安倍首相の示した憲法解釈による集団的自衛権容認の方向性の欺瞞②〜他国の紛争に巻き込まれる危険性〜
これまで政府が、憲法上「集団的自衛権」を認めないとしてきたのは、「集団的自衛権」行使の名の下に行われる武力行使により、他国の紛争に巻き込まれる危険性があり、自衛権を超える武力行使につながる恐れがあるからだ。
この点について安倍首相は「「日本が再び戦争をする国になるといった誤解があります。しかし、そんなことは断じてあり得ない。日本国憲法が掲げる平和主義は、これからも守り抜いていきます。」と強弁するだけで、国民の理解を得る説明は一切なされていない。
日米の軍事力を比較すると、2.8対37(2013ストックホルム国際平和研究所資料から)だ。13倍以上の体力差のある関係で、日本の自衛隊が米軍の艦船を守ることができるのか。不可能だ。できるのはともに戦うことだけだ。それも米軍の補完的役割を担うに過ぎない。「集団的自衛権」の正体は守ることではなく、米軍と一体となって戦うことだ。安倍首相は「限定的集団的自衛権」と表現するが、その正体は米軍とともに「地球の裏側」で戦争することに他ならない。