鳩山政権にあって、社民党の福島党首のみが辺野古案に反対を表明している中、それを無視するかのように、急速に進む日米協議。クリントン長官が鳩山首相の決断を歓迎すると述べた後は坂道を転がり落ちるかのように話が進んでいるように見える。鳩山首相は福島党首に丁寧に最後まで説明すると述べながらも罷免意思を固め、岡田外相は今回の選択は現行案への回帰ではないとうそぶく。
太田知事の代理署名に対し、与野党の賛成多数で特措法が改正されたときは、またしても沖縄への差別意識丸出しの施策がなされたと憤りを感じたが、今回も、また、である。
政治と金の問題でも民主党内は自由にものを言えない状況にあると批判されているが、普天間移設問題に関しても同じである。発言しているのは沖縄と鹿児島関連議員のみ。党首の発言を、党首自らが公約ではないと言い切った党首を後生大事に抱えたままでいいのか。
まさか、夏の参議院選挙をにらんで、普天間移設問題にめどをつけた段階で、首相辞任というシナリオを描いているのではあるまい。
いずれにしても、民主党に対する信頼が失われつつあることは確かである。
ならば沖縄はどうすべきか。示された民意を、諦めることなく、声を発しつづけるだけである。