日米安全保障条約の改定から50年を迎えて、日米安全保障協議委員会の日米閣僚4名による共同声明と鳩山首相の談話が発表された。そこには日米安保体制が果たしてきた日本及びアジア地域での役割の重要性が述べられ、その重要性は今後も同様であるとされている。
鳩山首相は、日本が戦後今日まで、平和を維持し経済発展を享受できたのは日米安保体制があったからだと指摘し、これによる米軍の抑止力は、核兵器を持たず軍事大国にならないとしている日本の平和と安全を確保していく上で、日本の防衛力と相まって、引き続き大きな役割を果たしていくとしている。更に、米軍の軍事的影響力の存在は地域諸国に多きな安心をもたらすことにより、いわば公共財としての役割を今後とも果たしていくとしている。つまり、日本が今後とも日本でありつづけるためには日米安保体制が不可欠であり、同時に、日本がアジアの一員として生きていくためにもなくてならないとしているのである。
同時に発表された4閣僚共同声明でも同旨のことが述べられ、日米安保体制をより推進し、深化させることを約束している。
さて、その中で沖縄の基地負担についてはどのように語られたのか。
4閣僚共同声明の中には次のようなくだりがある。「4閣僚は、同盟に対する国民の強固な支持を維持していくことを特に重視する。沖縄を含む地元の基地負担を軽減するとともに、・・・・、安全保障を強化し、同盟が引き続き地域の安定の礎石でありつづけることを確保する。・・」
嘉手納町の東に位置する安保の見える丘にも象徴されるように、日本を支えた安保体制を下支えしたのが沖縄である。下支えしたのか、犠牲になったのか、その評価は立場よって異なるだろう。しかし、戦後の米軍統治、復帰後の基地負担の現実からすると、沖縄に住む者とっては、犠牲になったとしかいいようがない。
4閣僚共同声明にも述べられているように、日米安保体制を深化させるためには、同盟に対する国民の強固な支持が必要であり、そのためには沖縄を含む地元の基地負担を軽減は不可欠である。
そこでまず解決すべきは普天間飛行場移設問題である。
日米同盟の深化に必要なのが国民の支持であり、そのために不可欠なのが基地負担軽減であるなら、答えは自ずから見えてくるはずである。