菅官房長官は法治国家の意味を知らないらしい。なんと、基地と沖縄振興予算はリンクする、移設工事が進まなければ予算も少なくなるのは当然ではないか、と明言。〜8月4日午前記者会見〜
8月4日午前の記者会見。 菅官房長官は、基地と沖縄振興予算はリンクするとし、移設工事が進まなければ予算も少なくなるのは当然ではないか、と明言した。
これまで、政府は、基地と沖縄振興はリンク論を否定してきた。しかし、菅官房長官は基地と振興策はリンクし、辺野古新基地が進まなければ振興予算は減額されるとした。以下は報道各社の報道内容を抜粋した。
そもそも、沖縄振興は、沖縄振興特別措置法に基づいて進められる国の政策だ。同法には沖縄振興特別措置について、末尾のように規定されているが、どこにも、基地受け入れが条件だとは規定されていない。
何故、菅官房長官や鶴保沖縄担当相は振興と基地がリンクすると言えるのか。
菅氏は常々、日本は法治国家だと言っているが、ご本人自身が、その意味を知らないのではないか、と疑いたくなる。
(2016.8.4付琉球新報より抜粋) 菅義偉官房長官は4日午前の記者会見で、・・基地問題と沖縄振興との在り方について「(基地と振興の)両方の課題を全体に総合的に推進していく意味合いにおいてはリンクしているのではないかと思う」などと述べ、基地と振興の「リンク論」を認めた。従来の政府方針から大きく立場を転換させた。翁長雄志知事が辺野古移設に協力しない場合に振興予算を減らす考えはあるのかとの質問に対しては「工事が進まなければ予算が少なくなるのは当然ではないか」と述べ、2016年度沖縄振興予算の減額を否定しなかった。・・・菅氏は・・基地と振興がリンクする理由について「政府による沖縄振興の目的には返還された基地の跡地利用はもとより、基地があることによっての基地負担軽減も含まれている」などと述べ、基地跡地利用との関連性を述べた。・・・ |
(2016.8.5付沖縄タイムスより抜粋) 菅義偉官房長官は4日午前の記者会見で、米軍普天間飛行場の返還に伴う名護市辺野古の新基地建設の進展が内閣府沖縄関係予算の査定に影響を及ぼすとの考えを示した。これまで政府と県が否定してきた基地問題と沖縄振興の「リンク論」を認めた。 ・・・工事が進まなければ予算が少なくなるのは当然でないか。米軍との間では嘉手納以南の土地の約7割が返還されることが決まっている。(普天間飛行場や嘉手納以南の)跡地利用が遅れれば、予算が少なくなっていくのは、それはそうでないか」と述べた。・・・ |
(2016.8.5付東京新聞より抜粋) ・・・菅氏は、米軍基地の再編に伴う跡地利用の事業費などが振興予算に盛り込まれているとして「工事が進まなければ費用は当然減る。跡地利用の工事が遅れれば、予算が少なくなっていくというのも現実問題だ」と述べた。基地問題と振興予算は「政府として総合的に推進していくという意味合いにおいて、リンクしている」と説明した。 発言には、沖縄にとって死活的な振興予算の削減をにおわすことで、対決姿勢を強める翁長氏をけん制する狙いがあるとみられる。・・・ これに関連し、鶴保庸介沖縄担当相は同日の就任記者会見で「県や市の事情で消化できない予算を無理やり計上すれば、血税の無駄遣いという国民の批判に耐えられない」と菅氏に同調した。稲田朋美防衛相も報道各社のインタビューに対し「基地問題と振興策のリンクは菅氏が述べた通りだ」と語った。 |
沖縄振興特別措置法 (目的)第1条 この法律は、沖縄の置かれた特殊な諸事情に鑑み、沖縄振興基本方針を策定し、及びこれに基づき策定された沖縄振興計画に基づく事業を推進する等特別の措置を講ずることにより、沖縄の自主性を尊重しつつその総合的かつ計画的な振興を図り、もって沖縄の自立的発展に資するとともに、沖縄の豊かな住民生活の実現に寄与することを目的とする。 (施策における配慮)第2条 国及び地方公共団体は、沖縄の振興に関する施策の策定及び実施に当たっては、沖縄の地理的及び自然的特性を考慮し、並びに産業活動及び住民の生活における基礎条件の改善、沖縄固有の優れた文化的所産の保存及び活用、環境の保全並びに良好な景観の形成に配慮するとともに、潤いのある豊かな生活環境の創造に努めなければならない。 |