先週の金曜日に菅首相の所信表明演説が行われた。
国政のあり方について、冒頭部分では「国民が積極的に参加し、国民の統治による国政を実現する」とし、二の改革の続行では「住民参加による行政を実現するためには、地域主権の徹底が不可欠です。」と述べている。つまり、国政の基本は国民であり、地域主権の確立が必要であるとしているのである。
これを普天間飛行場移設問題にあてはめるとどうなるのか。
沖縄の民意が新たな基地建設を許さない、基地の整理縮小を求めていることは明らかである。先の日米合意が菅首相の所信表明の内容と相いれないことは明白である。
菅首相は、普天間飛行場移設問題については、その移設・返還の実現と沖縄の基地負担軽減が必要であることに言及しながらも、先の日米合意の踏襲がその前提であるとしている。正に沖縄の思いとは正反対である。しかし、同時に、その末尾で、「(沖縄の)長年の過重な負担に対する感謝の念を深めることから始めたいと思います。」と述べ、慰霊の日に式典に参加することを表明した。「感謝の念を深めること」ができたのなら、沖縄の民意に応える方途はひとつである。今回の来沖が選挙前の単なるポーズに終わらないことを期待する。