとって、TPP不参加はあり得ない 水野和夫 かつてのグローバリゼーションの声の中で金融規制かなくなりバブル崩壊。グローバリゼーション拡大はマイナスが大きい。TPP参加は慎重であるべき。 荻原博子 政府データがバラバラ。統一見解出たが将来像なし。 水野 10年後の試算。0.6%の押上少なすぎる。参加必要の成果なし。 茂木敏充 アジア太平洋の今後のルールの土台作りになる 伊藤 TPP参加で10年後10兆円の試算あり。3兆円は最小の評価。 荻原 細かいところが分からないのが問題。前原が質問で車・保険の米国からの強い要求があって不参加との指摘があったが野田首相は回答なし 茂木 民主党は党内がまとまらなかったのが原因では。野田政権での1番の問題は米国に農業分野でセンシティビティ(神経過敏、感受性)を認めてもらうことができなかったのが原因ではないかと思う。 甘利 大事なのは、日米首脳会談で、日本にも米国にもセンシティビティがあるということを文書で確認したということ。双方に弱みはあるということを双方が確認したことが重要。 茂木 センシティビティは日本は農業分野、米国は工業分野だと確認し、これから協議する。工業製品は関税零が基本。数値目標は受け入れられない。WTOルールは守る、安全規制は守る。 水野 認められればいいが。企業成長しても給与増加・雇用拡大に結びつかない。 【自民党提示条件 米など農林水産分野5品目関税撤廃の例外を最優先。不可なら脱退も辞さない】について 甘利 極めて国益損なうような場合は不可。合意するためには国会での批准も必要。始める段階からやめる議論はどうかな。 伊藤 米国も同じで、国内世論が背景にある。 荻原 食の安全等の基準が気にある。聖域を守るためには何かを差し出すことになるが、心配だ。 茂木 安全を犠牲にするようなことはない。農業・社会保障・租税自主権は守る。ただ高いレベルの経済連携交渉を実施するので全体の関税は下がることになると思う。 甘利 TPPは表は経済連携だが、アジアから東アジアへの安全保障の役割も果たす枠組みになっていると考えられる。東アジアの不安定要因を取り除きそれそれの役割を果たすルール作りになる。それに日本が参加する・しないの判断もある 伊藤 TPP参加表明と同時に中国・韓国が目を向ける。今後の中国・韓国の様子は注視すべき。 【アベノミクス 円安・株高等について】 水野 円安・株高はマーケットの期待に働きかけるには成功。実態経済に比例してマネーが多い。過剰期待が織り込まれている。 甘利 日本企業への評価が戻った。株価上昇に実体経済が追いつくことが必要。 荻原 いざなぎ景気でも、非正規拡大、国民位実感なし 茂木 現在賃上げが進んでいる。 伊藤 横並び。日本らしい。うまくいけばいい。 水野 2002年〜07年の景気回復時、大企業の賃金上昇しても、中小企業なし。今回総理の宣伝効果か。しかし、景気は変わっていない。 【賃金格差について】 甘利 余力のあるところが金を使わなければ全体に行き渡らない。今、その最初をやり始めた。デフレ脱却、種火にひをつけた。企業は設備投資、市民は物をを買う。これが景気回復につながる。 荻原 円安の国民影響。ガソリン10円上がる。電気、小麦等も上がる。物価上がっているが、低所得者は使うお金がない。 伊藤 デフレマインドからの脱却が必要。 茂木 原油価格は下がっている。原発停止輸入増大。 水野 貿易赤字。円安影響は国民全体。円安利益は大企業に利益のみ。 茂木 中小へのしわ寄せ脱却のためにはデフレ脱却必要 【原発再稼働について】 甘利 原発停止により、あらたな原油エネルギー調達が増える。輸入超過。貿易赤字増大。国際基準で安全を確認し、安全なものは動かす。国民生活を守る。国際スタンダードを適用することが大事。 茂木 新しい安全基準が7月できる。これに基づきチェックし、安全が確認できれば設置者である個々の電力会社が動かすことができることになっているので、動かす判断をすることになると思う。 荻原 これまで安全といわれて、ダメだった。日本は成長戦略というのであれば新しいエネルギー分野を拡げることが必要。 茂木 これまでの基準とは違うあらたな基準を作る。他のエネルギー分野開発も進めている。 伊藤 代替可能エネルギーは、重要。再生エネルギ、分散エネルギ、発送電分離、スマート分野を拡げる等が重要 水野 成長戦略に必要なのはエネルギー分野。デフレ脱却にサイドブレーキを引いているのはエネルギー高騰だ。消費需要を弾力的に抑える。無駄な使い方をしている。無駄な消費を抑えることが必要だ。 甘利 6月の安倍内閣成長戦略の骨格については、ロードマップが大事。少子高齢化問題が解決されればその解決マップの輸出等、現在の問題解決が将来の解決ソリューションとなり得る。海外輸出技術になる可能性がある。現在そのパッケージを作っている。 荻原 国民全体が成長する戦略が必要。 伊藤 日本全体がリスクを取らなくなった。日本全体として体力があると認識することが必要。 水野 「成長」という言葉を使うこと自体が陳腐化していると思う。理由は、一人あたりGDPと幸福度の関係を考えると、60ヵ国以上を見てみると、3万ドル以上のGDPを持つ国はそれが6万ドルになっても幸福度は変わらない。そこで日本を見てみるとGDPが上がっているときも、下がり始めた時も不満度は高まっている。日本での問題は、国民一人あたりのストック度は国連の調査で世界1位。身の回りでは物があふれている。したがって新たな付加価値をどうするかではなく、既存のストックどう活かし、活用していくか、余っているものをどう有効利用していくのか、という意味での成長戦略を考えるべき。 茂木 付加価値をつけて企業収益をあげていく、そして、全体の収益を上げていく。日本全体の価値を上げていくことが必要だ。そのためには新しく伸びていく分野に投資、若い労働力移動を可能にする必要。 甘利 日本が動いているということを国民が実感できることが大事。到達点は10,15年先。途中経過を示すことが大事。 |