取消条件は整った。翁長知事は、早急に、埋立許可の取消しを!〜沖縄県の辺野古海底調査を非難する中谷防相発言から〜
沖縄県は、26日に実施した大浦湾海底調査の結果、沖縄防衛局が設置したコンクリートブロックがサンゴ礁を破壊している場所を1カ所確認した、と発表した。
これに対して、中谷防相は27日の記者会見で「一方的に現状調査を開始し、また、許可なく臨時制限区域内での調査が行われたということは、甚だ遺憾」と発言した。まったくの言いがかりだ。
許可権者は沖縄県知事だ。知事からの工事の停止要請、報告書の提出、制限区域内調査における立入許可への配慮等を求めたのに対して、沖縄防衛局は、まったく誠意ある対応を見せなかった。業を煮やした沖縄県が制限区域外での調査に踏み切ったのだ。
中谷防相は会見の中で「沖縄県からのその調査の詳細について同県に問い合わせをしていた」と述べている。これもはお門違いだ。
許可賢者である沖縄県が、コンクリートブロックが岩礁破砕許可区域外に投入された恐れがあること、さらに同ブロックがサンゴを破壊している恐れがあるために調査するとしたのである。許可条件違反有無についての調査である。沖縄県の調査自体について沖縄防衛局の許可が必要であるかのような認識を示しているのは、本末転倒だ。
さらに、中谷防相は、サンゴの破損については、明確に否定できず、さらに、「環境等も当方のやり方でやっておりまして」と発言するばかりで、環境保全という言葉さえ明確に使用できないのが現状だ。
事業者である沖縄防衛局の許可条件違反の数々、さらに沖縄県調査等への不誠実な対応等からすれば、すでに許可取消しの条件は整った。
翁長知事は、早急に、許可の取消しを行うべきだ。
平成27年2月27日防衛大臣会見概要(防衛省HM(クリックで同HMへ)より抜粋) Q:ちょっと話が変わるのですけれども、沖縄県の普天間基地の移設問題ですが、昨日の現地調査で、許可の区域外でサンゴがブロックによって損傷されていたという暫定的な結果が出されているのですが、この点についてどのようにお考えですか。 A:これの経緯を説明しますが、まず、アンカーの設置は、沖縄県との調整を経てやってきたわけでございますが、沖縄県から現況調査を実施する旨の通知が突然送付されてきたことから、沖縄防衛局は、文書でこの提供施設区域内への立入許可手続きの実施が必要であるということを伝えるとともに、沖縄県からのその調査の詳細について同県に問い合わせをしていたところでございます。にもかかわらず、この文書に関して、沖縄県から何ら回答がない中、昨日、同県が一方的に現状調査を開始し、また、許可なく臨時制限区域内での調査が行われたということは、甚だ遺憾であるというふうに思っております。 Q:沖縄県の調査が遺憾だというのは分かったのですが、内緒で調査した結果、許可の区域外でブロックによってサンゴが損傷されたという結果が暫定的ではあるものの出されているのですけれども、こういうことは絶対ないというふうに、許可の区域外でサンゴがブロックによって損傷されることは絶対ないというふうにお考えか。それとも、それを受けて、改めて事実関係を確認するのか、その辺はどのようにお考えですか。 A:この浮標及びブロックに関する工事というのは、事前に沖縄県に断ってやってきております。そこで、環境への考え方でありますが、このブロックの設置場所の選定に当たっては、この環境の影響を回避する観点から、サンゴ類の生息状況を予め調査した上で工事をいたしました。この考え方は、昨年6月に潜水調査を行いまして、被度5%。これは、サンゴの占める割合が5%を超える、また、長径1mを越えるサンゴ塊を避けるようにアンカーの設置位置を決定しております。そういう基準で工事を実施しているということです。 Q:すると、許可外でサンゴが損傷されたという可能性は全然ないと。 A:この基準が、ただいま申し上げましたとおり、被度5%を越えるサンゴの群落の他、長径1mを越えるサンゴ塊、これを避けるように設置位置を決定して実施したということです。 Q:翁長知事はやはり、「この調査を受け入れるように」というふうなことを主張されているわけですが、やはり継続して進めていきたいというふうにお考えでしょうか。 A:我々としては、県から事前に、この工事を行うということについて許可をいただき、その基準も環境に配慮しつつ実施をいたしておりますので、今後ともそれぞれの手順に従って、一番大事なのは、一日も早く辺野古の危険性を除去するために、普天間の工事が進捗して完成することでございますので、一日も早い普天間の危険性の除去のために、全力を尽くしていきたいと思っております。 Q:今の話に関連してですが、今、大臣は、「沖縄県の一方的な調査について遺憾だ」というようなお話があったのですけれども、沖縄県の翁長知事の方は、調査の手続きを巡って、防衛局の回答や対応が不誠実だというようなことを受けて、それに伴って、「岩礁破砕許可申請自体を取り消す可能性が大だ」ということまで会見の方では言及しているのですが、その辺りは大臣としてどうお考えでしょうか。 A:沖縄県からの文書をいただきましたけれども、それに対する回答も文書でいたしましたし、また、ブロック、アンカーの位置の場所とか、また海底の現況等は写真でお示しを致したところでございます。その上で、今回、このような県が独自に調査をされたというのも、やはりしっかりと手続きを踏んでやっていただきたいと思っております。 Q:その手続きの段階で、何か沖縄防衛局と県との間で意思疎通ができていないというか、県の方は対応が不誠実だというようなことをおっしゃっているわけなのですけれども、防衛省としては、県が対応が不誠実だといっているようなことに対しては、どうお考えですか。 A:アンカーの設置、また浮標については、二度三度、沖縄県の当局の方に「こういうことを実施しますが、いかがでしましょうか」ということで照会をして、「その部分は申請なく実施して良いですよ」という回答をいただいて実施を致しておりますので問題はないと。また、環境等も当方のやり方でやっておりまして、何ら指摘を受けることはないと思っております。 Q:今おっしゃったのは、アンカー設置に関しては、沖縄県との事前の協議の話だったかと思うのですけれども、沖縄県がおっしゃっているのは、県側が調査するに当たっての中での対応の行き違いがいろいろあったりとかしていて、それで昨日調査に入るというのはそういった背景があった訳なのですけれども、防衛省として、沖縄県が一方的に入ったということもあると思うのですが、なかなか意思疎通ができていない、現地の防衛局と県との間で。その辺りは、大臣はどう。 A:もう一度申し上げますが、そういった県側から現況調査を実施する旨の通知が突然送付されてまいりました。それに対して、沖縄防衛局が文書によって、「提供施設・区域内の立入許可手続きの実施が必要ですよ」と伝えるとともに、「沖縄県からのこの調査の詳細について、どういうことでしょうか」ということで県に問い合わせをしていたところでございまして、こういった回答がない中に、昨日、突然一方的に現況調査が開始されたということ。また、許可なく臨時制限区域内での調査が行われたということでございまして、これは、甚だ遺憾ではないかと思います。 Q:今後どのように対応されていくおつもりですか。 A:我々としましては、手続き等に従って行われているものと認識しておりますので、じ後の工事手順に従って、粛々と工事を進めてまいりたいと思っております。 |