昨日の岡田外相の普天間飛行場の継続使用発言に対しては、鳩山首相をはじめ閣僚からも非難ともいうべき発言が相次いでいる。鳩山首相は「議論の発端は移設。最終的に戻ってきたという話では答えにならない」と明確に否定し、平野官房長官は「検討委員化を立ち上げる中で、戻ることも想定しているなんて論理は矛盾する」、更に北沢防衛大臣も「行き先がないと誰が決めたのか」と発言している。
岡田外相の真意はどこにあるのか。
岡田外相は、自らのHM(こちらをクリック)で昨年12月5日に来沖し普天間移設に関して名護市民との懇談会の状況について週刊ビデオメッセージで述べている。
当日の状況については、沖縄県内のマスコミ報道によれば、岡田外相が現行の辺野古移設案の履行に理解を求めたためヤジと怒号が飛び交い、司会の玉城衆議院議員がとりなす場面もあったという。
ビデオメッセージの中で、岡田外相は、米海兵隊の日本における抑止力は重要であり、普天間基地移設問題は議論が長引けば長引くほどよくないと発言している。同時に沖縄の戦中、戦後、そして復帰後にわたる基地負担について考えなければならないとも発言しているが、結局は、現行の辺野古移設、嘉手納統合、普天間基地の継続使用のいずれかしかないと結論づけているとしか思われない。
今日、興味深いニュースを見つけた。普天間飛行場の新たな移設先を話し合う沖縄基地問題検討委員会が移設先候補地としてあがっているグアムを視察するというのである。先に社民党が視察を申し入れて断られた経緯があるが、政府機関の視察として米国も受け入れたのであろう。
さらにもう一つ、オバマ大統領が3月後半にグアムを視察するというのである。目的は安全保障上の拠点としての機能が強化されている現状を視察することのようではあるが、時期が時期だけに興味深い。視察はグアムだけではなく、インドネシア、オーストラリアも訪問の予定という。5月決着に向けて日本をけん制する狙いも指摘されているが、少なくとも5月決着に向けて事態は進展しているのである。
このような状況の中で、岡田外相の発言は一人よがりのような気がしてならない。野党時代には国民目線に立った、国民本位の政治を目指すべきであるとの持論を展開していたはずである。
コンクリートから人への精神は、防衛、外交の場面でもその真価を発揮してもらいたいものである。