「辺野古が唯一」と言わない米(3.21付琉球新報記事より)
3月21日付琉球新報に興味深い記事を見つけた。『「辺野古が唯一」と言わない米 日本側が思考停止』というタイトルのワシントン報告(問山栄恵同紙特派員)の記事だ。以下、興味深い点を拾い読みする。
「国防総省は辺野古移設に代わる別の選択肢を持っている」 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に関わり、米政権との太いパイプを持つ元政府高官は自信に満ちた表情で語った。 ・・・実感することは・・・日本政府が「唯一の選択肢」と繰り返す辺野古移設は現時点で、日米両政府が合意している計画だということだ。それ以上でも、それ以下でもない。 軍事戦略上の観点から見ている有識者や元政府高官たちは一様に「唯一」という文言を避けるきらいがある。つまり辺野古移設に固執していないのだ。 米国の有力シンクタンク・戦略国際問題研究所が1月に発表した・・米議会への報告書では、辺野古移設を「唯一」ではなく「最善の選択肢」という表現で指摘した。・・・リチャード・アーミテージ元国務長官も・・・「『最も実現可能性がある選択肢』という理解だ」と説明した。・・・ウォルター・モンデール氏(元副大統領)は、・・・「われわれは沖縄とは言っていない」と強調した。 しかし国防、国務両省は辺野古移設を「唯一の解決策」と繰り返す。普天間移設を「日本の内政問題だ」(ダンフォード統合参謀本部議長)「日本の責任」(ラッセル国務次官補)とする米側にとって、辺野古移設は日本政府による実現可能性が高いという意味合いが大きい。 ・・・ 「世界最強の軍隊、他を圧倒する軍事力を持つ米国が普天間飛行場の機能を日本もしくは沖縄に置かなければ、日米安保条約に基づく日本防衛が果たせないのだろうか」 取材先にはこの質問をことあるごとに投げ掛ける・・・。元国務省高官は「米軍にとって、嘉手納と横須賀は不可欠だが、普天間は枝葉だ。普天間が軍事的に必要だということを私は国防総省から聞いたことはない」と言い切る。米軍のアジア展開の中心が海軍(横須賀)と空軍(嘉手納)であるとの認識は共有されている。 「別の選択肢」があるとした元政府高官・・・。「日本政府が辺野古移設を進めると言う中で、米国側からわざわざ(別の案を)言う必要ない」。・・・ |
以上の内容から見えてくるのは、基地は沖縄へというこれまでの因習に日本政府が囚われている実態だ。何故、沖縄がこれ程の基地負担を負わなければならないのか。日本政府が執るべきは、嘉手納基地も含めた沖縄の基地負担の軽減、除去だ。
辺野古を「唯一の選択肢」とする日本政府と、「唯一の解決策」とする米政府。しかし、米政府の認識は正しくは「(日本政府の示す)唯一の解決策」とすべきだろう。その溝に、辺野古新基地建設阻止の実現の手立てがある。沖縄が、日本をはじめ、米国等世界の世論に、辺野古問題の実態を訴えているのはそのためだ。
沖縄は沖縄の民意を主張し続ける!!!