2014年03月15日

「川内原発再稼働見通し」記事の傍で九州・四国・中国地方で大きな地震の記事〜早く再稼働しないと地震が来るぞ、とでも思っているのだろうか?〜

 原子力規制委員会が、九州電力の川内原発の適合審査を優先して進めると発表した。

 川内原発地元の岩切川内市長は、13日の記者会見で「大きな山を一つ越えた」、「日本で一番安心・安全な原子力発電所と理解している」と発言したという。

 福島原発事故原因の究明もなされないまま、かつ汚染水の漏えいが止まらず原発事故処理の見通しもないままの原発再稼働である。まったく理解できない。

 さらに、14日午前には九州・四国・中国地方で最大震度5強(愛媛県)の地震が発生した。  

 ≪早く再稼働しないと地震が来るぞ。今度地震が来たら再稼働できないぞ。≫ とでも思っているのだろうか?

 新聞報道によれば、電力会社の赤字を改善するためには原発再稼働しかない、ような記述がみられるが果たして、本当にそうだろうか。

 九州電力の瓜生道明社長は、原発が動かないなら「再値上げを検討する必要がある」と発言したという。しかし、電力事業は専売事業であり、値上げしたところで九州電力管内の利用者が九州電力から電気を買う以外にない。競合事業者がいない意味において料金値上げが九州電力の経営に影響を与えることはなさそうだが。

 しかし本質的な問題はそこにはない。

 問題を表出しているのが、原発地元の岩切川内市長の13日の記者会見での発言だ。

 「日本で一番安心・安全な原子力発電所と理解している」

 安倍首相の連呼する、原発神話がここでも亡霊のように頭をもたげてきた。岩切川内市長は安心・安全な原子力発電所とは断言していない。福島原発事故の原因究明がなされず、しかも事故の終息見通しさえ立たない状況を目の当たりにしているからがこそ、断言できず、そう思いたいと願望を述べているにすぎない。

 地域の安心と安全を預かる政治家として、極めて無責任、というしかない。

 脱原発こそが、日本の進むべき途だ。

以下は3月14日付朝日新聞からの抜粋だ。 

 九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)が13日、原子力規制委員会が優先して審査する原発に選ばれた。手続きが順調に進めば今夏にも再稼働する見通し・・。

 規制委の田中俊一委員長は13日の記者会見で「地震、津波で川内はクリアできた。(他の原発は)いろいろな指摘に対してきちっと進んでいない」と話した。

 昨年7月に施行された原発の規制基準は、東京電力福島第一原発事故を受けて厳しくなった。原発の敷地とその周辺の断層の評価や津波の想定も厳しく審査されることになった。

 川内は敷地内に問題となる断層を抱えておらず、他の原発に比べて敷地周辺にも大きな揺れを引き起こす活断層が少ない。敷地の標高も13メートルと高く、新たな防潮設備を造る必要が無く、立地条件で有利だった。

 基準が厳しくなったのを受けて、耐震設計のもとになる基準地震動を引き上げれば、追加の工事などが必要になるおそれが出てくる。早く再稼働したい電力会社は、川内も含めて新基準ができる前と同じ揺れの想定で審査を申請した。

 その結果、規制委は各原発の揺れの想定を引き上げる必要性を指摘。審査で基準地震動の策定が難航した。川内は想定を2度見直すことで基準地震動が定まった。だが、それ以外の原発はまだ定まっていない。

 川内以外に審査が進んでいた四国電力伊方原発(愛媛県)は、敷地近くの活断層が動いた場合の揺れの影響評価に時間がかかっている。関西電力大飯、高浜の両原発(福井県)も、地震が起きる場所の深さをめぐって議論が長引いている。

 規制委は今後、川内の審査に他の原発の審査にあたっている職員を投入する。他の原発の審査も続くが、影響が出るのは必至だ。 

 ■被災者「再稼働なぜ急ぐ」

 「大きな山を一つ越えた」。川内原発の地元、鹿児島県薩摩川内市の岩切秀雄市長は13日、記者会見で語り、「日本で一番安心・安全な原子力発電所と理解している」と持ち上げた。

 鹿児島県の伊藤祐一郎知事は「6月議会までに(再稼働を認める)議決を終えたい」などと前のめりの発言を続けてきたが、この日のコメントは「県としても審査の動向を注視していく」。県は再稼働についての住民説明会を計3回開催する費用として1200万円を新年度予算案に計上。規制委の審査終了後、薩摩川内市など2市で説明会を開いて理解を求めていく。

 再稼働を前に「地元」の同意が焦点になる。伊藤知事、岩切市長のいずれも、県と薩摩川内市の首長と議会の同意があれば足りるとの考えだ。これに対し、同市を除く原発の半径30キロ圏の8市町のうち4市町の首長は朝日新聞のアンケートに、「地元」として自分たちからも同意を取るよう求めているからだ。

 一方で、関西電力の大飯原発3・4号機、高浜原発3・4号機を抱える福井県の西川一誠知事は13日、報道陣に「原子力規制委員会には、審査の明瞭性やスケジュールなどの課題がある。よく国民にわかるようにしないといけない。どこがなぜ早くなったのか、どこがなぜ遅れるのか」と不満をあらわにした。

 「原発ゼロ」から再稼働へ向かう動きに、東京電力福島第一原発事故で避難生活を余儀なくされた人々は不信を募らせる。

 福島第一原発から約3キロの所に自宅がある福島県大熊町の鎌田清衛さん(71)は「福島では原子炉の中の様子がわからず、汚染水問題など危機が続いている。どうしてほかの場所で安全と言い切れるのか」。梨農家の鎌田さんは今、自宅から約50キロ離れた同県須賀川市で避難生活を送る。「(原発事故から)3年になるが、これからどうなるのか全くめどがつかない。私たちのような人を絶対に出さないためにも慎重な判断が必要だ」

 住民をどう守るのかも課題だ。朝日新聞のアンケートでは、原発から30キロ圏の134市町村のうち4割で原発事故を想定した避難計画ができていなかった。

 「なぜ急ぐのか」。福島県浪江町から東京都江東区に避難している藤田泰夫さん(61)は言った。立地地域の住民が再稼働を願うことを頭ごなしに否定はできないが、「我々は事故で暮らしを奪われ、人生を狂わされた。やみくもに再稼働に向かうのではなく、福島の実情に目を向けてほしい」。 

 ■九電、新年度黒字化も 先見えぬ東電・中部電

 規制委の審査を受けている10原発17基のうち、九電などの原発は再稼働の道筋が見えてきた。安倍政権は「川内原発は地元の理解が他のところと比べても進んでいる」(幹部)とし、ハードルが低いとみる。

 川内が優先審査に選ばれたことに九電幹部は「一息つける」。川内が動かないことで余計にかかる火力発電の燃料費は、月約200億円。2013年度は1250億円の純損失になる見込みだが、14年度は川内を半年動かせば黒字化する可能性もある。瓜生道明社長は、原発が動かないなら「再値上げを検討する必要がある」と繰り返してきた。川内が再稼働へ前進したことで「再値上げの議論は当面、見送り」(幹部)という。

 昨夏に九電と同時に申請しながら、優先審査に漏れた関西電力の幹部は落胆する。「ショックどころじゃない。我々の完敗だ」

 関電は2年連続で2千億円以上の最終赤字を計上し、13年度も980億円の赤字になる見通し。黒字化には福井県にある大飯、高浜の2原発4基の再稼働が必要とし、夏前には動かしたい考え。九電に先行されて難しくはなったが、川内に続き優先審査に入ることに望みをつなげている。

 一方で、東電の柏崎刈羽原発(新潟県)や中部電の浜岡原発(静岡県)は活断層の疑いがあったり、地元の反発が強かったりして、再稼働の見通しは立っていない。東電幹部は「原発が動き出す手続きが進んだことは歓迎したい」としつつ、「川内とは地元の理解などで違いも多く、すぐに柏崎刈羽の再稼働にはつながらないだろう」と話す。

posted by 福地行政書士事務所 at 14:00| 脱原発〜日本の進むべき途〜