夏の甲子園は興南高校の優勝で幕を閉じた。選抜優勝に続く春夏連覇。チームが一丸となって戦った結果であるのはもちろんであるが、最大の立役者はなんといいっても島袋投手である。選抜優勝の後に、更に磨きをかけた投球術はお見事。更に、点を取られても乱れることのない集中力は圧巻である。
野球は点とりゲーム。最後に1点リードして勝てばいいのである。どんなピンチでも最少失点に抑え、味方の攻撃を待つ。どんなピンチでも、先取点を取られても最善を尽くして相手を抑える。「必ず点をとってやるから」とのチームメートの声に支えられと島袋は話していたが、チームの力を信じて、全員がプレーする。興南高校の強さがこの前向きな姿勢に支えられていることは間違いないだろう。
我如古主将は言う「私生活はどこのチームにも負けないから、どんな大舞台でも平常心でできる。」
技を磨ぐための厳しい練習はどこのチームでもやっていること。日ごろの練習で、勝つための技術を身につけていなければ試合には勝てない。練習で身に付けた以上の力を発揮することは無理。当然である。だから、細かいところまでチェックをして技術を磨くのである。
そして、更に必要なのは練習で身に付けた成果を試合で発揮すること。勝つためにはこれが必要だ。そのために必要なのは、どんな舞台でも揺れることのない平常心。これを培うために興南高校では私生活を重視しているという。どんな大舞台も日常生活の延長線上にある。やるべきことをきちんとやれる姿勢が必要である。
勝って奢らず、負けて卑屈にならず。やるべきことに直向きに取り組んでいく。1日1日の積み重ねが大事なのである。当たり前のように言われていることであるが、実行するはなかなか難しい。
ここまで来ると指導者の力が極めて大きいことが分かる。我喜屋監督がどのような指導をしているのか興味のあるところであるが、報道されている内容によれば、寮での消灯時間の徹底など生活面への厳しい指導があったという。
沖縄で旧盆を迎え、グソウ(あの世のこと)から帰省してくる祖先を迎える季節である。昨日22日がウンケー(お迎え日)。野球好きの祖先も含めて、興南高校の優勝に浸り、賑やかな交流が行われに違いない。