仲井真前知事の埋立承認の取消しの条件も整った〜防衛省の環境監視等委員会軽視は条件違反だ〜
昨日、4月9日、普天間飛行場代替施設建設事業に係る第4回環境監視等委員会が開催された。中谷防相は、今日の記者会見で、同委員会について発言したが、以下の事実が明らかになった。
①防衛省は、環境監視等委員会に対して、設置されたアンカーが、最大で45tになるという説明をしてなかった。 ②委員から以下の意見が出された ・事務局と委員会は、より密接な情報共有を図ること ・議事要旨や資料の速やかな公表など、より透明性の確保に努めること ・昨年の秋の台風におけるサンゴの損傷事例から、サンゴ類への影響に対して、慎重であること ・配意することで、サンゴ類への影響、これを回避することが一層可能となるのではないか、と考えられること ・「今般のサンゴ類の損傷が、サンゴ礁全体へ及ぼす影響は少ない」といった意見があった一方で、「生態系の破壊につながるかどうかについては、決してプラスではない」という意見もあったということ ③アンカー設置そのものについての委員会での議論の結果について ・昨年秋の台風19号の通過に伴う、海藻やサンゴ類への影響等について討議をした結果、高波の対策として、委員会から、アンカーの重量といったハード面での指摘とか、また、事前に引き上げるなどのソフト面での対策も含めて、総合的に検討するような指摘がなされていた |
さらに、アンカーの設置について「防衛省が、45tになるということで委員会に諮らなかった、この決議自体に問題はあったかなかったか、という見解はどうでしょうか。」との質問に対しては「目的というのは、工事の安全性等の上でですね、台風がやってきて、事前にサンゴの損傷事案があったということで、この程度の規模にしたということでございますので、私としては、今後の沖縄県の気象、また、工事の安全性を考えて、その必要性があったものだと思っております。」と述べるのみで、記者の質問への回答していない。
さらに問題は、これまでの同委員会の議論において、「アンカーの重量といったハード面での指摘」があったにもかかわらず、重さ45tにもなる事実を同委員会に諮らなかった事実は、故意に知らせなかったとしか考えられず、その結果、珊瑚損傷の事態を発生させた防衛省の責任は重い。
そもそも、環境監視等委員会は、仲井真知事が埋め立て許可の条件とした環境保全を図るために設置された機関である。その委員会から、「この期に及んで」事務局と委員会は、より密接な情報共有を図ることや議事要旨や資料の速やかな公表など、より透明性の確保に努めること等々の要求が示されたということは、沖縄防衛局が同委員会に対して十分な情報提供を怠り、同委員会が機能していないことを示している。
以上の状況は、仲井真前知事が付した条件に違反することは明白であり、承認取り消しの根拠となる。
翁長知事の、埋立承認取消しの条件も整った。
中谷防衛大臣会見概要(平成27年4月10日)クリックで同HMへ 当該部分のみ抜粋 Q:昨日の環境監視等委員会で、辺野古のサンゴがですね、94群体、破損されていたことが報告されました。生態系への影響というのは大きくないとの認識でしたが、一方で、「もっと慎重に進めれば破損を免れた」との指摘もありました。大臣の受け止めをお願いします。 |