昨日の新聞に「中1ギャップ」対策事業という言葉を見つけた。見つけたのは沖縄県の平成22年度予算内示の記事の中である。教育委員会の重点特別枠事業となっている。小学校を卒業し、中学入学後、授業についていけなくなったり、学校生活になじめなくなる生徒が多いとされる中学1年生を対象とした事業と説明されている。 この説明を読んだだけでは、何が問題で、何を(どんな対策事業を)しようとしているのかよくわからない。そこでネットで検索してみた。
滋賀報知新聞(2010.2.3)
今春から高島市立高島小学校・中学校で、小中一貫教育校が県内で初めて実施される。文部科学省によると、平成20年度には全国で1500校以上の学校が取り組み、小中一貫教育は大きな流れになっている。その背景には「中一(中学一年生)ギャップ」があるという。
読売新聞新潟支局
中学生になると急にいじめや不登校が増える「中一ギャップ」の解消に向けて、県が2003年度から試行的に取り組む「複数担任制」が成果を上げている。小学校に比べ、交友関係が飛躍的に広がる一方、教師の目が十分に行き届かなくなり、新しい環境になじめずに思い悩む新中学生。一クラスを2人の担任が受け持つ「複数担任制」は、教師と生徒とのきめ細やかな交流を通して、生徒たちの新たな“支え”を見つけだす試みである。
宮崎日日新聞
西都市の小中一貫教育モデル校・三財小(三好正俊校長、198人)と三財中(島埜内遵校長、88人)で、小学生が中学校で定期的に授業を受ける交流授業が13日始まった。初日は5、6年生59人が隣接する中学校へ赴き、国語と算数、英語を学んだ。学習や生活の変化になじめず不登校やいじめが急増するといわれる中一ギャップを解消し、中学校の専門性を小学校でも生かそうと導入した。計画では年20回、小学校高学年の児童が毎週水曜日に中学校で1日を過ごす。給食と掃除の時間もあり、生徒会活動や部活動を中学生と一緒に行う。
私の三男が中一である。毎日野球に明け暮れているが、中一ギャップを間の当たりにする日々である。しかし、それがこれ程の社会問題化しているとは思いもよらなかった。生徒指導、部活、定期試験、いずれも小学校とは比べものにならない程厳しさが違うので追いつくのにやっとという感じである。しかし、学童期から思春期、そして自立へと向かっていく成長期の息子に対して、親は見守るしかないと思うのだが。自立のための産みの苦しさを味わうべき時期にあれこれ過保護になりすぎるのも如何かとは思うのだが。 中高の一貫教育の試みが進んでいるが、この状況では小中高一貫教育に進んでいくことになるのか。過保護になりがちな教育環境の中で更に過保護が進むのではないか。こんな危惧を抱くのは私だけだろうか。