昨日投開票が行われた名護市長選挙で、普天間飛行場の辺野古移設反対を訴えた稲嶺氏が当選した。
平成9年の名護市住民投票では辺野古移設反対が過半数を占めたものの、同年12月当時の比嘉市長が辞任、翌平成10年の市長選では基地受入の岸本市長が当選した。平成14年、平成18年の市長選挙では基地受入市制が継続。そして、昨年平成21年の衆議院選挙において、辺野古移設反対を公約にした民主党政権が誕生し、今回の市長選挙にいたった。13年の時を経てふりだしに戻ったのである。
選挙結果を受けて、仲井真知事は普天間飛行場の辺野古移設に関し「政府与党を構成する3党が推薦した候補が(辺野古移設に)ノーと言って当選した以上、普通は消えるでしょう」と述べたという。正に、そのとおりである。
5月を期限として、普天間飛行場の移設先について結論を出すとしている鳩山政権であるが、報道によれば、鳩山首相の政府ブレーンが寺島実郎氏から岡本行夫氏に替わったという。岡本氏と言えば、橋本内閣で総理大臣補佐官(沖縄担当)を務め、普天間飛行場の辺野古移設に関わった人物であり、米国からの現行案遂行圧力が強まっている現状では極めて気になる状況もある。
しかし、先の衆議院選挙では沖縄県民の民意が、今回の市長選挙では地元名護市民の民意が県内への新基地建設反対であることが示された。鳩山政権の選択肢の範囲は明らかに狭まった。
鳩山政権は、沖縄の民意である、基地の整理縮小、基地負担の軽減に沿って政策を遂行すべきである。