15日夜、小沢民主党幹事長の元秘書の石川衆院議員と池田秘書が東京地検に逮捕。容疑は政治資金規正法違反。このニュースは日本中を駆け巡り、衝撃を与えた。政治資金規正法違反という微罪での現職議員の逮捕には疑問を感じるとの論評もあるが、小沢幹事長及び石川議員が任意聴取に応じない状況の中での検察の決断であり、捜査のためにはやむを得なかった。しかも、翌週に国会が始まれば、会期中は国会議員は議院の許諾等がなければ逮捕できないことから、議会開催直前の逮捕となったのである。しかし、会期前に逮捕された議院はその所属議院の要求があれば会期中は釈放しなければならない。したがって、民主党が石川議員の釈放を求めて衆議院で可決すれば検察は釈放せざるを得ない。そこまでの議論がなされているのか否かは報道されていないが、憲法上の手続きによれば石川議員の釈放は可能である。検察との全面対決を示唆する小沢幹事長を中心とした民主党がどのような対応をするのか注目である。
今回の逮捕劇が夏の参議院選挙に影響することは必至である。すくなくとも現時点ではマイナス要因にしかならない。たしかに、今回の逮捕については疑問視する論評があることは先にも書いたが、今回は様相が異なる。前回の政治資金規正法事件の際には、小沢幹事長の国策捜査との検察批判についてはそうかもしれないとの思いを抱かせたが、今回は違う。元秘書による告発があるからだ。雑誌、新聞等で知りうる範囲での判断ではあるが、その内容は、その現場にいたものでなければ知り得ないような内容が詳細に示されており、信憑性がある。
前回違反事件の際には衆議院選挙への影響を考慮して民主党代表を辞した小沢氏であったが、今回は違う。幹事長を辞しただけでは参議院選挙への影響を回避できないのではないか。どのような対応を示すのか注目である。