県内紙は今日の朝刊で嘉手納基地の騒音被害についての記事を掲載した。
「在日米軍再編に伴い、嘉手納基地所属のF15戦闘機6機が1月29日から2月5日までの8日間、航空自衛隊百里基地(茨城県)に訓練移転を行った際、嘉手納基地周辺の一日あたりの騒音発生回数(70デシベル以上)が、昨年度1日平均の110回を上回る日が3日あったことが、嘉手納町の調べで9日までに分かった」というのがその内容である。「訓練が移転しても騒音は減らず、被害は解決していない」との嘉手納町の基地渉外課長のコメントは正にそのとおりである。
嘉手納基地報道部は、訓練移転によりF15戦闘機の運用は60%から40%軽減すると説明しているという。確かに、F15の飛行回数は減るだろう。嘉手納基地にはいないのだから当然である。しかし、他機材は多数存在する。
嘉手納空軍の業務は空の安全の確保とそのための訓練である。F15がいない間の空白の時間帯をどう活用するかは当然考えなければならない。どうするのか。他機材の訓練、エンジン調整、ひどい時には他の米軍基地から機材を入れて訓練をする。日常業務の合理的運用を考えれば当然である。
しかし、基地周辺住民が求めているのは爆音被害の軽減である。F15だけの飛行機音がいやだと言っているわけではない。F15不在の時間帯は静かにするというのが通常の感覚だろうが(少なくとも付近住民にとっては)、その通常の感覚が米軍には通じない。さらに基地運用については米軍の専権事項であるから沖縄防衛局も要望書の仲介をするのが関の山である。
これが沖縄の基地の現状である。
沖縄の基地負担の軽減を政策目標に掲げる民主党には期待している。長くても政権が維持されるのは4年間である。その間に1歩でも2歩でも前に進んでいくことを期待している。そして、沖縄人(ウチナーンチュ)自身がその声を発信し続けなければならない。
【参考資料】 嘉手納基地に関する使用協定締結について(嘉手納基地から派生する基地被害の可決に向けて作成されたものです。被害実態を知ることができる資料です。ここをクリック)