普天間飛行場移設先を巡る問題について、大きな動きがあった。日本側から米国に対して、現行の名護市辺野古沿岸部への移設案の断念を伝えたことが明らかになった。これで、県内移設はなくなった、と思う。報道によれば、うるま市の米軍ホワイトビーチ(ホワイトビーチに関する資料/沖縄県基地対策課作成 こちらをクリック)から沖合の津堅島までの間を埋め立てる案も浮上しているとされているが、同基地は海軍・陸軍が各々の桟橋を有する供用基地であり、そこに海兵隊基地をあらたに建設するというのは無理があるし、嘉手納統合案と同様米国内の状況も含めてクリアーしなければならない問題が多い。更に地元の同意は得られない。
仲井真知事も国民新党の提案するキャンプシュワーブ陸上案には反対の意向を示しており、嘉手納統合案は論外である。県内移設の前提である、地元の理解は完全に得られないことが明らかになったのであるから、県内移設は完全になくなった。と判断していいだろう。
それでは、3月中に政府案を提示するという鳩山首相の思惑はどこにあるのか。県外か、国外か。まったく先行きが不透明であるが、TVで見る限りの首相の表情にはゆとりさえ感じられる。夏の参議院選挙も控えて鳩山首相の決断に期待したい。