収支報告書虚偽記載事件で、東京第5検察審査会は、4月27日、小沢氏に対し、審査員11人全員一致で起訴相当の議決を下した。すでに鳩山首相に対する事件が不起訴相当と判断されていることから、どのような判断が下されるのか注目したが、議決の中でも述べられているように「善良な市民感覚」による判断がなされたものと言える。
これにより、検察はあらたに捜査を開始することになるが、以前と違うのは、主権者である国民からの負託を受けての再捜査が始まるということである。これにより、検察は一切の政治的圧力を排する後ろ盾を得た。先に逮捕・起訴された石川議員らの裁判の行方とも相まって、今後の動向が注目される。
先の総選挙で国民の支持を受けて政権を撮った民主党、小沢幹事長であったが、今回は、自らの疑惑につき、国民から起訴相当の判断を受けたのである。いづれも、国民の審判である。たしかに、起訴されるか否かは今後の検察捜査に委ねられることになる。しかし、自らの身が潔白であるというなら、小沢氏自身が説明責任を果たす努力をすべきではないのか。 今回の議決は、このままでは国民が納得しないというメッセージであると受けとめるべきである。
裁判員裁判の導入、政権交代、民主党による様々な施策の中に市民感覚が反映されるようになってきた感があるが、今回の検察審査会の決定も、その延長線上にあるように思う。日本が少しずつ変わりつつあるような感じを受けるのは私だけではないだろう。