普天間飛行場移設に関して県内2紙はこの問題に関する県外有識者や著名人の意見を掲載している。その中でまず目につくのは普天間飛行場移設問題の解決が長引いている現状が日米関係の危機につながるとのマスコミ報道に対する批判だ。自民党から民主党への政権交代により既得権益を奪われたのは政治家や官僚だけではなくマスコミにもその勢力がおり、自民党時代への回帰を願っているのだと指摘するのは大谷昭宏氏であり、マスコミの政権交代もあるかもしれないが、まだ時間がかかると指摘するのは高野孟氏である。そして、県外有識者らが総じて指摘するのは、本土住民の沖縄の基地問題についての無関心であり、この問題の解決のためには、沖縄の意見をきちんと伝え続けるべきであるとの提言である。
これらの指摘から見えてくるのは、沖縄人(ウチナーンチュ)が、マスコミ報道に踊らされて、自らの意見を封印しないことが重要だということである。これ以上の基地負担は認められないこと、戦前・戦後を通じて沖縄が負った犠牲をきちんと認識し、日本防衛のためにこれ以上沖縄が犠牲になることは認められないことを言い続けることが重要だということである。
米国における初の黒人大統領誕生も、日本における戦後60年を経て初めての政権交代も、民意が国政を決定づけることを示した。目の前の利益誘導にも、マスコミ報道にも踊らされることなく、沖縄の意見を言い続けること、そして、その努力を怠らないことが重要である。