大義は沖縄にあり〜5月9日翁長知事と中谷防相会談 知事冒頭発言全文(5月10日付琉球新報より転載)〜

2015-05-10

 大義は沖縄にあり!!!

 5月9日の翁長知事・中谷防相会談の内容を見ると、そのことがさらに明らかになる。

 中谷防相は、最近の南西海域での緊急発進や中国による領海侵入をあげて、沖縄の国土防衛上の重要性を強調し、抑止力維持のためにも、普天間の危険性除去のためにも辺野古新基地建設が「唯一の解決策」だと発言する。これまでの、日本政府の主張のオウム返しに過ぎず、受け入れることなど到底できない。

 翁長知事も「辺野古に基地を建設するのは不可能」「辺野古の基地建設が途中で頓挫すること・・、そういう事態は全て政府の責任」と一蹴した。

 翁長知事の反論は明快であり、正に、沖縄の民意を代表するものだ。私が目を引いたのは次のくだりだ。

 2年前の参議院の予算委員会が超党派メンバーで来県した際、基地所在市町村首長との意見交換の場で、普天間基地の県外移設に関しての自民党議員の発言だ「本土が嫌だと言っているのだから、沖縄が受けるのは当たり前だろう。不毛な議論はやめようや」。

 沖縄に基地があるのは当たり前、沖縄は、永遠に本土防衛のための捨石、という発想だ。

 これに対して翁長知事は指摘する。

 「70年間は(基地を)預かってきたが、これから以降の70年間も(基地を)預かれと言っているのか。」

 辺野古新基地建設阻止運動に参加することに躊躇(ちゅうちょ)しているウチナーンチュ(沖縄人)がいるとすれば、このことに気づくべきだ。

 辺野古への新基地建設を許すということは、沖縄が、未来永劫、軍事基地の島と化することを意味する。

 辺野古新基地建設阻止は、沖縄の未来を造ることになるということを。

 沖縄は、沖縄の声を、挙げ続ける!!! 

5月9日翁長知事と中谷防相会談 知事冒頭発言全文(5月10日付琉球新報より転載)

翁長知事冒頭発言全文(中谷防相会談 5月10日付琉球新報)
 中谷大臣においては大変お忙しい中、意見交換をさせていただくことを感謝申し上げる。4月には菅官房長官、安倍総理とお会いさせていただき、いろんな話し合いをさせていただいた。本土の方々も注目していただき、ほとんどの中央メディアの世論調査で、国民の皆さんが平均して10%ほど多く新辺野古基地建設に反対だという世論調査が出た。本土と沖縄の理解が深まったことに、大変意を強くしている。中谷大臣とは私が那覇市長時代に自民党県連内で1時間ほど、これまでの普天間基地の県内移設、それからオスプレイ配備について議論したことを覚えている。平行線とはいえ、お互いの主張を確認して今後の議論の約束をしたことを覚えている。
 昨年暮れに中谷さんが防衛大臣に就任し、私が沖縄県知事に就任した。それぞれ、国と県の責任者として、またお会いできることを期待していたが、国会答弁やマスコミ報道等によると、大臣の方からは「今、話し合っても溝が深くなるだけだ」「日本の安全保障はどう考えているのか」「沖縄県のことは考えているのか」という私の方から見ると高飛車な発言が聞こえてきた。沖縄県民に寄り添ってご理解いただけるよう努力したいという政府方針とは程遠く、会えなかったことがさらに政府と沖縄の溝を深くしたのではなかいかなと思っている。
 普天間基地の5年以内運用停止の定義について、大臣は3月の安全保障委員会で「飛行機が飛ばないこと」と答弁した。しかし、4月24日に「幻想を振りまいてはいけない」とあっさり撤回して「仲井真知事と運行停止について、政府がやりとりした言葉であって、これが合意されたわけではありません」とも答弁している。5年以内の運用停止は前知事の埋め立て承認の大変大きな柱であり、前知事は官房長官も総理も約束したことが最高の担保だと言っている。空手形にならないようにぜひともしっかりと対応していただきたいと思っている。
 このようなことの積み重ねが、今日の日本国民全体で日本の安全保障を考え、負担すべきだという努力を怠って、戦後70年がたっても沖縄に負担させる。あるいは辺野古が唯一の解決策ということでしか日本の安全保障を語れない。そういった日本の政治の中で、沖縄があえぎ、苦しみ、そして自己決定権を強く主張するゆえんとなっている。
 2年前、参議院の予算委員会が超党派メンバーで来県して、基地所在市町村の首長と意見交換した。その席上、普天間基地の県外移設に話が及び、自由民主党の議員が大きな声でこう言った。「本土が嫌だと言っているのだから、沖縄が受けるのは当たり前だろう。不毛な議論はやめようや」。こういう国会議員と私はどうやって日本の安全保障を議論できるのかと、大変絶望感を感じた。
 あらためて申し上げるが、沖縄は自ら基地を提供したことは一度もない。全部、戦後、米国に銃剣とブルドーザーで強制的に接収をされて今日に至っている。海兵隊ももともと沖縄にいたわけではない。本土にあったものが60年、70年代に沖縄に移ってきたわけであり、これも私たちからすると経緯について大変不信感もある。自ら奪っておいて「普天間基地が老朽化したから、世界一危険になったから、新辺野古基地に移設をさせる」「嫌なら代替案を沖縄が出せ」というこの考え方のどこに、私から言わせれば、自由と民主主義、人権という価値観を共有する国々との約束を実現する資格があるのかどうか。沖縄の視点から見ると、大変強く感じる。日米の安保体制、日米同盟は私はもっと品格がある、世界に冠たる、誇れるものであってほしいと心から願っている。
 沖縄県は昨年一連の選挙、名護市長選挙、そして県知事選挙、衆議院全選挙区で新辺野古基地建設反対の候補者を当選させた。これが沖縄の民意だ。その中で中谷大臣に具体的なお願いが二つある。
 一つは沖縄県から見ると、どんなに米軍が事件・事故を起こして、その都度沖縄県や各市町村長、議会等が防衛局に出向き、意見や抗議をしても残念ながら防衛局に当事者能力がない。能面のように「この件は米軍に伝えたいと思います」と言うことがほとんどだ。日米地位協定の最前線にいるということはそういうことであり、沖縄だからこそこれが現実に見えてくる状況だ。
 私たちも他の都道府県の首長同様、子どものことやお年寄りのこと、そしてまたまちづくりのために全力を尽くして頑張りたいが、いかんせん基地に時間が割かれ過ぎる。私が知事に就任して約5カ月。8割、9割は基地だ。それ以外に経済も福祉も教育も触る時間がない。基地問題だけで私は今日まで知事職を全うしているのかなと思うぐらいだ。
 せめて事件が起きたら、防衛局長をはじめ職員が県や市町村に出向いて説明をし、私たちの意見も聞いてもらいたい。これは軍転協の首長さんがそろったときの席上で多くの方が言っていたので、ぜひこれはご検討いただきたい。
 それから二つ目は辺野古の岩礁破砕許可の関係で、コンクリート製構造物の設置状況に関する調査について、外務省北米局に速やかに立ち入り許可が得られるように依頼しているところだ。沖縄防衛局においても適切に対応していただくようお願いする。
 今日まで海上保安庁の船や防衛局の調査船、工事作業船が出入りできて、沖縄県の調査船が入れない。こういう状況が続いている。これはまさしく理不尽であり、見えないところで現状が変更されているのではないかという疑義さえ私たちに生じさせている。
 私は日米安保体制を理解している。私の政治の流れもそういうものであった。しかしながら、新辺野古基地が唯一の解決策だという考え方に日米両政府が固執すると、日米安保体制に大きな禍根を残すのではないかと思っている。
 先ほど来、沖縄がいかに日本の安全保障のために重要かという話があった。しかし、考えてみると70年間、冷戦構造時代も今日に至るまでも、いつも沖縄は重要な要だということで何ら変化はない。今、強調されたことも冷戦構造時代より本当にそれが脅威になっているのかどうか。安全保障に重大な危険性をもっているのかどうか。
 あるいはまたグローバルなこれからの安全保障、積極的な平和主義ということで、中東まで視野に入れての日米同盟、日米安保体制だが、その中でも沖縄が位置づけられるということになると、沖縄は一体いつまで世界中のそういったもので用立てなければ私たちは住んでいけないのか。この辺りのところが先ほどの説明でも現状はよく分かるが、過去はどうだったのか、先々はどうなるのか。70年間は預かってきたが、これから以降の70年間も預かれと言っているのかどうか。この辺のところが明確でないので、先ほどの説明をなかなか納得するわけにはいかない。
 私は辺野古に基地を建設するのは不可能であって、私どもも沖縄県としてこれは絶対に反対していきたい。このように思っている。このまま、日本政府が地元の理解を得ることなしに辺野古の基地建設が途中で頓挫することが起きることは、そういう事態は全て政府の責任だと思っている。防衛大臣のご尽力により、政府の新たな英断を心から期待している。かたくなな固定観念から脱して辺野古への建設工事等を中止することを決断し、そして私たちと話し合いを継続していただきたいと思う。
 私も(大臣が)言ったアジアの中における沖縄の在り方、そして日本の安全保障は日本国民全体で考えるべき、負担すべきだ。その努力を本土の政治家は本当に地元の方々に自分の命を懸けて、自分らで守ろうよとそういう話をしたことがあるのかどうか。参議院の予算委員会のメンバーの一人が「嫌だと言ってるのだから沖縄が受けるのは当たり前だろう」と言う中で、日本の安全保障を語ったら、私たち沖縄県民はそういった大きな宿命の中で生きていかなければならないのか。大変切ない、寂しい思いがある。ぜひ、この気持ちをご理解いただいて今後に生かしていければありがたいと思う。よろしくお願いします。

お問合せ・ご相談はこちら

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
090-8666-1195

沖縄県の中部嘉手納町で行政書士事務所を開設しています。日常生活の中で悩みはなかなか尽きないもの。しかし、どんな問題にも解決の糸口があるはずです。離婚、相続、遺産分割、遺言書の作成、建設業許可に関わる問題等々・・・。あなたのお悩みに最適な解決方法を提案します。
当サイトでは、まず、悩み解決に向けての情報提供ができればと考えています。問題の所在が分かれば、解決に向けての情報収集が必要です。その一助になればと考えています。参考にしていただければ幸いです。

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ

090-8666-1195

プロフィール

HM用縮小 DSC_1188.jpg

こんにちは、行政書士の福地義広です。あなたのお悩みに最適な解決方法を提案します。
登録番号  第08471847号
1960年(昭和35年)11月21日生まれ
家族:両親、妻、息子3人
プロフィールの詳細は代表者あいさつに掲載しました。よろしくお願いします。  

福地行政書士事務所

住所

〒904-0203
沖縄県中頭郡嘉手納町字嘉手納122-1

新着記事一覧

ページ一覧

フクチ義広後援会(29)
新型コロナウイルス感染関係(21)
PFOS等汚染問題(25)
沖縄差別の実態(25)
米軍の違反パラシュート降下訓練(16)
2.24県民投票(36)
沖縄の民意圧殺を許すな!!!~行動、選挙支援等~(19)
辺野古埋立承認撤回(2018.8.31)(20)
新ページ追加(12)
朝鮮半島平和構築(7)
名護市長選挙(2018年2月4日)(9)
2018.9.30沖縄県知事選挙、10.14豊見城市長選挙、10.21那覇市長選挙(20)
緑ヶ丘保育園・普天間第2小学校(宜野湾市在)への米軍ヘリ落下物事故(31)
うるま市伊計島、読谷村儀間、渡名喜島での米軍ヘリ不時着事故。さらに伊計島でのオスプレイのエンジンカバー落下事故。(8)
米軍ヘリ落下物事故、墜落、不時着等を受けての政府の対応(18)
お勧め記事(111)
新着案内(158)
トップページ(25)
書籍・新聞等からの資料(23)
代表者あいさつとプロフィール(2)
業務案内(20)
顧問契約(相談業務)(1)
離婚関係(1)
相続関係(1)
事業関係(8)
遺言書(18)
問題解決プログラム(1)
契約書等のひな型(7)
離婚(5)
遺産相続(4)
借金(2)
情報提供(7)
裁判員制度(6)
判例・裁判関連報道等(35)
成年後見制度(2)
お客様の声、質問(50)
代執行訴訟、違法確認訴訟等これまでの経緯(翁長知事 辺野古新基地建設阻止)(257)
集団的自衛権行使は憲法違反。安保関連法案を廃案にせよ。(17)
辺野古新基地建設阻止、高江ヘリパッド建設阻止行動(キャンプシュワーブ・高江等)(57)
名護市辺野古海域の埋立は人類に対する犯罪だ。美しい辺野古の海を守りましょう!!!(11)
普天間飛行場の辺野古移設阻止(127)
許すなオスプレイ配備(183)
許すなオスプレイ配備2(50)
沖縄の米軍基地(23)
夜間爆音被害の実態 嘉手納・普天間両米軍基地(26)
第4次、第3次嘉手納基地爆音差止訴訟等訴訟、爆音関連(281)
嘉手納米軍基地の爆音(115)
嘉手納町役場から入手した爆音データより(17)
米軍機(オスプレイ等)事故(56)
普天間基地の爆音の最新情報(16)

電子書籍

しあわせ講話集
☆▼☆
早川一光講話集 CD全12巻

△☆▼☆寂聴さんのおもしろ法話。聴いて、笑って、元気になる! 「瀬戸内寂聴・京都法話集 CD全12巻
☆▼☆△渡辺先生の愛と幸せに満ちたお話 「渡辺和子講話集 CD全12巻
☆▼☆いのちの輝きが教えてくれる豊かな明日への道しるべ 「いのちを見つめて CD全12巻
☆▼☆京都の名物医師・早川先生の元気いっぱい講話集 「早川一光講話集 CD全12巻
☆▼☆実り豊かな毎日へとあなたを導く名講話集 「現代に生きる CD全12巻
☆▼☆日本文化を大切に…高田好胤師の説得力ある法話集 「高田好胤法話集 CD全12巻☆▼☆▲松原先生百歳記念講話集!心豊かな人生を送る秘訣 「松原泰道講話集 CD全14巻▼☆▼☆カマタ流!しあわせに生きる秘訣 「鎌田實講話集 CD全12巻
▲☆▼☆各宗派15人の名僧との対談をたっぷり収録。仏教の面白さがよくわかる 「ひろさちやの仏教探訪 CD全16巻☆▼☆▼”おもしろ法話”がDVD 「瀬戸内寂聴・天台寺法話集 DVD全10巻
▲☆▼☆在宅ホスピス医・内藤いづみ先生が語る、「しあわせに生きる方法」とは 「内藤いづみ講話集 CD全12巻☆▼☆▼“医療の本質はやさしさ”を実践したナースが語る 「石垣靖子講話集 CD全12巻☆▼☆▲釈尊の教えであなたの今日がイキイキと輝きます 「釈尊に学ぶ生き方 CD全12巻▼☆▼☆相田みつをの、書とはまた一味違う貴重な講演集 「相田みつを講演集 CD全10巻☆▼☆▲元気が出る!人生がラクになる!珠玉のことば134 「相田みつを作品集 全2巻☆▼☆▼こころ豊かに人生を生きるには? やすらぎの12話。 「酒井大岳講話集 CD全12巻
▲☆▼☆日本を代表する尼僧が語る、仏教の真髄 「青山俊董講話集 CD全12巻
▼☆▼☆季節の行事には人生のヒントがいっぱい! 「ひろさちやの日本人の神さま仏さま CD全12巻☆▼☆▲