強制執行手続で現金を差し押さえることができると聞きましたが、可能でしょうか
【質問】
売掛金を支払わない相手に対し、少額訴訟を提訴し勝訴判決を得ました。しかし、相手はいっこうに支払う様子がありません。相手は食堂を営んでいるのですが、強制執行手続で現金を差し押さえることができると聞きましたが、可能でしょうか。
【回答】
可能です。相手に対する判決を使って食堂の売上金を差し押さえることができます。但し、差押え可能な金額に制限があります。民事執行法は、世帯の2月間の必要生計費を勘案して政令で定める額、については差し押さえを禁止しています。これを受けて民事執行法施行令第1条は「政令で定める額は、66万円とする」としています。
したがって、売上金があったとしても差押可能な額は66万円を超える部分となります。仮に66万円に満たなければ差し押さえはできないことになります。
参考条文
民事執行法(差押禁止動産) 第百三十一条 次に掲げる動産は、差し押さえてはならない。 一 債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具 二 債務者等の一月間の生活に必要な食料及び燃料 三 標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭 |
民事執行法施行令(差押えが禁止される金銭の額) 第一条 民事執行法(以下「法」という。)第百三十一条第三号(法第百九十二条において準用する場合を含む。)の政令で定める額は、六十六万円とする。 |