爆音訴訟原告らの被害救済は司法による救済以外にはない〜米州空軍F16戦闘機の嘉手納基地への暫定配備に抗議し、即時撤去を要求する抗議要請行動(対沖縄防衛局)より〜
今日、2月6日、第三次嘉手納基地爆音差止訴訟原告団嘉手納支部は、沖縄防衛局(森企画部長対応)に対し、米州空軍F16戦闘機の嘉手納基地への暫定配備に抗議し、即時撤去を要求する抗議要請行動を行った。
抗議要請行動では、以下の4項目について要求した。
1.米州空軍所属F16戦闘機の暫定配備計画をやめ、配備中のF16戦闘機を即時撤去すること。 2.嘉手納基地の機能強化をやめ、「爆音防止協定」の遵守、爆音軽減を確実に実行すること。 3.外来機の嘉手納基地への飛来をやめること。 4.F35戦闘機等の常駐化をはかる配備計画を撤回し、嘉手納基地の具体的な負担軽減を実施すること。 ※抗議要請書は以下のとおりクリックで拡大
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以下は、交渉の中での沖縄防衛局とのやり取りである。
【沖縄防衛局】 ①嘉手納基地から派生する爆音によって、嘉手納基地周辺住民に負担をかけていること、さらに、夜間・深夜まで爆音被害が発生していることは認識している。 ②このような負担を軽減するために、米軍の訓練移転や平成8年の日米合同委員会で合意された規制措置(騒音防止協定)の遵守を米側に求める等している。 ③米側も、騒音防止協定の重要性については認識していると承知している。 |
しかしながら、沖縄防衛局も認めているとおり、米軍は、夜間・深夜でも飛行するなど、米軍は、騒音防止協定を無視しているのが現状である。この点について2010年7月30日普天間爆音訴訟控訴審判決で福岡高裁那覇支部は次にように厳しく指摘している。
これに対し、被告は、米軍に運用上の必要性について調査・検証をもとめるなど、平成8年規制措置(HM注記:騒音防止協定)を遵守させ、これを実行あるものにするための適切な阻止をとっていない。そのため、成8年規制措置は、事実上、形骸化しているといっても過言ではない。 |
沖縄防衛局に対して、調査・検証を求めるべきだと指摘したところ、以下のように回答した。
【沖縄防衛局】
④米軍に対し、航空機の運用について照会しても、軍の機密にあたるとして、米軍は回答しない。
⑤したがって、福岡高裁那覇支部の言う調査・検証はできない。
⑥米軍は、騒音防止協定を遵守していると認識している。
騒音防止協定違反の米軍機運用実態を前にして、調査・検証もできないのに、遵守していると認識していると言ってのける沖縄防衛局の態度は矛盾だらけだ。
これらの事実は、爆音訴訟において、裁判所が国に対して、いくら矛盾を指摘しても国自体が原告の爆音被害救済の施策が取れないことを示している。
米軍基地爆音訴訟において、原告らの爆音被害救済は司法による救済以外には手段がないことが明らかになった。