在沖米軍基地周辺学校への防音空調(エアコン)維持費補助が2016年度以降一部廃止問題。ここでも命の二重基準か。
在沖米軍基地周辺学校への防音空調(エアコン)維持費補助が2016年度以降一部廃止されるとする問題。
30度を超える炎天下の真夏に、防音対策のために窓を閉め切らなければならない状況は、子どもたちの責任ではない。子どもたちの最低の学習環境保全対策さえも、単に「経費の都合」で片付けようとする沖縄防衛局。
窓を開ければ先生の声がまったく聞こえない状況を知りながらの、沖縄防衛局の防音空調維持費補助の削減。
命の二重基準は許されない。
エアコン補助廃止、81校 沖縄、米軍基地周辺の学校・保育所(2016年5月3日付琉球新報より転載) 在沖米軍基地周辺の学校で実施されている防音事業の空調(エアコン)維持費補助が2016年度以降の実施設計分から一部で廃止される問題で、少なくとも7市町村の保育所、幼稚園、小中校計65校・施設が廃止対象になることが2日、分かった。県立中高および特別支援学校では16校が廃止対象となっており、2日現在で81校・施設が将来的に廃止の対象になる。各教育委員会からは「補助が廃止されれば財政的に厳しくなる」「子どもたちへの学習環境への影響も懸念される」など不安の声が上がっている。 琉球新報が2日、各市町村教委に聞き取り、担当者が不在の2町村を除く教委から回答を得た。 対象となる学校があるのは、宜野座村で3小学校・1中学校・3幼稚園、恩納村で5小学校・5中学校・5幼稚園、伊江村で2小学校・1中学校・2幼稚園・1保育所、中城村の3小学校・1中学校・2幼稚園・1保育所、浦添市の3小学校・1中学校・2幼稚園、西原町の2小学校・2中学校・1幼稚園、那覇市の8小学校・4中学校・7幼稚園(幼保園含む)。 このほか、うるま市、沖縄市、金武町は対象校・施設を調査中のため、対象がさらに拡大する可能性がある。 本年度に設計を予定しているのは西原町の1幼稚園と那覇市の1小学校で、完成後は補助廃止になる見通しだ。そのほかの市町村の学校は当面、建て替えなどの予定はないという。 |
基地周辺校の空調補助一部廃止 県教育庁が撤回要請へ (2016年5月7日付琉球新報より転載) 在沖米軍基地周辺の学校で実施されている防音事業の空調(エアコン)維持費補助が2016年度以降の実施設計分から一部で廃止される問題で、平敷昭人(しょうじん)県教育長は来週にも沖縄防衛局を訪れ、補助継続などを申し入れる。平敷教育長は6日、「騒音が教育環境に影響を与えることはあってはならない。早い時期に(当局の見解を)防衛局に伝えたい」と述べ、沖縄防衛局に説明を求めると同時に、維持費補助の廃止撤回を申し入れる考えを示した。また、補助廃止対象となる公立小中学校などの調査に着手した。 平敷教育長は6日、社民党県連、県議会会派の社民・護憲ネットの県議らが自治体ごとの件数を明らかにすることなどを要請した場で沖縄防衛局への申し入れについて明らかにした。 県教育庁は維持費補助の廃止の対象となる学校数や、補助金額などを2日から各市町村教育委員会に照会しており、廃止による影響を把握する考え。早ければ来週中にも調査結果をまとめたいとしている。 一方、防衛省は6日、琉球新報の取材に対し「昨今の厳しい財政状況を踏まえ、制度の見直しを行うこととした」と補助廃止の理由を説明した。 空調維持費補助は米軍機の飛行ルートに所在する学校が対象で、うるささの度合いに応じ4等級に分かれている。今回の空調維持費補助の打ち切りは、比較的騒音の影響が小さい3、4級の学校が対象で、2016年度以降実施設計を行い設置する空調の維持費が補助対象外となる。 ただ、3、4級の学校で16年度以降に実施設計を行う空調の「機能復旧工事」に関しては、従来の防衛省による補助率を3級で85%から90%に、4級で75%から85%にそれぞれ引き上げる措置を取ったとしている。「機能復旧工事」が空調の新設なのか既存の空調の老朽化に伴う更新なのかは不明で、本紙の取材に対し防衛省は「確認中」としている。 琉球新報社の調べでは、保育所や幼稚園を含め少なくとも81校の小中高校、施設が補助廃止の対象となる。 |