名護市長選:許すな!石破自民党幹事長「名護振興500億円基金」発言〜その問題点〜
3日戦争に突入した名護市長選挙。16日、名護市内で演説した石破自民党幹事長は「名護振興500億円基金」創設を検討していることを明らかにした。
以下は本日付沖縄タイムス紙からの抜粋である。
自民党の石破茂幹事長は16日、名護市内で演説し、名護市に特化した振興活性事業として500億円の「名護振興基金」の創設を検討していることを明らかにした。19日投開票の名護市長選に立候補している前県議の末松文信氏の応援演説などで述べた。現職の稲嶺進氏が当選した場合も基金を創設するかどうかは、回答を避けた。 |
石破氏の発言には多くの問題点がある。以下指摘する。
①公職選挙法違反
公職選挙法221条に規定する、該当する可能性が高い。221条1項2号は違反行為として「当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人・・に対しその者又はその者と関係のある・・市町村等に対する・・寄附その他特殊の直接利害関係を利用して誘導をしたとき。」と定めている。石破幹事長発言は名護市長選挙での特定候補者応援演説において、名護振興基金の創設を検討している、と発言している。明らかな利益誘導だ。
公職選挙法221条 次の各号に掲げる行為をした者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。 ・・ 2 当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対しその者又はその者と関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の直接利害関係を利用して誘導をしたとき。 |
②石破幹事長発言は、同基金創設は、「末松氏の政策ビジョンを支えるものである」と発言している。特定候補者の「当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的」であることは明白だ。
③この発言を受けて、菅官房長官は、基金創設にあたっては既に予定されている予算の衣替えで対応すると発言している。つまり、誰が市長になっても当然に交付されるべき予算枠の中で処理するというのだ。新たに予算措置ではないということ。あたかも特定候補者の手柄でもあるかのように発言するのは、選挙民を惑わす行為であり、詐欺行為に等しい。
以上のとおり、石破幹事長の「名護振興500億円基金」発言は、新しい予算措置ではなく既存枠の中でやりくりされるに過ぎない点で詐欺行為に等しいものであり、選挙人の誤解を利用して利益誘導しようとしている点において公職選挙法違反に該当する可能性がある、と言わざるを得ない。