かつて沖縄の米軍海兵隊基地は本土の10分の1。それが今74%まで膨れ上がった〜翁長知事と菅官房長官の辺野古第4回集中協議より〜

2015-08-30

  8月29日に実施された翁長知事と菅官房長官の辺野古第4回集中協議。沖縄県と日本政府の溝は埋まらず、決裂は必至だ。

 今回の協議では、翁長知事は沖縄の基地負担の現状を、数値を示して明らかにした。

 「海兵隊は1950年ぐらいに1300平方キロメートルからあったものが、次第に減ってきて、今日に至っては80平方キロメートル、約十数分の一という形で本土の米軍基地は減ってきている」
「・・昔の普天間飛行場は、1960年には、住民が飛行場を横断できるぐらいの頻度しか飛行場を利用していなかった・・。1960年代の半ば以降からは大変過密になってきた・・」
「沖縄の基地の大きさは、(本土の)10分の1ぐらい大きさ、・・それが次第に逆転をして、復帰を前後して今日に至った数字が、(本土は)・・80平方キロメートルまで減って・・、沖縄は74%まで膨れ上がってきている。10分の1弱だったものが74%まで増えていったんだと地図を示したり、数字を示したりして、説明させていただいた」

 翁長知事は、残り1回の協議でのて手応えについては問われ「距離感というものは変わらない」として、溝が埋まらない状況を指摘する。協議期間についても、「延長を私たちから申し上げることはないと思う」と述べ県側から期間延長を求めることを否定した。ただ、「延期されないのであれば、そこからの対応になろうかと思う。そこから一切口を利かないということではないと思う・・。・・そういったことを踏まえながら県の立場をしっかり主張していきたい」として、協議継続には応ずる姿勢を示した。

 埋立承認取消しについては、これまでどおり、「今日までの『ありとあらゆる手段』を使って、辺野古に基地を造らせないということはしっかり持っている」として、取り消しへの姿勢がゆらいでいないことを示した。

 また、東村高江のヘリパッド建設についても 「オスプレイ配備反対、普天間の県外移設、辺野古基地は造らせないと、そいうものの中でこの問題は収斂されるのではないか」と発言し、知事選で示した「オスプレイの運用につながるヘリパッドの建設は反対」の姿勢を堅持していることを示した。

8月29日辺野古第4回集中協議(8.30付琉球新報より)
【翁長知事一問一答】
−どのように説明し、どのような回答があったか。
「冒頭は・・日程説明・・。北部の首長、国頭村、東村、お会いしたと。その中で北部訓練場の早期返還についての要請を受けたと・・。」
「将来、国定公園、世界自然遺産登録の要請があったので、早めにそれをやっていきたいというようなことがあった。普天間飛行場の上から小学校を見た時に、あらためてその危険性について感じたということなどを話していた」
「キンザーの道路拡張とかそういったことも努力したいという話もあった。・・」
「・・(菅氏からは)今まで、いわゆる歴史の話とか沖縄の気持ちというものをよく聞いたが、私の原点というのは梶山(静六)元官房長官の秘書として沖縄問題に関わり、普天間の危険性除去について・・はあるが、・・原点・・は、やはり日米合意・・から物事が始まっているので、・・すれ違い・・。」
「5年以内運用停止についてあらためて聞いた。安倍総理、あるいは官房長官など、これまでの発言を踏まえ、国会でも答弁しているので大変重要なことだと思うがという話をしたら、先ほどの普天間の危険性除去が原点だという中で、やはりこれについては、もう少し、頑張ってみたいと。もう少しという言葉は使わなかったが、言い方として少し不正確ではなかもそれないが、頑張りたいというような話をしていた」
「ある意味で、5年以内の運用停止について、普天間の危険性除去というようなことの絡み合いでやると。それでは、辺野古に移すということがあるのかという話をしたら、そこはそこで皆さん方とまた考え方が違うので、そういう普天間危険性の除去ということについては、5年以内の運用停止も頑張ってみたいという話だった」
「あと私の方から海兵隊の今日までの流れ。これまでは歴史の話をしたから、数字の話として。海兵隊は1950年ぐらいに1300平方キロメートルからあったものが、次第に減ってきて、今日に至っては80平方キロメートル、約十数分の一という形で本土の米軍基地は減ってきている」
「沖縄はそういう意味からすると、サンフランシスコ条約を受け次第にキャンプ岐阜、キャンプ山梨などから海兵隊が来て、昔の普天間飛行場は、1960年には、住民が飛行場を横断できるぐらいの頻度しか飛行場を利用していなかったものが、こういう形で1960年代の半ば以降からは大変過密になってきたんだという話を、本土からの移駐と比べながら、沖縄の基地が次第に増えていく」
「沖縄の基地の大きさは、10分の1ぐらい大きさ、本土の。ところがそれが次第に逆転をして、復帰を前後して今日に至った数字が、向こうは80平方キロメートルまで減っているわけだが、沖縄は74%まで膨れ上がってきている。10分の1弱だったものが74%まで増えていったんだと地図を示したり、数字を示したりして、説明させていただいた」
「(宜野湾市の)佐喜眞・市長が協議に加わりたいと要請を受けたと・・調整させてもらいたいと・・話をしている」
「・・国頭村、東村からは北部訓練場の早期返還というのが要請されたので、ぜひともやりたいという中で、高江の道路などについても話があったので、これは今、答えるわけにはいかないということで、要請を受けたというような形のものにしている」
−移設に関して長官は「著しく距離感を感じた」と。危険性除去について何か知事は具体案を示したか。
「普天間の危険性除去について5年以内の運用停止の努力をしたいという話があったので『ということは辺野古ということとは絡ませないのですね』と言ったら、普天間の危険性除去についての考え方は双方で違いがあるので、それはそういうことで、というような話があったので、著しくなどの言葉が今回特にでてきたというような意味合いは言葉遣いとしてもなかったし、同じか、あるいはまたそういった言葉のニュアンスで、考えることがあるかもしれないが、基本的に今、話をした通りだ」
−残り1回。期間中の協議で、何らかの結論、成果を出せそうな手応えは。延長することも考えているのか。
「距離感というものは変わらないが、行き来する言葉が増えてきている。より深く話をしているような感じがする。今までは官房長官は聞き役だったので今日は私の発言を聞いての思いを聞かせてもらうような形で5〜6分だったと思うが、聞いたというのも、それはそれなりに良かったかなと思う」
「ただ今言う距離感とか含め、いろいろ話し合いがシビアになってきたわけだが、これからもということになると、まだあと1回話し合いがあるので、そのあたりに向けてどのようになるか分からないが、いずれにしても、激しい状況ということは、はっきりしているところだ」
−『5年以内の運用停止を頑張りたい』というのは、辺野古移設で運用停止をするということか。
「こちら側から、それは辺野古唯一ということと一緒かという話を、危険性除去については5年以内の運用停止も頑張りたいというようなこともあったので、それは、辺野古とは関係はあるなしについてはどうかと言ったら、いやいや、これはお互いに考え方が違うものを持っているので、そういったことも踏まえて、当方としてはと言うか政府としては、梶山先生の危険性除去についての思いがあるので、それは、真剣に考えたいというような意味合い」
「真剣っていう言葉使ったかは私の記憶による。思いみたいなものは、そのような感じだった」
−北部訓練場。ヘリパッド建設についてのスタンスは。
「私の去年の公約、議会での答弁などを含めると、普天間の県外移設、あるいは辺野古には基地を造らせない、オスプレイ配備撤回といような中で、この問題は解決できるのではないかというようなことを議会などでも話をしてきている。なので、今私たちが、ある意味で、みんなで力を合わせて頑張っている、そういったものの中に、この問題も収斂(しゅうれん)されていくのではないかと思っている」
−官房長官が9市長と会い、普天間の危険性除去と沖繩振興について話した。このような動きについては。
「去年の知事選を含めそいう立場だから。立場違う方々がアプローチするというのも、私からするとこれについて言うようなことはない」
−北部訓練場の問題だが、過半の返還にはヘリパッド設置が条件。政府からの協力要請に協力するともしないとも言えない状況か。
「そういう要請を受けたと承った状況だ」
−「答えるわけにはいかない」という理由は。
「承ったということだ。私たちは昨年の選挙で(掲げた建白書の)東京要請行動がある。沖縄の基地問題はそれ以外にもたくさんある。たくさんあるものが一つ一つどのようにやっていくかということについて、今私たちがしっかりやろうとしているのは普天間の県外移設、オスプレイ配備撤回、辺野古に基地を造らせないと。そいうものの中でこの問題は収斂していくのではないかということだ。
−5年以内運用停止。長官は第2回協議で「辺野古移設が条件だ」と発言。それを修正したと受け止めるか。
「『お互い考え方が違うから』『原点が違うから』という話をしていた。それとこれ(第2回発言)が同じ言葉なのか、僕から判断するわけにはいかない」
−残り1回。議論は十分に尽くされると思うか。延長し、尽くすべきだと思うか。
「こちらからどうこうということではなく、まだあと1回あるので、期間内は議論する必要はあるのではないか。それ以降どうするかというのはあちらの言うことだから、こちらがどうするというのもあれだが。いずれにしても、そういったものを見極め、しっかり県の立場をこれからも持っていきたい」
−沖縄側から延長要請することはない。
「延長を私たちから申し上げることはないと思う」
−潜水調査については。
「私からいうことはなかった感じがする。もしかしたら出たかもしれないが、それについてそれぞれがコメントするようなものは特になかったのではないか。事実関係だけが話し合われたと思う」
−「(県民の)魂の飢餓感」についての理解はあると受け止めたか。
「(菅氏)本人は『戦後生まれだ』とも話していた。いわゆる『魂の飢餓感』についての理解は、これは私の言葉だが、私としてはそういう立場に置かれたのでこの世代でも意味合いはよく分かるが。官房長官はどのように思ったかを含めて聞かせてほしいと話したら、『その気持ちはいろいろ聞いてはいるけれども、ただ私の原点は・・』ということで、梶山先生の秘書をした時の思いを引き継いでいることと、それは普天間の危険性除去だと。それに絡めて5年以内の運用停止という話をしたら、それも『頑張らんといかん』と。『それでは辺野古はありえないですね』という話をすると、『お互いその意味での原点は違うわけだから』という話だった」
−「なかなか分かってもらえていない」と受け止めた。
「僕の説明を聞いて『分かっていないな』と思えばそうだろうし。これを僕が『分かっていなかった』とか『少しは分かっている』というのはなかなか言いにくい」
−概算要求の話は出たか。
「事実関係だけだ。私たちも承っていると。広げて話をするということはなかった。」
−ヘリパッド。知事選出馬会見で「オスプレイの運用につながるヘリパッドの建設は反対」と明確に言っていた。それは変わっていないか。
「議会の議事録など残っていると思うが、オスプレイ配備反対、普天間の県外移設、辺野古基地は造らせないと、そいうものの中でこも問題は収斂されるのではないかと言ってきたつもりだ」
−政府から米国に何か説明しているとの話は。
「特にアメリカ側に説明したかどうかはなかった」
−長官が自民県連との会合で「話し合いはするかもしれないが作業中断の延期はしない」と伝えた。どう臨むか。
「協議は1日だけの協議もあるだろうし、3日ぐらいあるかもしれない。予測はつかないので、延期されないのであれば、そこからの対応になろうかと思う。そこから一切口を利かないということではないと思うので。いずれにしても、そういったことを踏まえながら県の立場をしっかり主張していきたい」
−埋め立て承認の取り消しを念頭に置いているか。
「今日までの『ありとあらゆる手段』を使って、辺野古に基地を造らせないということはしっかり持っている」

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