驚きである。新聞報道によれば、民主党は7月の参議院選マニフェストに(普天間基地の辺野古移設が主目的の)日米合意の履行を盛り込むという。
1年前の衆議院選挙では、鳩山党首が「最低でも県外」と公約して大勝利を納め、公約が果たせずに辞任した後の選挙で、正反対の政策を公約として掲げようというのである。
正に舌の根も乾かぬうちに、である。
マニフェスト選挙を掲げ、公約の重要性を訴えてきたはずが、ここにきてなりふり構ず走りだした感じである。
政治状況が変化する中で、公約の修正は当然であるとの意見は正しい。しかし、修正するからには、投票した選挙民への十分な説明をするべきである。鳩山前首相も菅新首相も言い訳するのは、日本防衛のために抑止力であり、アジア太平洋地域の抑止力の一点張りで、抑止論を否定する論拠に対し、十分に反論しているとは、とうてい思えない。
マニフェスト選挙は、選挙民がマニフェストを信頼しているからがこそ成立する。1年もたたぬうちに完全に方向転換し、その十分な説明もなしえない政党にマニフェスト選挙を戦う資格はない。私はそう思う。