米国政治の堕落〜翁長知事訪米への米国政府の対応から〜
翁長知事を先頭に実施された訪米。県出身者団体や米国の市民団体、米国政府高官、上下両院議員、シンクタンクと精力的に会談が実施された。
これを受けての米国政府・議会の反応は極めて厳しい。想定内ではあるが、辺野古新基地建設に固執する姿勢があらためて示された。以下は、報道されたマケイン氏及び国務省の声明であるが、いずれも、沖縄の認識とは程遠い。
特に、国務省声明に示された「代替施設は新基地ではなく、日米両政府は現存する基地に機能を加えるものだ・・」との指摘は問題だ。耐用年数100年とも200年とも言われ、軍港を備える基地の建設であり、しかも当該埋立地は国有化され、沖縄県民の民意が遠く及ばない施設となる。これを新基地建設と呼ばずして、何と説明するのか。国務省声明の詭弁には呆れ果てるばかりである。
マケイン氏は「私は沖縄の人たちに対して感謝を伝え、知事とは今後、建設的な対話を続けていきたいとの思いを伝えた」と声明を発した。何が感謝だと言いたい。これまでの沖縄への米政府の仕打ちに対しては感謝では済まされない、謝罪すべきであり、これ以上の基地負担を押し付けない態度を示すべきである。
翁長知事は、沖縄の民意を無視する日本政府に対して、政治の堕落だと指摘したが、米国政府も同様、正に、政治の堕落だ。
日米両政府の政治家が、自らが選挙によって選ばれたことを忘れ、昨年1年間の選挙によって示された沖縄の民意を受け止めないのは、正に政治の堕落だ。
沖縄は、沖縄の民意を示すため、声を挙げ続ける!!!
マケイン氏声明(6月4日付琉球新報より転載) マケイン氏が2日に発表した声明は次の通り。 きょう沖縄県の翁長雄志知事と友好的で敬意のある会談を行った。私は沖縄の人たちに対して感謝を伝え、知事とは今後、建設的な対話を続けていきたいとの思いを伝えた。 同時に私は現在、米日両政府が同意している在沖海兵隊の再編計画をなお支持していることを伝えた。 私は安倍首相、また彼の内閣と共に、在日米軍の将来に関して話し合い、またアジア太平洋の安定の要である日米同盟の強化に取り組んでいくのを楽しみにしている。 |
国務省声明(要旨)(6月5日付沖縄タイムスより転載) 国務省のヤング日本部長と国防総省のアバクロンビー副次官補代行は翁長雄志知事と会談し、日米同盟、東アジアの平和への沖縄の貢献に感謝を示した。 会談で、ヤング氏とアバクロンビー氏は、日米両政府は普天間飛行場の代替施設をキャンプ・シュワブに建設する確固たる約束を共有していると強調した。 代替施設は新基地ではなく、日米両政府は現存する基地に機能を加えるものだと指摘した。 米当局は、代替施設建設計画が運用上、政治的、財政的、戦略的な面から普天間飛行場の継続使用を回避する唯一の解決策だと繰り返してきた。代替施設の完成は、地域の同盟を強め、脅威を抑止し、平和と安定を強化する。 両氏は、訓練移転や岩国基地へのKC130空中給油機の移転、西普天間住宅地区の返還など負担軽減にも言及した。 |