国民の危機、憲法の危機、緊急事態条項〜緊急事態宣言は、国民すべての人権を停止、否定につながる〜
今日は憲法記念。自民党の憲法改正草案の緊急事態条項は極めて危険だ。現憲法に規定されるすべての人権の否定につながる。
緊急事態が宣言されるとどうなるのか、検討する。
①内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる。 ↓ 内閣は自由に法律同様の効力を持つ政令が制定できる。刑罰を伴う権力を行使することができる政令の制定も可能だ。国権の最高機関たる国会、立法権の否定である。 |
②内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。 ↓ ①の政令の制定と同時に、財政支出も自由に行うことができる。財政に裏打ちされた権力行使が可能になる。国会の否定である。 同時に地方自治体の長をも従わせることができるとする。地方自治の否定である。 |
③緊急事態の宣言が発せられると、何人も(外国人も含めて)、発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。 ↓ 憲法は国家権力を縛るものである(立憲主義)。ところが、緊急事態が発せられると、何人も国等の指示に従わなければない。緊急事態により、憲法は国民を縛るものへと変わることになる。憲法の定めるすべての人権の否定である(立憲主義の否定)。 |
④緊急事態の宣言が発せられると、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。 ↓ 任期がきても衆議院が解散されないとなれば、現内閣が永久に存続することが可能となる。国民の民意を示す選挙が行使できなくなるのだ。国民主権の否定だ。 |
このように、緊急事態宣言は、国民すべての人権を停止、否定することにつながる危険性を有する。断じて認められない。
自民党憲法改正草案より抜粋) 第九章 緊急事態 |