見事なまでに沖縄の期待を裏切った鳩山首相。来沖の目的は謝罪と協力依頼。子供との約束を反故にする父親が素直に子供に謝るかのようだった。
日曜日に海に遊びに連れていくはずだったのに突然の接待ゴルフ。仕事だから仕方がないんだよ。できないものは仕方ない。鳩山首相の説明もこの論理だ。父親が会社の業務命令に従わなければならないのはサラリーマンの宿命。もちろん断ることはできるが自らの立場を守るため、家族の生活を守るためにも従うのが通常である。
鳩山首相はどうか。「最低でも県外」の公約により沖縄の保守議席を焼け野原にすることに成功した。「県外移転」の公約が政権奪取の原動力になったことは間違いない。そして、政権獲得に成功し、日本の総理大臣となった。国の最終決定権者である、はずである。しかし、選挙で公約した内容が政権奪取後に施策として実現できない。しかも、たった8ヶ月で結果が出される。何故か。この国には総理大臣よりも権力をもった何かが存在するのだろうか。
沖縄の基地負担の軽減、沖縄の思い、苦難の歴史に報いるため等々、鳩山首相が語る言葉は正に友愛の精神に満ちていた、ように思う。最後まで県外移転の途を模索していたであろうと理解したい。しかし、結果は最悪である。
首相が選挙公約した施策が実現できないことが明白となった今、沖縄は何をすべきか。
沖縄が主体的に動くことが求められる。沖縄の基地負担軽減のために、沖縄に住む一人一人ができることから、始めることである。自らの生活を犠牲にすることはない。できるところから始める。市町村も同様である。基地負担軽減に向けて国を動かすには何をすべきか。できるところから始めることである。
これまでの国に施策を求める姿勢をあらため、主体的に動くこと。何をすべきかを考えるところから始めることが重要であるように思う。