12月27,28両日に行われた第13回沖縄県中学校新人軟式野球選手権大会において、浦添、石垣、嘉手納、安岡の各中学校が準決勝に残った。ちなみに、嘉手納中学校は私の地元で、私の息子も1年生が野球部に所属している。
その決勝戦は石垣中と安岡中、結果は、最終回7回裏(中学校は7回戦である)に1点差をひっくり返した安岡中が3対2で優勝した。最終回に2本のヒットで逆転した安岡中の粘りと集中力は見事である。
ただ、今回私が注目したいのは、勝った安岡中ではなっく、敗れた石垣中の小林主将の試合後のコメントである。敗因について、「1本が出なかったのも、たび重なった失策(エラー)もすべては生活態度がよくなかったから」と語ったという。その意味するところは何か。
こんな話がある。野球でのカバーリング、例えば、内野ゴロで1塁に送球されるときキャッチャーは1塁手の後方にカバーに入る、もしものときのことを考えての連携プレーであるが、これについて、カバーリングは気配りができなければ、なかなか身に付かないというのである。試合中の状況を瞬時に判断し、自分がどう対応すればいいのかを考える能力は気配りができるか否かにかかっているというのである。
日常での気配り。家族で食事の準備をするときに、自分は何をするべきか。テーブルを拭くのか、お箸を準備するのか、料理を運ぶのか。自分のすべきことは何かを判断して、実行することができるかである。
こんなことがどうして野球につながるのか。試合中の状況判断は瞬時にしなければならない。一つのミスが試合の流れを決定づけることがある。気配りのできる選手が多ければ多いほどミスは減るだろう。また、野球にエラーはつきもの、という言葉があるように、仮にエラー、ミスをしても、周りの気配りがそれを補ってくれる。野球はチームプレーといわれるゆえんである。
気配りという小さな積み重ねではあるが、それがやがてプレーにつながってくるのである。
気配りという生活の中での営み、そして、それに付随する生活全般を指して、小林主将のいう生活態度につながってくるのだと思う。負けた悔しさをかみしめながら、敗因を生活態度の悪さだと分析してみせて彼の冷静さには脱帽だ。
朝のあいさつから始まる生活の中の営みをきちんとこなしていく中に野球があるのだ。今回の悔しさをばねにして、どんなチームに仕上がっていくのか、地元の嘉手納中はもちろん気になるところだが、石垣中の活躍にも注目したい。