“小沢氏側に強制捜査”今日の新聞のトップである。昨年大久保秘書が逮捕され、その後の鳩山首相の贈与資金問題、そしてついに小沢氏に検察の手が届いたのである。これと軌を一つにするかのように、今回の政治資金規正法違反容疑がかけられている石川衆議院議員の元秘書が、大久保秘書が逮捕された当時の状況について克明に語る記事が文芸春秋2月号に掲載された。昨日その記事を読んだ私は、今回は小沢氏も逃げられないかな、と思ったのだが、その翌日に強制捜査のニュースが流れたのである。
検察が鳩山首相の母親からの贈与資金について、あれほど執拗に捜査したのはこの問題があったからに違いない。月額1500万円もの資金提供。しかも、架空献金での事務処理。だれが考えても闇献金を隠すためだと考えるに違いない。ところが、ふたを開けてみると弟の邦夫氏にも同様の資金提供がなされており、母親からの巨額のこずかいの支給だったことが判明した。検察は肩すかしをくらったはずである。
ところが今回は違う。石川衆議院議員の元秘書が前回の事件の際に段ボール箱の証拠を隠した事実を克明に告白しているのである。しかも実名で。元秘書の名前は金沢敬氏とされている。今朝の「朝ズバッ」でも実名入りの映像が流されたくらいだから、彼の語る内容の信憑性は高い。
今回の事件が政治資金規正法違反にとどまり、収賄等には結び付かないとの指摘もある。しかし問題は、これだけの資金が西松建設だけでなく、大手ゼネコンからも渡っていたことである。これが事実であれば、法に違反するようなことはしていないと豪語する小沢氏であるが、これまで金まみれの政治を見せつけられてきた国民とっては「おまえもか!」ということにしかならない。到底国民の理解は得られない。
昨年から民主党への追い風が吹き続けてきた。若干の向かい風も吹いたがたいしたことはなかった。しかし、今回は違う。徐々に向かい風に変わりつつある。しかも、鳩山政権をも吹き飛ばしてしまう季節外れの台風にも変わる可能性をも秘めている。