11月15日に沖縄を訪れた岡田外相は相変わらずの発言に終始している。年内の決着。普天間基地の閉鎖、嘉手納以南の米軍基地の返還のためには嘉手納統合案が極めて現実的である等々。その中でも唯一の救いは、嘉手納統合案の前提ととして嘉手納基地の爆音の軽減、基地被害の軽減をあげていることである。基地の整理縮小は、一部地域に基地負担を押し付けることによって実現されてはならないこを前提としている点で、岡田外相の主張は理解できる面もある。
しかし、嘉手納基地の現状は、夜間訓練自粛の紳士協定は反故にされ、訓練の一部が移転されてもその空いた時間には他の訓練が組み込まれたりと、日本政府が約束しても、履行するか否かは米軍の判断に委ねられており、爆音の軽減、基地被害の軽減が図られるどころか、増大しているのが現状である。
このような状況において、岡田外相の嘉手納統合案を受け入れろと言われても無理なこと。これが実現しないと普天間基地閉鎖、米海兵隊グアム移転、嘉手納以南の米軍基地の返還等の実現が困難になるといわれてもそれは無理である。
それでも岡田外相は嘉手納基地周辺住民に対して、嘉手納統合案の受け入れを求めるのだろうか。岡田外相の政治家としての資質、人間性をも疑わざるを得ないと感じるのは私だけだろうか。