埋立工事のための辺野古沿岸海域の漁業制限区域拡大は許されない!!!
普天間飛行場の辺野古移設工事に関し、国は工事予定海域の漁業制限水域を拡大して、移設反対運動の排除を計画していることが明らかになった。以下は2014.5.30付琉球新報からの抜粋だ。
普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画で、政府が進めている移設予定地周辺での漁業制限水域の拡大の概要が分かった。制限水域は漁船操業制限法に基づいており、現在は常時操業を禁止する第1種区域は沿岸から50メートル沖までだが、沿岸から最大約2キロまでと大幅に拡大する。7月に予定する海底ボーリング調査開始に向け、立ち入り制限区域を広げることで移設に反対する住民らの調査現場への進入を防ぐ狙いがあるとみられる。 |
今回の制限水域拡大計画は、漁船操業制限法(正式名称「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊の水面の使用に伴う漁船の操業制限等に関する法律」)に基づくものとされているが、以下のとおり多くの疑問があり、漁業制限区域の拡大は許されない!!!
【疑問点】
①制限の要件について
同法第1条は、「アメリカ合衆国の陸軍、空軍又は海軍が水面を使用する場合」と規定している。つまり、制限や禁止が設定できる場合は、米軍が使用する場合ということになる。今回の工事は埋立のための、沖縄防衛局発注の事前調査であり、米軍の使用という要件そのものを欠いている。
②制限海域への工事業者の立ち入り
同法第1条は米軍が使用するために他者の使用制限・禁止を規定する。したがって、制限海域への立ち入りは米軍が使用するための米軍関係者に限られる。今回の工事は沖縄防衛局の発注工事である。仮に制限したとしても、米軍使用のためとは言えず、工事関係者は立ち入れないことになる。
③損失の補償
同法3条は損失補償について規定しているが、漁業制限水域を拡大により損失を受けた者はその補償を請求できる。この規定によって、近隣漁業組合の一部は、早々に制限に同意した。法制定の趣旨が逸脱した、沖縄防衛局の懐柔策として利用された可能性がある。
【参考】抜粋 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊の水面の使用に伴う漁船の操業制限等に関する法律(クリックで電子政府法令検索ページへ飛びます) (漁船の操業の制限又は禁止) (損失の補償) (損失補償の申請) |