普天間飛行場移設案の一つとして、政府は、ホワイトビーチ沖合いを埋め立て、3600m級滑走路2本と3000m走路1本の代替基地を建設する案を提起しているという。米軍基地だけでなく、那覇空港を共用する自衛隊基地も移転する計画だという。たしかに、沖縄県の中心地である那覇市から米軍港や自衛隊基地が移転すれば観光を中心とした産業育成に寄与することは間違いない。しかし、移転先が問題である。またもや県内。辺野古沿岸部埋立案へ反対の民意は、県内移設が問題だと言っているのであり、名護市以外の市町村ならどこでもいいとは言っていない。少なくとも県外、あたりまえのことである。
嘉手納米空軍基地の広大さをご存じだろうか。4000m級滑走路を2本有し、極東における米軍の最重要基地と言われている。それと同様の規模の基地、いや、3600m級滑走路2本と3000m走路1本の代替基地を造るというのだから、嘉手納基地よりも広大な基地を県内の東海岸沿いに建設しようというのである。これが、完成すれば、これまで絶対に避けなければならないとされてきた基地の固定化が一気にすすむことになる。基地の島沖縄の完成である。
このような計画は暴挙というしかない。正気の沙汰とは思えないのである。
沖縄の基地負担の軽減を声高に言う民主党鳩山政権には期待できないのか。民意により政権を取った鳩山政権だが、民意を無視した政策の果てに待っているのは何か。早くも末期症状を呈しているのか。信頼を寄せていた政権に裏切られようとしているのか。鳩山政権の一挙手一投足に注視する必要がある。油断大敵である。