参議院選挙の開票状況が進むにつれて、与党(民主党・国民新党)の過半数割れが確実となってきた。
その要因としては、菅首相の唐突な消費税論議の提案に国民が反発したとするのが一般である。鳩山前代表が、自らの在任中は消費税は増税しないと公約していたにもかかわらず、代表交代とともに、菅首相は増税必要論をぶち上げたのだから国民が当惑するのは当然である。
そして、鳩山前首相は、普天間飛行場移設問題で「最低でも県外」との公約(口約であると鳩山前首相は主張したが)を翻し、辺野古現行案へ回帰し、こともあろうに現行案回帰の日米共同声明直後に鳩山前首相は辞任した。これも国民を失望させた要因である。
この二つの出来事に共通するのは、民主党は簡単に公約を翻してしまうということである。十分な説明もないままに、いとも簡単に前言を翻す。参院選挙直前に二つの公約違反をやってのけたのであり、選挙民からそっぽをむかれるのは当然である。
民主党の失敗は、沖縄の民意を無視して辺野古現行案回帰を強行したことに始まる。その後の、政治と金や普天間問題の参議院選挙での争点化を避けるかのように、唐突に提案した消費税論議。強い財政、強い経済を唱えだした民主党は、いつの間にか「国民生活第一」とは言わなくなったのである。
公約をいとも簡単に翻したり、代表が替わるとそれまでの約束も忘れてしまう。これでは、国民の信頼を得ることはできない。このことを自覚して、今後の政権運営にあたる以外に民主党浮上の道は残されていない。私はそう思う。