2030年の沖縄の将来像を描く長期構想「沖縄21世紀ビジョン」(仮称)の答申案が25日の県振興審議会で了承されたという。
将来像を描く場合には向かうべき将来のあるべき姿を描くことは当然であるが、同時に将来像の出発点は現在であり、現在から将来へ渡る道筋がしめされなけれならない。そのためには、現時点における克服すべき課題について議論する必要がある。
沖縄にとって最大の課題は何か。米軍基地であり、基地依存の社会構造の問題である。市民生活はもちろん、基地周辺市町村の基地関連交付金等への依存度も極めて高い。個人収入、雇用、基地周辺市町村の財政等克服すべき課題は多い。そして、返還後の跡地利用は最大の課題となる。基地が返還されて、その跡地にリゾート観光施設ができればパラダイスがおとずれるのか。否である。明るい展望だけでは将来は開けない。現実を直視した視点からの設計図が必要である。
そのためには、現況の問題点を洗い出し、それを県民の前に提示することが必要である。
将来を語るには、まず、現在(いま)を語ることから始めなければならない。