沖縄県立読谷高校に入学して初めて迎えたバレンタインデー。今から30年以上も前のことである。その頃は義理チョコなどという言葉もなく、バレンタインといえば、女性が男性に思いを伝えるための方法だと信じられていた。2月14日がその日だとは知っていても、自分には関係ないと表面上は繕っている。が、内心はかなり期待していた。あてもないのに期待だけは大きい。思春期まっただ中の青春時代の話である。
ちょうど昼食後の5時間目が始まろうとしていた。私が机の中から教科書を取り出したときである。教科書の上には長方形の包みがあった。とっさに、私は教科書毎机の中に押し戻した。誰かに気づかれなかったか、周りを見回す。いつもの風景に安心した後、机の中の包みを手探りで確認する。
いったい誰が・・・。
やがて授業が始まったが、もちろん、授業どころではない。
いったい誰が・・・。
想像は膨らむばかり。私のクラスは男女が並んで座わるようにしていたので隣には女子が座っている。彼女に気付かれないように、授業中何回も机の中に手を入れては包みを確認する。確認する度に、
いったい誰が・・・。
やがて授業が終わった。教室等の清掃を済ませ、私はバスケット部に所属していたので部室へ向かった。ドアを開けて中へ入ると、同じクラスの何人かが先に来ていて、何やら話している。見ると長方形の包み。
え・・。
私のかばんの中を確認すると包装も形もまったく同じもの。
みんなもらったの!
クラスでバスケット部に所属する5人は、まったく同じものをもらっていたのだ。
俺たちだけかな?
あくまでも他の男子と差別化を図りたい心境だ。
翌日登校してみると、隣に座っている女子が昼休みに男子の机にチョコを入れたことが判明した。
青春まっただ中の時代の思い出の一こまである。30年以上たった今でも、バレンタインデーが近づくと思い出す。今年のバレンタインデーにはどんな思い出が作られるのだろうか。
(余談)それにしてもあの頃、おちんちんチョコなるものがなくてよかった。生まれて初めてのチョコがおちんちんでは、まさに珍事というしかない。このような類のチョコレート、くれぐれも送る相手をお間違えのないように!
おちんちんチョコレート(この商品は送る相手をお間違えのないように!)

こんなチョコレートなら甘いものがあまり好きでない男子でもいっぱい食べられそうです。・・・
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