安倍首相の言う自衛隊派遣判断三基準の嘘①〜日本は主体的に判断できるのか〜
5月28日の衆議院平和安全法制特別委員会。安倍首相は新たな安全保障法制に基づく自衛隊派遣の三つの判断基準を示した。以下の三つだ。しかし、いずれも虚言癖が過ぎる安倍首相らしい言い訳にすぎない。
①日本が主体的に判断する ②自衛隊の能力、装備、経験に根ざしたふさわしい役割を果たす ③前提として外交努力を尽くす |
①の「日本が主体的に判断する」との基準。主権国家が「主体的に判断する」のは当たり前のこと。
それを首相にそう言わしめているのは、日本が主権国家とは言えない、特に米国に対しては従属国家となっていることの証だ。
5月17日ハワイベロウズ空軍基地で発生した乗員2名死亡20名負傷のMV22オスプレイ墜落事故。この事故に関する谷防相発言(平成27年5月22日防衛大臣会見概要(クリックで同HMへ))は「日本が主体的に判断する」を否定するものだ。そのやりとりは以下のとおり。
Q:(米政府は)「構造的に、問題ない」と言っている・・。そうすると、今回の事故原因って、推定できてなかったら、多分そういうことは言えないと思うのですが、・・推定される事故原因は、何だと・・お考えでしょうか。 A:それは私が予断を持って言うことは出来ませんが、米政府が、今、それを調査しているということです。 Q:だとすると、原因も分からないのに、なぜ「構造上問題がない」と、すぐに言えるのかが、にわかに私の頭脳では分からないのですけれども。 A:米政府がそのようなことで、日本に連絡をしてきたということです。 Q:その説明には、ご納得されているということですか。 A:現実に、アメリカも自国の国民を乗せて、実際に運用させてますので、それなりの調査をして判断した上で、運行を継続、という判断に至っておりますので、その点は米国を信頼したいと思います。 |
沖縄県民の頭上はもちろん、本土でも飛び交っているMV-22オスプレイの事故。事故原因が判明していないにもかかわらず、中谷防相は、米国の飛行継続判断について「その点は米国を信頼したいと思います」と言い放った。
自衛隊派遣を判断し、命令を発出するのは誰か。防相だ。その防相が自国民の生命・身体・財産に危機をもたらす事態に至っても、「その点は米国を信頼したいと思います」と言い放ち、自らの責任を果たせないのだ。
自衛隊派遣にあたって「日本が主体的に判断する」ことができるのか。できるはずがないのだ。安倍首相の嘘は明白だ。