求めるのは基地の整理縮小ではなく「基地撤去」〜1.24宜野湾市長選挙で示された民意〜
1月24日の宜野湾市長選挙。現職の佐喜眞氏が志村氏に対し5800票の大差を付けて圧勝した。今選挙で示された宜野湾市民の民意について考えたい。
選挙戦中、佐喜眞氏は「個人的には(辺野古)反対」と言いながらも、辺野古新基地建設の是非については明言しなかった。選挙終盤、同氏は「普天間基地のフェンスを取っ払う」とぶち上げ「(普天間基地撤去のために)政府と闘う」と誓った。保守系市長が米軍基地撤去を公約に掲げたのだ。私は耳を疑った。まったく予想しなかった公約。まさか、膏薬ではあるまい。
過去の沖縄における市町村首長選挙で「基地撤去」を公約に掲げて勝利した候補がいただろうか。これほど明確に「基地のフェンスを取っ払う」、普天間基地撤去を公約に掲げた現職首長はいない。しかも、政府と闘う、とのおまけつきだ。宜野湾市民の身体生命財産を守るために普天間基地を撤去するというのだ。有権者が心を揺り動かされたことは間違いない。
基地撤去の手法については、佐喜眞氏は、具体的方法については日米両政府が決める、と発言し手法については明言しない。その上で、宜野湾市民の生命身体財産を守るために「政府と闘う」という公約した。普天間基地撤去への強い決意を知ることができる。
沖縄市議会では、軍用地主は普天間基地撤去に反対しているとの話もあったようだが、今選挙で「普天間基地撤去」の宜野湾市民の民意が示された。しかも5800票もの大差となった。
さて、辺野古新基地建設阻止の民意は、1昨年の4度にわたる選挙で既に示されている。辺野古反対の民意と普天間基地撤去の民意を実現するためには、普天間飛行場の即時閉鎖・撤去以外にはない。
北谷町美浜や那覇市新都市地区等の発展に見られるように、基地の存在が県民生活向上の阻害要因であることは間違いない。基地が返還されれば、基地撤去事業が発生し、その後は土地区画整理等の事業、そして次は住宅建設等事業だ。完成し地域では産業・雇用もうまれる。県の基幹産業ともいわれる建設業界にとっても朗報だ。県経済の発展は、県民所得の向上、貧困率の克服、県民生活そのものが豊かになることにつながる。このことに宜野湾市民が気づいたことを、今選挙は示した。
今選挙で明らかになった基地撤去の民意。今後の沖縄の政治は、この民意を実現するため手法が問われることになる。
求めるのは基地の整理縮小ではなく「基地撤去」なのである。
【参考本HM記事】